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「素敵な広告をありがとう。20年間ずっと買っちゃうよ」

  • 須田 伸

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2007年10月16日(火)

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 日経ビジネスオンラインに「 BOOM(ブーム)!」という新連載が始まりました。著者は私の知人でもあるインテグレート代表取締役の藤田康人さん。「キシリトールの仕掛け人」としても有名な方です。

 連載第1回目の記事タイトルは「楽しいテレビ広告ありがとう。でも商品は買わないよ」。

 非常に鋭い指摘もあって「さすが」と思いました。
 でも、あえて知人でもある気安さから異論を挟んでみることにします。

 今回の記事を書くことを藤田さんに電話で事前に相談したところ、「お互い議論はおおいにやりましょう!」とご快諾いただいたことを、まず最初に読者の皆様にはお伝えしてから始めたいと思います。

大塚製薬ファイブミニの広告は失敗だったのでしょうか?

 まず読んでいて気になったのは、以下に引用する箇所です。

<企業は、ネットという新しいメディアに広告網を張り巡らせIT、デジタル技術の向上により広告はインタラクティブ性において飛躍的に進化し、魅力的でエンターテインメント性の高いコンテンツで消費者を以前よりずっと楽しませることができるようになりました。>

<しかし、それでもそれらの広告の多くは、広告本来の最大の目的である消費者を購買に向かわせるというミッションを果たせるのでしょうか? 昨年、ある飲料ブランドがmixi(ミクシー)で、製品コミュニティーを開設し、凄いアクセスを稼ぎ出し成功事例としてマーケティングの世界では話題になりました。ところが、その製品の販売は全く増えませんでした。 >

 この「ある飲料ブランド」が、「大塚製薬のファイブミニ」を指していることは、日本で仕事をしているマーケッターであれば誰もが瞬時に理解する事実です。

 「ファイブミニの販売が全く増えなかった」だから「ファイブミニの広告は失敗だった」という論理ですが、果たしてそうでしょうか?

 私はそうは思いません。商品の売上が伸びなかったことが事実だったとして、そのすべてを1つの広告に起因させるのはどうかと思いますし、広告をしていなければ商品の売上が下がっていた可能性もあります。

 広告は、商品が売上を伸ばすための要素の1つではありますが、すべてではありません。オールorナッシングで議論するのは非常に危険な気がします。

 商品が売れるために必要な要素には「商品力」「営業力」「流通対策」などなど、さまざまなものがあり、広告もPRもその構成要素の1つに過ぎません。広告の時代は終わってPRの時代、というのは、非常に美しいトランジションに見えますが、果たしてそうなのか、非常に疑問です。

 それとまだ実施されてから1年もたっていないキャンペーンの結果をすぐに求めるのもどうかな? という気がしてならないのです。

1年後、2年後に効く広告もある

 大塚製薬の商品を見ていていつも感心するのは「変えない勇気」です。

 たとえば、多くの飲料メーカーが、商品の名前やパッケージのデザインなどを、新製品につぐ新製品でどんどん変えていく中で、大塚製薬は「ファイブミニ」のほかにも「オロナミンC」「カロリーメイト」「ポカリスエット」など、ずっと続けている商品が多いです。

 これは海外のブランドづくりなどでは一般的ですが、日本のメーカーの中ではかなり珍しいことだと思います。

 なので、店頭で大塚製薬の商品を見たときに、ユーザーが接したその商品とのさまざまな過去のエンゲージメントの記憶を呼び起こさせる蓄積パワーが生まれます。

 mixiの「体内怪人コミュ」の盛り上がりが、商品への愛着、そしてそのユーザーの人生において「ファイブミニ」が登場すべきタイミングになったときの購買まで、長い目で見たほうがいいのではないか、そんな風に感じるんです。

 「すぐ広告してすぐ売る」という考え方が主流の中で、「ブランドづくり」が忘れられていないか、そんな気がします。

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