• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

みんなネットを広告を、単純に考えすぎている

(オーソリティ編-3)

2007年9月26日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回に続き、ウェブと広告の未来を斯界のオーソリティからお聞きします。、次の登場人物は、テレビコマーシャルの黎明期から業界に携わって実績を築き、数々の賞も受けてきた小田桐昭氏。電通出身の氏もまた、ネットに目を向けて新たな広告を模索しているようです。

―― 「日経ビジネスオンライン」のようなウェブサイトでは、「この画面を何人が見ました」、という数字がはっきりと出ます。広告をいただく場合、そこがクライアントを安心させる特徴にもなりますが、一方でこれが、広告というものの性格を大きく変えました。簡単に言えば、クライアントは広告に即効性を求めるようになったんです。

小田桐 テレビや新聞、雑誌の広告では、効果を明確な数字では出せませんからね。ウェブの登場で、コミュニケーションも数字に置き換えないと信用しない、という意識が拡大していますね。でも、広告は何のためにあるか、という原点に立ち返ると、それは「ブランドを作るため」なんです。ブランドを作るために必要なことは、数字だけではないはずです。

コミュニケーションを数字に置き換える弊害

小田桐昭(おだぎり・あきら)氏

小田桐昭(おだぎり・あきら)
クリエイティブ・ディレクター。イラストレーター。

1938年、北海道生まれ。61年、金沢市立美術工芸大学卒業後、電通に入社。日本のテレビCMの黎明期に立会い、以後40年間、テレビCMのプランニングに従事。ACC(全日本CM放送連盟)グランプリを初め、内外で200以上の広告賞を受賞。98年、電通を退職。2004年、オグルヴィ&メイザー・ジャパン(株)取締役共同会長、チーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任。(写真:大槻純一、以下同)

 ブランドの構築とは短期間の利益じゃなくて、将来の利益に向かっていくことです。もちろんクライアントもその重要性は分かっているはずなのですが、それは数字に表れにくいから、広告の効果をすぐにでも数字に還元したがる。じゃあ広告担当者の考える数字とは何なのか、と考えると、それは認知率なんですよね。車のメーカーでさえ、広告を何のために打つのか、と問われると、認知率を上げるため、と答えるんです。認知率なら唯一、数字で表せるからです。

―― そのメーカーを知らない日本人がいるとは思えなくても、やっている(笑)。

 タレントを使ってテレビの集中スポットを打ち、それをインターネットにも出せば、認知率は当然上がります。でも、そのことと、広告本来のコミュニケーションで解決すべき問題とは、やっぱり無関係なんですよね。

―― 小田桐さんのキャリアにして、無関係と言い切る。

 ヒトとモノの関係をどのように深いものにしていくかが広告の役割です。認知率はもちろん大切ですが、コミュニケーションのレベルでいえば決して深いものではありません。それこそ昔は、商品の広告を打てば商品が売れるという、ある種の牧歌的な関係がありましたが、今は広告を出しただけで物が売れるというような、単純な世の中ではなくなっています。

―― その単純じゃない要因の一つに、ネットがあるわけですよね。

 そうですね。でも、その単純でないネットも、今は結局、すごく単純に使われようとしている。ネットだとすぐ数字が出て、売り上げに直結する、という考えは単純そのものですよ。ヒトはそんなに単純に動くものではありません。

―― とはいえ、数字もひとつの真実を表してはいる。

 もちろんです。物事を決定するときに数字は大事です。でも数字の意味するところをもっと深く考えるべきです。

―― 今、小田桐さんが身を置いていらっしゃるお仕事の中で、ネットというメディアの勢いは、ひしとお感じになりますか。

 はい。もう(ネット広告は)あって当然のようになっていますから。特に僕が今いるところは、オグルヴィ&メイザーという外資系の広告会社なので、電通や博報堂というトラディショナルなエージェンシーとどう対抗するかということが、大きな課題としてあります。その大きな戦略が、外資系ではメディアに対するフェアな姿勢ですから。

―― つまり「メディアコミッションで儲ける」、というビジネスではない、と。

コメント0

「キーマンに聞くネット広告の未来」のバックナンバー

一覧

「みんなネットを広告を、単純に考えすぎている」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リストラなどつらい経験もありましたが、多くの山に登ったことで、別の景色が見えやすくなりました。

吉田 秀俊 VAIO社長