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銀行システムにまつわる幻想

  • 横浜 信一

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2007年11月5日(月)

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 マッキンゼーのビジネス・テクノロジー・グループでは、欧州とアジアの銀行を対象に、毎年、情報システムについての多面的なベンチマーク調査を行っている。調査内容はIT(情報技術)投資の内訳、要素コストのような定量的な項目から、IT組織の仕組みなど定性的なものまで多岐にわたる。

 2007年の調査結果(データは2006年のもの)がまとまった。今年は74行からの協力を得た(ただし日本は未実施)。日本の銀行や金融機関、ひいてはその他の業界の企業にとっても示唆に富む内容なので、エッセンスをご紹介したい。

銀行業界が信じてきた4つの幻想

 銀行業界で、IT投資の成果を最大化する際にカギを握ると信じられていることがある。だがそれらは必ずしも正しくなく、幻想であるということが4つの点で明らかになっている。

 まず、IT支出の多寡と利益率の間にはほとんど相関関係がない。IT支出を増やすことが残念ながら多くの利益を生み出すことにはつながっていないのである。平均以上のIT支出を行っている銀行では、利益率が低くなっているという逆相関の傾向すら見られる。

図版
IT支出比率とコスト効率性の関係(欧州・アジアの74銀行の調査より、2005~2006年の平均値)
[画像のクリックで拡大表示]

 右の図を見ていただきたい。収益に対するIT支出比率とコスト比率の2側面から、各銀行をプロットしたものである。本来ならばIT支出が高ければ全体の費用効率が良い。すなわち左上から、その逆の右下に向けた相関関係が表れるはずであるが、全くもって相関関係が認められない。なお、右上の象限はIT支出が少なく費用効率が高いということになるので、これを高パフォーマンス行として以下では説明を進めたい。

 第2に、銀行の規模とIT投資の成果との間にも、ほとんど相関関係がないという事実が明らかになった。もう一度図を見ていただきたい。プロットされた各銀行の収益規模別に大、中、小と色分けがしてあるのだが、ここでも一見して分かるように、収益規模の大小と図の上でのプロットのされ方には因果関係がない。小さな銀行でも右上の象限に頑張っている銀行もあるし、大きな銀行でも左下に位置する銀行も多いことが見て取れる。

 第3に、使われている情報システムのハードウエアやソフトウエアの新しさとIT成果の間にも相関関係がないことが分かった。高パフォーマンスの銀行を取り上げても、半分はシステムプラットフォームが5年未満の新しいものである一方、半分は古くておそらくは融通が利きにくいプラットフォームを使っている。

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