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リーダー不在では日本は伸びない

福田首相に期待する“革新型イノベーション”

  • 宮田 秀明

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2007年10月5日(金)

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 福田政権発足から10日が経過した。“トップダウン型”の小泉に対して、“調整型”の福田と言われているようだが、本当に調整型の政治が行われては大変だ。例えば、中央と地方の格差を強調して、それを解決するための調整の結果が公共事業の復活になるといった政治が行われては危険である。

 小泉改革が国内に格差やヒズミを作ったといった説には意図的なものさえ感じられる。日本にとっては、エネルギー、資源、環境、安全を確保しながら、国際競争力を回復することがすべてに優先する課題である。国内指向で近視眼的な行政を行うと日本の競争力がますます低下してしまうだろう。少し極端に言ってしまえば、日本のインフラは「産業の国際競争力」である。

 外貨の100%を製造業に頼り、資源エネルギーのほぼ全量を輸入しなければならない特殊な国であることが、すべての前提である。日本の経済は堅調で、少しではあるが成長過程にあるという見方も疑問である。5年以内の時間軸の短期的な見方ではないだろうか。企業の好決算も円安と急激な中国経済の成長による需給インバランスによるものが大きな部分を占めているだろう。

組織の“経年劣化”とリーダー不在が日本の競争力低下を招いた

 日本の総合的な国際競争力は少しずつ確実に低下している、というのが私の見方だ。為替や株の相対的な軟調が、それを定量的に示していると言えるだろう。百歩譲っても、公的部門の経営力は、確実な下降傾向になって久しいことは明らかだ。 

 日本の競争力の低下を食い止めるためにも改革を止めるわけにはいかない。なぜならこの20年間に公的部門を中心に組織が“経年劣化”し、同時に指導層のモラルとマネジメント力が低下しているからだ。社会保険庁だけではない。すべての公的部門のモラルとマネジメント力は、約20年間ジワジワと低下し続けている。
 
 ジワジワと下がったものを、ジワジワと上げることはほとんど不可能である。上がる流れを止めることは易しいが、下がる流れを止めることは難しい。上がる流れを止めることは、小さなエネルギーでできるが、下がる流れを止めるには、大きなエネルギーがいる。
 
 下がる流れを止めなければならない時には、トップダウンの改革マネジメントが不可欠であり、それを実行できる強いリーダーがいなくてはならない。

 たくさんの先例がある。国の経営なら、鉄の女サッチャー首相の強力な指導力が典型だ、プーチンは存在感の無くなったロシアを戦略的に強い国にしている。民間企業では、日産のゴーン改革が記憶に新しい。ジワジワと低下した英国の力を、継続的な変革のマネジメントで立て直したのがサッチャー首相であり、じわじわと低下して債務超過寸前になってしまった日産を数々の変革の経営で立て直したのがゴーン社長である。ほかにもたくさんの例がある。トップダウンは、基本的な変革のマネジメント法なのである。

コメント17件コメント/レビュー

とても鋭い観察である。しかし、現在日本人が美徳・常識とされることは正にこのトップダウンのアプローチの妨げとなると痛感した。個人性、自分より賢い仲間を認められる寛容さという考え方は残念ながら、日本の社会ではあまりみられない光景である。「出る杭は打たれる」、「仲間意識」を盾にして悪平等を助長する習慣、妬みからなるイジメの問題などなど、日本の「文化」であると言い張り、いつまでも消えなさそうな病となっている。トップダウンで導いてくれる人間が欲しいならば、まず優れたリーダーを抹殺する社会の流れを是正する方法を考えないと行けないと思う。(2007/12/19)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

とても鋭い観察である。しかし、現在日本人が美徳・常識とされることは正にこのトップダウンのアプローチの妨げとなると痛感した。個人性、自分より賢い仲間を認められる寛容さという考え方は残念ながら、日本の社会ではあまりみられない光景である。「出る杭は打たれる」、「仲間意識」を盾にして悪平等を助長する習慣、妬みからなるイジメの問題などなど、日本の「文化」であると言い張り、いつまでも消えなさそうな病となっている。トップダウンで導いてくれる人間が欲しいならば、まず優れたリーダーを抹殺する社会の流れを是正する方法を考えないと行けないと思う。(2007/12/19)

強いリーダーが必要という意見には賛同しますが、さて誰がどのようにそのようなリーダーを選出するのでしょうか?多くの識者が同じような意見を述べますがそれでは誰がとなると答えは有りません。強いリーダーと自負した(?)ブッシュ大統領もお粗末な状況におちいっています。民主主義の国では国民の意識・関心、すなわちレベルがその国のレベル・力を決めるものと思います。意見の中で格差社会を云々..と言われていますが、根本の教育が本当に国民に考え、分析し、判断、創造出来る人を育てて来たのかと思います。指摘のとおり日本は資源の大半を輸入せざるを得ない国で将来、最大の資源の人口が減少し始めればいくら改革と叫んでも追いつかないと思います。政党間でも政府、産業界、学識者からも小手先の意見ばかりのようで大胆な政策論議を主導して欲しいと思います。一般の市井の人には術が有りません。(2007/10/07)

宮田さんは、日本列島に暮らす人々の将来を危惧している。そして(政治思想や金銭欲に染まったや議論と)世論へ疑問を呈している。彼らの主張する地域格差もネットカフェ難民もどうやら騒ぐような実態がないことが明らかになりつつある。結局、現在の騒ぎは、後世、憲法改正を阻止したい近隣外国勢力と国内左派による言論騒乱、税金を原資とした金権復活を画策する政争だったと定義されると思う。宮田さんはリーダーシップが必要だといっていて、プーチンを一例として上げた。プーチンは嫌いだ。が、世界が変革期にある時のリーダーシップは奇麗事だけでは済まない。少なくともロシア側から見れば非調整型のリーダーシップの大きな成功例であることは間違いないと思う。(2007/10/06)

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