• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

貴き仕事、それは現場の格闘

現場から遠い人がリーダーシップをとる危うさ

  • 宮田 秀明

バックナンバー

[1/3ページ]

2008年1月11日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 新年おめでとうございます。このコラムを始めて6カ月たった時から引き際を考えているのだが、もうすぐ丸2年になる。いつまで続くのかわからないが、おつき合いいただいた読者の方には改めて御礼申し上げたい。

 東京の北東の方角に住んでいる私は、休日、茨城や栃木方面へドライブに出かけることが多い。栃木県茂木町にホンダ(7267)の系列会社が運営するレースコース「ツインリンクもてぎ」があるのをご存じだろうか。

 ある時「ツインリンクもてぎ」を訪れ、隣接して設けられている「Honda Collection Hall」を見学した。ホンダの創業以来の歴史が、名車やF1カーの実物と共に語られているミュージアムだ。施設内の古いF1カーが展示されているエリアの柱に、本田宗一郎さん語録が掛けられていた(2008年現在は残念ながら館内掲示していません)。

 その1つを読んで私は、「なんだ。そうだったのか」と思った。こう書いてある。

 自分のF1レースは、一度しか見なかった。こわい!何しろこわいねぇ、本能的に。自分のやったものに対してこわいのと、勝ってくれればいいなっていうのと、もし負けたらなぁとかね。こわれるのを見るのも嫌ですが、何かそれ以上に訳のわからんものがありますね。見に行きたいですよ。猛烈に行きたい。うんと行きたい気持ちとね、拒否する気持ちが心の中で戦いますね。テストなら軽い気持ちで見られるんですよ。レースになると全然違うんですよ(後略)。 <語録:本田宗一郎>

心が締めつけられる現場の怖さ

 世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」は4カ月も続く。私が設計した艇のレースを見るのは当然の義務だと信じていた。だから、大学での本業が許す限り、現場でレースを見ることに努めた。これが楽しいどころか、99%は苦痛を伴うものだった。何のトラブルも起こさず、ブッチギリで勝った時だけは楽な気持ちになれた。
 
 しかし、それ以外は2時間を越すレースが終わるまで、ずっと拷問にかけられていると言っては大袈裟だが、心が締めつけられるのだ。しかも、この気持ちは他の誰も分かってくれないという孤独感もあった。

 血を流すような格闘技に挑む息子を見る母親の抱くつらさと例えるのが、きっと分かりやすいと思う。本当は見たくない。でも、設計者にとって、それは仕事の結果だから絶対に、どんなにつらくても見なければならないと思っていた。なのに、本田さんは一度しか見ていない。早く知っていれば、もう少し気が楽だったのにという思いだった。

コメント7件コメント/レビュー

現場なんて関係ない。「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」の沖田仁美警視正の言葉、「事件は会議室で起きているのよ。勘違いしないで。」が、本質だ。現場なんて駒であり、いつでも替えのきく兵だ。議員も官僚も、中小企業の経営者も、世襲制が完成している。現場なんて知らなくても、議員、官僚、経営者になれる。そして、失敗しても責任を下の人間に押しつければいいだけだ。それが日本のデファクトスタンダードなのだから、現場現物なんて誰も学ばない。(2008/01/14)

オススメ情報

「宮田秀明の「経営の設計学」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

現場なんて関係ない。「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」の沖田仁美警視正の言葉、「事件は会議室で起きているのよ。勘違いしないで。」が、本質だ。現場なんて駒であり、いつでも替えのきく兵だ。議員も官僚も、中小企業の経営者も、世襲制が完成している。現場なんて知らなくても、議員、官僚、経営者になれる。そして、失敗しても責任を下の人間に押しつければいいだけだ。それが日本のデファクトスタンダードなのだから、現場現物なんて誰も学ばない。(2008/01/14)

よい記事と思ったが、否定的コメント多し。現場といっても立場立場で地平線がある。たとえば宮田さんは船の設計や運行という立場の現場を知るが、その船の多くの素材の製造については恐らく現場にはいない。その船の建造に金を出す人の経営マネジメントの現場にもいない。そういう意味で世の中は、どこまでも現場である。自分の知らぬお互いの現場に敬意を払うことと、自分の現場に真摯に向き合うことが重要ということだと思う。引きこもりのような研究者への憤りが出たのは、大学では一般にそういう人が力を持ちすぎているのだろう。居ることは悪くはないが、権力を持って大きな支配力影響力を持つのは害が大きい。(2008/01/12)

現場からのたたき上げで経営陣に名を連ねる方々は、どこまで登っても「支店長」ですよ。組織全体を俯瞰できる人がそこから生まれる期待値はものすごく低いように感じます。危機管理や内部統制という面からも、経営に現場意識が過剰に入ると、より組織としてのリスクは大きくなるように感じます。(2008/01/11)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

(日本の住宅政策は)いつまでたっても短期主義から抜け出せない。

長嶋 修 不動産コンサルタント