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「事業戦略に基づくIT戦略」という間違った発想

  • 横浜 信一

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2007年10月1日(月)

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 秋、そろそろ各社では次年度の事業計画作りに着手しだす時期である。中には3年間の中期戦略を作る企業もあるだろう。この時期、我々は「IT(情報技術)戦略策定を支援してほしい」というリクエストをよく受ける。

 「では現在のIT戦略を見せてください」と言って、出てくるのは多くの場合はシステム投資計画であり、それをさらに詳細化したインフラの更新や、アプリケーションの導入のスケジュールである。加えて、実現のための人材プランや体制見直しが入っている場合もある。これは「IT戦略」なのだろうか?

 私はこれをIT戦略と言ってはいけないと思う。それはシステム提供計画であり、そのためのリソースプランである。あくまで提供者の視点から描かれたものであり、それならそうと「システム提供計画」と正々堂々と言うべきである。

 こう言うと、「いやいや名称はともかく、この計画は、事業戦略を踏まえて作られており、決して提供者の論理で作られたものではない。むしろ、事業部門のニーズを十分踏まえたものになっている」という反論が出てくる。

 しかし私は、この「事業戦略に基づくIT戦略」という考え方自体がおかしいと考える。この発想に立った瞬間に、事業とITを別物と捉えてしまうからである。「まず事業ありき、その上でITを考える」という発想を生み出してしまう。誤解を恐れず言えば、そもそもIT戦略というものはなく、あるのは「事業戦略」のみと考えたい。

優れた事業戦略が備える5つのキーワード

 では、事業戦略とは何か? 私は「時代の流れを先読みし、その中で自社の強みを生かして、持続性の高い対競合優位性を作り上げるための、体系立った施策集」と定義づけている。

 この中にはいくつかのキーワードが入っている。それは、(1)「時代の流れを先読み」、(2)「自社の強みを生かし」(従って競合の弱みを突く)、(3)「持続性の高い」、(4)「競合優位性」、(5)「体系立った」、の5つである。この5つを兼ね備えていることが優れた事業戦略の条件である。

 この5条件を満たした施策集を事業戦略と呼ぶのだが、それは無形のものであり、目に見えるものではない。そこで、分かりやすくするために、この無形の事業戦略にいろんな角度からX線を当ててレントゲン撮影してみたとしよう。すると、X線の角度によって具体的に何を言っているのかが見えてくる。

 事業戦略をITという投射板に投影して見えるのがIT戦略である。同様に、人材という投射板に当てると人材戦略が、財務という角度から見ると財務戦略が、そして提携という角度からは提携戦略が見えてくる。

 従ってIT戦略というものがあるとすれば、それは人材、財務、提携といった他の要素とあたかも合金のように一体となって、全体としての事業戦略を作り上げているはずである。

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