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仮説:ケータイメディアの未来
~携帯は「どこでも深夜ラジオ」なのかもしれない

  • 波多野 絵理

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2007年12月18日(火)

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 「ネットの広告と未来」についてのインタビューで、非常によく出合うのが「カギは携帯電話」という認識だ。携帯電話でネットにアクセスする人の数は爆発的に増え、通信速度が上がって動画の配信も始まるなど、確かに舞台装置は整ってきた。しかし、具体的なユーザーのイメージをつかみきっている人はまだそういない。そもそも、ケータイでウケるコンテンツ、リンクを「押される」広告はどういうものなのか。いち早くケータイ専用の放送チャンネル「Qlick.TV」や「まるごとアニメ」などを展開するフロントメディアの市川茂浩社長に聞いた。

―― いきなりですが、携帯電話で見られるモノと、ネット、テレビで見られるモノはどう違うんでしょう。

市川茂浩氏

フロントメディア社長 市川茂浩氏 (写真:鈴木 愛子、以下同)

市川 それを考えるには、まず携帯の位置付けから始めるといいと思います。テレビ・新聞・雑誌・ラジオの4マス(メディア)があって、ネットが5つ目のマスメディアですが、ぼくは第6のマスメディアが携帯だと言っています。

―― それは、「テレビ」や「パソコン」で見られるものが「携帯」でも見られる、ということではなくて、いわば「携帯放送」という独自のメディアになっていくということですか?

 ええ。

―― では、その新しいメディアで流れる情報はどういうものになるのですか。

 まず「通話」や「メール」がありますが、これは非常に双方向なコミュニケーションモデルですよね。そこで行き交う情報は何かというと、取捨選択のためのコミュニケーションです。人と話したりメールしたりするのが、情報の取捨選択には一番手っ取り早いんです。

 本や漫画を読んだりするのも、時間や知識が必要ですが、実は内容が知りたいならば、人に聞くのが一番簡単。それがベストだとは僕は思わないですし、安易という方もいるかもしれませんが、これだけ情報が溢れている中では極めて有効な手段。

「パッと判断させる」ことが、ケータイの魔力

 コミュニケーションから来る情報は、人に「パッと判断させる」力がある。そして携帯のすごいところは、そういったコミュニケーションを無限大に発生させるツールである、ということなんです。

 そこまで鮮明に分かってくると、みんな参入したくなりますよね。そしてメールや通話によるコミュニケーション以外のメディアを、ここに作ってみたくなるわけです。

―― テキストのやりとりや、会話によらないメディアですか。

 僕自身が目指す事業の終着点は、全国の全国民を網羅した携帯上での最大のマスメディアです。ケータイ放送ですね。広告も、もちろん無料で流します。

 ただ、これを広告モデルとして実現するには最低300万人~1000万人以上のリーチが必要です。現状の会員数は、まだ100万~120万ぐらいなので、薄く広がっている感じです。我々としては動画で1000万人、その規模になれば、マスに広告を打ちたい人たち、あるいはマスで打たないと商売が成り立たない人たちのニーズを十分満たすことができるだろうと考えているんです。

―― それは、「ケータイでワンセグを見る」ということとどう違うのですか。

 ここで僕らの強み、つまりケータイはテレビとどう違うのかを考えてみましょう。ちがいは、ネット系の機能を持てるということだと思います。受け身ではなく、双方向であるということですね。

 これまでのマスメディアの9割には選択性がなかったわけですが、我々が提供するケータイメディアは、ユーザーがその中を自由に散歩して、自分で自発的に見るものを選ぶことができるわけです。

 そうなると、大量の商品を用意しておいて、ユーザーが好きなものを選んで好きな時に買うこともできるわけです。そういった機能をプラスできることが強みのひとつですよね。

「至近で見る」とは、アテンションのすべてを奪えるということ

―― 具体的には。

 我々の「Qlick.TV」には、TBSニュースや、芸能ニュース、BBCワールドのニュースなどがリストで並んでいます。ユーザーが中から見たいニュースを選ぶと、ストリーミングで流れます。テレビと我々の違いは、極めてシンプルで、強みとして言えるのは、ユーザーがその時見たいものを自分で選べるという点です。

 これを広告主の立場で考えると、「自分で選んだ」動画を見ているので、その先の具体的な行動へ直接つながる、いわゆる成果を出せる可能性が高いわけです。出てくる広告にもある程度納得してエンゲージメント(企業や商品への、消費者の積極的な関与や行動)してくれるわけですね。

 たとえば通販番組や商品紹介番組を見て、すぐURLをクリックして購入するとか、映画の予告編からキャンペーンサイトに飛ぶような行動も、ただバナーを貼っているより、ぜんぜん多い。そういった展開例がいろいろ考えられるんですよ。

―― なるほど。しかし、「自分が見るものを選ぶ」ということならば、パソコンで見るネットの動画や、テレビの有料放送などでも同じことが言えそうですが。

 携帯は至近距離で見るメディアです。そこが最も異なる点です。せいぜい顔から10センチぐらいですから、視界占有率が高いわけです。さらに画面が小さいので、集中して見ます。

 この、意識が集中した状態にインタラクティブ機能を追加して、携帯だけのCMからサイトに飛べたり、物が買えたり、参加できたりする機能があればどうだろう、と思っているわけです。

 そこで実験しているのが、通称“5番マーケティング”。広告商品的な名称としては、「Qメール」「リクエストメール」といっているものなんですが。

コメント1件コメント/レビュー

ケータイの小さい画面にはそれに合わせた「見せ方」があるんですね。新鮮でした。でも私自身はケータイでウェブはやりません・・なぜなら画面が小さいと見づらいからです。目のいい若者には小さい画面でもOKなんでしょうけど、老眼ぎみになってしまうと、目を凝らさなくてはならなくて、それだけでもうストレスです。若者だけターゲットにするというのなら話は別ですが、全年齢層に広めたいのなら、もうちょっと画面が大きいほうがいいと思う。アイフォンくらい画面がでかくて、くっきりしてるなら見てみようかなという気になるかもしれません。(2007/12/18)

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ケータイの小さい画面にはそれに合わせた「見せ方」があるんですね。新鮮でした。でも私自身はケータイでウェブはやりません・・なぜなら画面が小さいと見づらいからです。目のいい若者には小さい画面でもOKなんでしょうけど、老眼ぎみになってしまうと、目を凝らさなくてはならなくて、それだけでもうストレスです。若者だけターゲットにするというのなら話は別ですが、全年齢層に広めたいのなら、もうちょっと画面が大きいほうがいいと思う。アイフォンくらい画面がでかくて、くっきりしてるなら見てみようかなという気になるかもしれません。(2007/12/18)

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三品 和広 神戸大学教授