• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

“親指世代”を攻略せよ!(前編)

爆発する「指コミ」と「口コミ」

  • 井上 理,鈴木雅映子

バックナンバー

2007年11月15日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

10代のすさまじい伝播力をてこに急成長する携帯サイトが増えている。
親指から生まれるコミュニケーションが「口コミ」を増幅、爆発させる。
ネット企業以外も、ビジネスを拡大させる起爆剤として注目し始めた。

ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子社長

ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子社長 (写真:的野 弘路)

 「10代、恐るべしって感じですね。ありがたいですけれども、本当にすごいですよ」

 こう話すのは、国内最大の携帯電話向けサイト「モバゲータウン」を運営する、ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子社長。携帯を自在に操る高校生らの行動に舌を巻く。

 「ユーザーの作品を公開するコーナーがあって、そこで高校生が2000ページくらいの小説を平気で書いている。当然パソコンで打って携帯に送っていると思ったら、全部、親指でやっているわけですよ。恐るべしでしょう。私たちの常識では絶対に計り知れない人たちです(笑)」

 携帯の小さな番号キーをいつでもどこでも連打し続け、コミュニケーションのすべてを携帯の小さな窓で行うことを厭わない“親指世代”。大人は、奇怪な宇宙人のように映る彼ら彼女らを分かろうとせず、「購買力もないだろう」と放置しがちだ。

 だが、親指世代、つまり携帯にどっぷり浸かる10代を中心とする若者は「使える」。指から指へとつながるコミュニケーション「指コミ」による伝播力は、すさまじい爆発力があるからだ。そのことを恐らく日本で最も思い知らされたのが、南場社長だろう。

16歳の半数がモバゲー会員

 もともとDeNAは、打倒「Yahoo!オークション」を掲げ、1999年からパソコン向けのインターネットオークション「ビッダーズ」に取り組んできた。しかし、その差は縮まらない。DeNAはビッダーズの規模拡大による打倒ヤフーを断念し、黒字化を優先。傍らで2003年頃からビッダーズに代わる主力サービスを模索してきた。

 パケット定額制の普及に着目したDeNAは、オークションの「モバオク」やショッピングサイト「モバコレ」など、携帯関連のサービスを次々と打ち出していく。だが、それぞれ堅調に成長はしたものの、会社を昇華させる爆発的な力にはならなかった。

 ところが、昨年2月にモバゲーをオープンしてから、DeNAは一気に成長期へ突入する。その原動力となったのが親指世代である。

モバゲータウンの画面と、アバター(右)

モバゲータウンの画面と、アバター(右)

 モバゲーは、携帯向けのゲームと、人脈が広がるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を組み合わせた新手のサイト。SNSではアバターと呼ばれる分身を用いて他人と友達になったり、コミュニケーションをする。

 広告をクリックしたりキャンペーンに参加したりして手に入れた「モバゴールド」という仮想通貨で、アバターの服やアクセサリーを買って着飾ることもできる。

 DeNAはサイトのオープン当初、20代がユーザー層の中心になるだろうと踏んでおり、そのつもりで設計していた。しかし、蓋を開けてみると、まるでアリが群がるように10代が10代を呼び込んでいる。南場社長は振り返る。

 「最初は、うわっ、これは若いねとびっくりしたというのが正直なところ。モバゲーは結果論として10代の口コミで広がったわけですよ。友達の紹介率というのを見てみると、従来のサービスに比べてケタ違いに多い」

 サービスを開始した2006年2月の入会者のうち、5割のユーザーが入会初月に1人当たり3人を紹介するという強烈な伝播力。予期しない10代の比率と想像を超える伝播力を察知したDeNAは、すぐにサイトを10代向けのデザインや内容にシフトする。

 「大人の目線はダメ」「枠にはめない」「子供扱いはタブー」「秩序立てすぎない」「アバターはかわいく」…。

 10代へのヒヤリングや、南場社長がマッキンゼー在籍時代に培ったコミュニケーションのノウハウを基に、再構成されていくサイト。「モバゲー知ってる?」というメールが10代を中心に飛び交うようになり、親指世代は日本最大のSNS「mixi(ミクシィ)」の倍のペースでモバゲーを肥大化させた。

 当初「1年で100万人」という目標だった会員数は、9カ月で200万人を突破。その時の7割が10代である。

わずか1年半で740万人

 勢いは止まらず、開始からわずか1年半余りの今年9月末、会員数は743万人に達した。高校生への浸透が圧倒的に深く、日本の16歳人口の約半数、17歳人口の約45%がモバゲーを使っている計算になる。アクセス数は1日平均で約4.5億件。ヤフーの携帯向けサイト「Yahoo!モバイル」の4倍以上に当たる規模だ。

 同じく、DeNAの業績も急カーブを描いて上昇していった。直近の四半期(7~9月)の売上高約64億円のうち、半分をモバゲーが稼いでいる。

 日本コカ・コーラなどの大企業がモバゲーのサイト内でキャンペーンを展開するなど、順調に伸びる広告収入。アバターを着飾ることに熱心なユーザーがモバゴールド欲しさにクリックする成果報酬型の広告も好調だ。

コメント0

「ネットのあした」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の社会に足りないのは起業家精神です。

デイビッド・ルーベンシュタイン 米カーライル・グループ共同創業者兼共同最高経営責任者