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「ネット広告万能」の死角

通説に一石、日本コカ・コーラの「実証実験」

2007年12月13日(木)

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テレビに代わる有力メディアとしてインターネットが急速に台頭。
ネット広告はラジオや雑誌を追い越し、テレビの牙城をも崩す勢いだ。
だが、日本コカ・コーラの実験ではネット最強説を覆す結果が出た。

 若い男性が街角の自動販売機に硬貨を入れると、自販機の中に広がる幻想的な世界が現れる。この世界の中に硬貨が転がり込んできたのを合図に、キャラクターたちが「コカ・コーラ」をボトルに充填。最後はボトル入りのコーラが自販機から出てくる──。

 2007年1月末から3月末にかけて放映されたこんなテレビCMを見たことがあるだろうか。日本コカ・コーラが2007年1月から行っている「コーク・サイド・オブ・ライフ(コークのきいた人生を)」というキャンペーンで最初に流れたテレビCMだ。

 このキャンペーンは親会社の米コカ・コーラが2006年から世界150カ国以上で展開しているもの。コカ・コーラのブランド価値を「ハピネス・イン・ア・ボトル(ボトルに詰まった幸せ)」と定義し、このロングセラー商品がもたらす前向きで幸せな人生のイメージをテレビCMなどで消費者にアピールしている。

 冒頭のテレビCMに見覚えがあっても、その放映と同時期に日本コカ・コーラが従来の広告戦略を抜本的に見直す大実験に取り組んでいたことを知る人はほとんどいないだろう。それは、テレビCM中心で固定化されていた広告の予算配分を大幅に変更するための試みだった。

16~24歳のファンを増やす

 「広告予算の配分を見直したのは日本だけではない。コーク・サイド・オブ・ライフを展開しているすべての国で取り組んできた」。日本コカ・コーラのフランソワ・ゲイ・ベリール副社長はこう話す。

 背景には新しい技術の出現によって消費者の行動が急速に変化していることがある。以前は午後7時から10時までのゴールデンタイムで最も人気のあるテレビ番組にCMを流せば、大半の消費者に商品を認知してもらえた。娯楽といえば、テレビ以外の選択肢はほとんどなかったからだ。

 しかし今では、人々はインターネットや携帯電話に多くの時間を費やしている。さらに地下鉄や車などで移動する時間も増えた。一方で、CMをスキップしてテレビ番組を録画する技術が登場し、テレビCMそのものの有効性も問われている。ベリール副社長は「テレビCMが万能だった時代は終わった」と指摘する。

 そこでコーク・サイド・オブ・ライフのキャンペーン開始を機に、テレビCM偏重だった広告のあり方に予算の面からメスを入れたのである。その取り組みを詳しく見ていこう。

 予算の再配分に当たって日本コカ・コーラは16歳から24歳までの若者にフォーカスした。この世代はコカ・コーラのことをよく知らず、人気が芳しくなかったからだ。

 「10代後半から20代前半の頃は精神的に自立し始め、運転免許を取得したり恋に落ちたりするなど、実に多くのことを初めて経験する年齢だ。人生で最も輝く時期かもしれない。その世代の時にコカ・コーラのファンになってくれれば、一生飲み続けてくれる可能性が高い」(ベリール副社長)

愛飲者を生み出す意外な伏兵

 まずキャンペーンを立ち上げた1月末から3月末までの9週間を2つに分け、前半と後半とで全く別の予算配分を試すことにした。

 前半では予算全体の4割を「屋外広告」に充て、7割を超えていた「テレビCM」の予算を37%にまで減らした。そして、残りを「交通機関での広告」(11%)、「ラジオCM」(5%)、マンガ雑誌を中心とした「雑誌広告」(5%)、「オンライン広告」(2%)という具合に振り分けた。

テレビCMを従来から半減屋外広告に4割を割いた

 キャンペーン後半は、従来型のテレビ中心の予算配分にした。テレビCMの割合は73%。ラジオCMが14%、雑誌広告が11%、オンライン広告が2%で、屋外広告と交通機関での広告は中止した。

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「「ネット広告万能」の死角」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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