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倒産すると社長は悲惨

2007年11月8日(木)

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 日本の社長は倒産すると悲惨だ。日本では多くの場合(いや中小企業ではほぼ100%だが…)、会社の借り入れに対して社長が個人として連帯保証させられているので、会社が倒産すると、必然的に個人としても破産する。

 そもそも日本では、企業の経営がおかしくなった時点で社長は家屋敷を抵当に入れて最大限借り入れて、自社の立て直しに突っ込んでいるものだ。だから、倒産時点で残っている財産はほとんどない。だから、倒産すると夜逃げ、家族離散などという悲劇が生まれる。

 従業員の場合、未払い給与は、一応公的機関が立て替え払いをしてくれる制度があるし、失業保険でだいたい直前給与の8割くらいをもらえる。そのため、けっこう余裕を持って次の仕事を探すことができる。その後は、管財人が企業の整理を行うが、ごく事務的な作業であり、社員はほとんど関係ない。

 ところが、社長はそうではない。それこそ身ぐるみはがされてしまう。その後収入があったとしても毎月20万円程度の最低限の生活費以外の収入は、管財人に没収されてしまう。

銀行から狙われた中小企業

 私の友人の社長の倒産話は生々しい(特定されないように時期や業種などを変えてある)。社長にとっても突然の話だった。よもや自社がそのような事態になるとは、想像もしていなかったと言う。

 A社の経営が苦しかったのは事実だった。それもそのはず、顧客から「中国ではこの値段だから…」と原価を無視して価格が下げられる。支払いは「検収後2カ月後締めの4カ月手形」というようなべらぼうな支払い条件でやらされているから、製造着手から、長いと1年半も収入がない。銀行金利が下がったとはいえ、1年半の資金塩漬けはきつい。そのうえうっかりすると、納入後に値下げを通告してくるひどい会社もある。

 そのうえ、当時は大銀行も不良債権問題で相次いで合併を余儀なくされ、その合併後のマンモス銀行すら倒産が噂されていた頃だった。銀行は不良債権の回収に躍起になっていたが、不良債権は「回収できない」から不良債権なのであり、回収できるわけがない。

 そこで狙われたのが、「返してくれ」と言えば何とか返せる力のある中小企業だ。大企業だって返してくれるかもしれないが、後のたたりが恐ろしい(景気が回復してから「あの時はひどいことをしてくれたな!」と脅かされたんじゃたまらない…)。また、大企業はいろいろな繋がりでおエライさんに圧力をかけてくるから、結局回収は難しい。中小企業なら「恨まれたとしても、どうせウチ以外に頼れるところはないだろう」というわけだ。

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「倒産すると社長は悲惨」の著者

橋本 久義

橋本 久義(はしもと・ひさよし)

政策研究大学院大学名誉教授

政策研究大学院大学名誉教授。東大卒後、通産省入省、製造業担当。1994年埼玉大教授。97年政策研究大学院大学教授、2011年から現職。現場に近いところで行政を・学問を!をモットーに多数の工場を訪問。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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