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ノルウェーのデザイン政策は質実剛健

  • 若井 浩子

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2007年12月13日(木)

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 原油価格が高騰している。原油高が製造業、輸送業を始め日本の産業と生活を逼迫させるという。

図版

創業1853年のヨツール社(ノルウェー)のクリーンバーンストーブ「ヨツールF250」。年間15万台を製造販売しており日本を含む世界35カ国に輸出している

 先日のニュースでは北海道の人が「北国では文字通り死活問題」とインタビューに答えていた。暖房を灯油に頼る北国では、先の見えない価格上昇は不安この上ないだろう。しかし同じ北国で、しかも産油国でありながら日本の倍近い小売り価格を当然と受け止めて、寒い冬を快適に過ごしている国がある。ノルウェーだ。

 ノルウェーは、ロシア、サウジアラビアに次ぐ世界第3位の原油輸出国だが、1次エネルギーに占める石油の割合はたったの9%だ(日本は52%)。家庭の主力エネルギーは電力だが、暖房で威力を発揮するのは排気浄化(クリーンバーン)機能のある薪ストーブ(注1)で、住宅設計では煙突設置が義務づけられている。

 石油は国内では基本的に燃料ではなく製品原料として用いられ、大半は輸出される。輸出で得た利益は将来のために国民の年金基金として貯蓄運用されている。

華やかな北欧モダンのイメージの陰で

 ところで「北欧のモダンデザイン」という言葉から浮かぶのはどこの国のどんな製品だろう? 普通の感覚であれば、デンマークの椅子やフィンランドの食器、スウェーデンの自動車などではないだろうか。なぜかそこにはノルウェー製品のイメージは出てこない。

 「ゼットライト(長い可動式アームを持つ卓上ライト)の元祖はルクソ社だ」とか「チーズスライサーの原型をデザインしたのはノルウェーのトール・ビュルクルントだ」などと言う人は、あまりいない。

 ゼットライトを知らない人はいないだろうし、硬いチーズを削る時に使うあの左官ゴテのような形のスライサーも、もはやデザイナーの存在さえ忘れられるほど一般的になっている。このような画期的な製品を生み出しながら、北欧モダンをイメージする時、その名が挙がらないノルウェー…。

 実は、ノルウェーにも他の北欧諸国同様に19世紀後半にはデザインミュージアムとして「ノルウェー手工芸博物館」(Kunstindustrimuseet)が創設されている。北欧全体で生活向上運動が盛り上がった20世紀初頭、1918年には「ノルウェー応用美術協会」が工業デザインの礎として創設されてもいる。

 にもかかわらずミッドセンチュリーの北欧ブームにも、ここ十数年の北欧デザイン大躍進の波にもノルウェーは乗れなかった。なぜだろう? 答えは冒頭に述べた「石油」にある。


(注1)ノルウェーでは薪ストーブの排気を浄化する機能を持つ「クリーンバーンストーブ」が開発され、1998年には使用義務が法制化された。薪は国産の森林資源から作られ、持続可能でカーボンニュートラルな熱源と位置づけられている。

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