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明るいITの作り方

  • 横浜 信一

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2007年12月3日(月)

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 「情報システム」や「ITシステム」というと、どうも硬くて暗いイメージがつきまとう。これはなぜだろうか。技術が専門的で理解しにくいからだろうか。もしかしたらIT(情報技術)のエキスパートと言われる人たちに性格の暗い人たちが多いのだろうか?

 筆者は、理由は別のところにあると思う。ITシステムの使われ方を振り返ってみると、当初は定型的な事務作業を自動化する道具として使われることから始まった。典型的には経理処理であり、それがゆえに今でも情報システム担当が経理・財務部門と密接につながっていることが多い。

ERPの出現が時代の分かれ目

 時代の分かれ目は1990年代半ばに起きた、ERP(統合基幹業務システム)などの業務パッケージの出現である。これらは各社で採用されている業務を定型化して、それを導入することで受発注・生産・在庫管理・販売・顧客管理などの業務を標準化・効率化するという意図を持っている。

 しかしながら、これはなかなかうまく進んでいないのが実情である。経営者は業務の生産性を高めるために標準化を狙う一方、現場ではこれまで慣れ親しんできた仕事の進め方を捨てて、外部から持ち込まれた標準的な業務プロセスに合わせることへの抵抗感が払拭できない。結果としてカスタマイズやアドオンが多くなって当初期待の成果が出なかったり、せっかくシステムが出来上がっても現場では使われないという事態が多発した。

 ERPの導入時にはトップのリーダーシップが必要であるというのはよく言われることである。それはその通りなのだが、実際の経営に携わる立場に立つと現場の抵抗を乗り越え、さらには取引先に対する迷惑までも捨象して、これまでの仕事の進め方を捨てて外から持ち込まれた定型方式に合わせることは困難なのも事実である。

 こうした結果、情報システムというと何かいやなものをやらされるし、期待成果が出にくい、さらに言うと、経営陣と現場の間に、お互いに「相手が分かってくれない」という心理的ギャップを生み出しかねない──。そんなイメージができてしまったのではないだろうか。

情報システムは、真に知的と言えるのか

 少し話は飛ぶが、真に知的なものとは、それ自体が知的なものというよりも、知を創発するものである、と筆者は考えている。

 例えて言うと、インターネットは知的だと考えられる。インターネット自体は単なるIP通信網が相互に接続されただけのいわばパイプであるが、その上で多様なアイディアが生み出されている。日本発のもので言うと、ゲーム機や「iモード」は知的であると思う。無論、ゲーム機もiモードも技術的には高度な機能を盛り込んでいるが、むしろ価値はその上で多くの事業者やユーザーが参加することで花開いた多様なサービスにある。

 インターネットについて言えば、それまで伝統的な双方向コミュニケーションツールであった電話やファックスに比べ、音声・テキスト・映像といった複合メディアを送受信、蓄積することが可能で、また多くの人が同時に参加し、利用することが可能である。これによって、ネット上で多様なアイデアが飛び交い、一人ひとりの小さな「知」が総体としての大きな「知」を生み出すことにつながった。

 ちなみに、こうした双方向コミュニケーションによる知の創造・発展は人類の歴史の上でも過去に起きている。人類の先祖が初めて言葉らしきものを発明したのは、今から200万年から250万年前と言われている。それまでは、1人の人間(まだ人間といえない段階)が有する時空間は自分の人生の長さ、そして自分が物理的に移動できる範囲に限定されていたのだが、言葉の発明によって、時間的には先祖からの継承が、空間的には遠路の情報が入手できることになった。そして、この頃を境に脳の容積は大きくなり始め、当時よりも50%増大するまでになったのである。

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