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貴き仕事、それは現場の格闘

現場から遠い人がリーダーシップをとる危うさ

  • 宮田 秀明

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2008年1月11日(金)

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 新年おめでとうございます。このコラムを始めて6カ月たった時から引き際を考えているのだが、もうすぐ丸2年になる。いつまで続くのかわからないが、おつき合いいただいた読者の方には改めて御礼申し上げたい。

 東京の北東の方角に住んでいる私は、休日、茨城や栃木方面へドライブに出かけることが多い。栃木県茂木町にホンダ(7267)の系列会社が運営するレースコース「ツインリンクもてぎ」があるのをご存じだろうか。

 ある時「ツインリンクもてぎ」を訪れ、隣接して設けられている「Honda Collection Hall」を見学した。ホンダの創業以来の歴史が、名車やF1カーの実物と共に語られているミュージアムだ。施設内の古いF1カーが展示されているエリアの柱に、本田宗一郎さん語録が掛けられていた(2008年現在は残念ながら館内掲示していません)。

 その1つを読んで私は、「なんだ。そうだったのか」と思った。こう書いてある。

 自分のF1レースは、一度しか見なかった。こわい!何しろこわいねぇ、本能的に。自分のやったものに対してこわいのと、勝ってくれればいいなっていうのと、もし負けたらなぁとかね。こわれるのを見るのも嫌ですが、何かそれ以上に訳のわからんものがありますね。見に行きたいですよ。猛烈に行きたい。うんと行きたい気持ちとね、拒否する気持ちが心の中で戦いますね。テストなら軽い気持ちで見られるんですよ。レースになると全然違うんですよ(後略)。 <語録:本田宗一郎>

心が締めつけられる現場の怖さ

 世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」は4カ月も続く。私が設計した艇のレースを見るのは当然の義務だと信じていた。だから、大学での本業が許す限り、現場でレースを見ることに努めた。これが楽しいどころか、99%は苦痛を伴うものだった。何のトラブルも起こさず、ブッチギリで勝った時だけは楽な気持ちになれた。
 
 しかし、それ以外は2時間を越すレースが終わるまで、ずっと拷問にかけられていると言っては大袈裟だが、心が締めつけられるのだ。しかも、この気持ちは他の誰も分かってくれないという孤独感もあった。

 血を流すような格闘技に挑む息子を見る母親の抱くつらさと例えるのが、きっと分かりやすいと思う。本当は見たくない。でも、設計者にとって、それは仕事の結果だから絶対に、どんなにつらくても見なければならないと思っていた。なのに、本田さんは一度しか見ていない。早く知っていれば、もう少し気が楽だったのにという思いだった。

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