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「携帯・ネットなし」生活の効用

新人記者が挑戦、アナログ作業から見えた仕事の原点

  • 鈴木雅映子

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2007年9月28日(金)

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今や生活の隅々まで浸透した携帯電話とインターネット。
上手に使うことによって、仕事の効率は上がっているように見える。
仮に携帯もネットもなくなったら仕事はどうなるのか。記者が体験した。

携帯電話の普及で利用が減った町中の公衆電話や駅の伝言掲示板など

携帯電話の普及で利用が減った町中の公衆電話や駅の伝言掲示板など (写真:携帯電話は村田和聡)

 「携帯とネットに日々どれだけ依存しているのか。これを使わない生活を体験して考えてみよう」。今夏、日経ビジネスの企画会議でこんな声が上がり、新人記者である私に白羽の矢が立った。

 私は中学1年の時から携帯を持っている。現在、登録されている電話番号やメールアドレスは700人以上で、大学までの友人ばかりだ。10年ぶりにメールをすることもしばしばある。

 ネットについては、大学生の時から毎日のように海外の友人とチャットをしたり、分からないことがあれば検索エンジンで調べるようになった。携帯とネットを毎日使う生活。これが使えなくなったら、すぐに仕事に重大な支障が生じるのだろうか。

 日経ビジネスが読者を対象に実施した「携帯なし、ネットなしで仕事ができますか」というアンケートでは、56%が「携帯やネットなしで仕事は困難」と答えている(日経ビジネス9月17日号「ビジネス世論」)。

 NTTアドが実施した「1つだけ選ぶとしたらどのメディアですか」という調査では、若い人ほど携帯とネットを重視する傾向が見られる。

若い人ほど携帯とネットを重視

30人の電話連絡に10時間

 それでは、私の「携帯なし、ネットなし生活」を見ていただこう。

 1日目、朝6時30分。いつもは携帯のアラーム機能で起きているが、アラームがない緊張のためか予定より30分早く目を覚ました。枕元に置いてある真っ黒な画面の携帯を見て、深いため息をつく。電源をつけたくなる衝動が起きるのを恐れ、家に置いていくことに決めた。

 通勤中、友人へのメールができないもどかしさと懐かしさを感じた。携帯の使用を禁止された高校生時代を思い出したからだ。

 9時30分に出社。机のすぐ手の届くところに置いてある固定電話の着信ランプが赤く光った。前の週に取材を依頼した企業からだ。急遽、6時間後に取材が入った。会社にいない時に連絡があったとしたら、取材が流れてしまっていたかもしれない。

 午後3時10分。外出の準備をしていると、副編集長から声がかかった。「おまえの居場所を白板に書いておけ。いざとなったら取材先に電話するから」。携帯を持つようになってから、日中の居場所を事前に部署内で共有することが減った。

 自分の居場所を知らせておくのは、監視されているようで嫌な気分だが、白板の自分の欄に「16時戻り。KDDI・泉ガーデン」と書き入れた。

 その日の取材相手は、哀れみの表情を浮かべながら「パワーハラスメントですか?」「新手の新入社員教育なのでしょうか?」と言った。

 会社に戻ると、編集長の「なんだこれ!」という声が耳に入った。振り向くと、その視線は私を向いている。

 どうやら、この生活を始める前に設定したメールの自動返信システムが誤作動したようだ。私へ届いたメールを一切見られない日が続くため、届いたメールに「現在、ネットを見られません」という自動返信を設定した。だが、メールサーバーに残っていた今までの全受信メールにその設定が適応されてしまったのだ。編集長へ何十通もの「メールは見られません」というメールが届いてしまったのである。

 いつもは声も届かないほど遠くにある席からも、「鈴木がウイルスメールを送った」「どうなっているんだ」という声が飛んできた。

 私は青ざめた。社内ならともかく、取材先の企業に対して、どうやって謝ればいいのか。メールを使わずに、ウイルスメールではないことを早急に伝えなければならない。

 結局、今までの名刺を引き出しから取り出し、固定電話で1件1件かけた。取材に向かうタクシーの中でも電話をかけたかったが、かなわぬ夢。約30人に電話をかける作業を終えたのは翌日の朝9時半で、合計10時間の時間を要した。

 だが、10時間を無駄とは思わなかった。数カ月前の取材先へ電話をすると、互いの近況報告や今回の自分の失敗談で盛り上がった。「こんなことでわざわざ電話してきて」と怒る人もいなかった。

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