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SaaS、Web2.0を超え、クラウド・コンピューティング時代へ

  • 渡辺 弘美

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2007年11月21日(水)

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 SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)、Webサービス、WebOS、Webオフィス・スイートという一連のWebオリエンテッドなトレンドは、情報処理もデータの管理も「あちら側」で行われるという意味だ。

 これらの個々のサービスを超えて、更に「あちら側」から本格的なサービスが提供される時代を実現するためのクラウド・コンピューティング(Cloud Computing)という技術がホットになりつつある。クラウド・コンピューティングとは、「雲」のようなインターネット側のどこかで情報処理が行われ、どこかでデータの書き込み、保存がされるというイメージからそう呼ばれている。

 クラウド・コンピューティングは、Web2.0という呼び名が色あせてきたことにより登場したバズ・ワードではない。これは、エンタープライズ分野とコンシューマー分野とを問わず、膨大な数のデータセンターやサーバー内の情報をインターネット上で取り扱い、処理する新たな技術を指す。

 既に、エンタープライズ分野では、セールスフォース・ドットコムが提供するようなSaaS、アマゾンが提供するようなコンピューティングパワー提供サービス(Elastic Comute Cloud : EC2)などがWeb上のサービスとして確立しており、コンシューマー分野では、グーグルなどの検索技術、ウインドウズ・ライブのようなWebサービスがネット上で日常的に利用されている。

 これまでは、1つのマシンから1つのデータセンターにアクセスする単純な形態にコンピューティング技術が対応できればよかったが、これからは、ハードウエアからセキュリティに至るまでのあらゆるインフラ、あらゆるアプリケーション、膨大なデータを、複数のデータセンターやサーバーを駆使して利用できる環境が求められる。

 それには、多数のデータセンターやサーバーの管理を適切に行い、高速に処理するスーパーコンピューティング技術が必要になる。クラウド・コンピューティング技術は、これまで、核実験シミュレーション、気象予測、航空機設計、タンパク解析などの特殊な領域で利用されてきたスーパーコンピュータ技術を大衆に解放する技術であるとも言える。

 米調査会社のガートナーは、2008年の戦略技術トップ10の1つとして、ウェブ・プラットフォームとWOA(ウェブ・オリエンテッド・アーキテクチャ)を取り上げており、クラウド・コンピューティング環境の中で、インフラ、情報、アプリケーション、ビジネスプロセスなどにサービス形態でアクセスすることになるだろうと指摘している。

 本年10月8日に、グーグルとIBMは、大学向けにクラウド・コンピューティングを推進する「アカデミック・クラスター・コンピューティング・イニシアティブ」を発表していたた。今後、1600プロセッサで構築される大規模クラスタ・システムを構築し、学生たちは同システムにアクセスして、並列コンピューティング課程のプロジェクトをテストする。

 カーネギーメロン大学、MIT、スタンフォード大学、UCバークレー校などが参加予定だという。11月12日には、ヤフーもカーネギーメロン大学等の研究機関とともに、4000プロセッサの環境を構築して、ソフトウエア研究を実施すると述べたとされている。

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