• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

若い外科医が海外に逃げていく--もう1つの医療崩壊

2008年、どうなる日本の医療【第1回】

2008年1月9日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2004年の医師卒後臨床研修必修化に端を発した、勤務医不足が日本を覆いつくしている。今年あたりから、その水面下で進行する「もう1つの勤務医問題」が表面化してくるかもしれない。それは、若い優秀な外科医の国外流出問題だ。

 コロンビア大学メディカルセンターに勤務する心臓外科医の田端実氏は、1999年に東大医学部卒業後、日本で5年間研修を積み、2004年に渡米。29歳のときに、最年少で米国の名門病院ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の心臓外科フェローとなった。

 大学6年からUSMLE(米国医師資格試験)の勉強を始め、卒後3年目には米国で臨床に携われるStep3まで修了した。一昔前まで極めてまれだった、こうしたキャリアパスを選択する若い外科医が目につくようになった。

 2004年の医師卒後臨床研修必修化により、勤務医の就労環境が激変したことは、1年ほど前から一般メディアでも盛んに報じられている。

 それまで医師の人事権は「大学医局」が完全に掌握していたが、臨床研修必修化を契機に、研修医が自由に研修病院を選ぶようになった。その結果、医師が自発的に行きたがらないへき地などで医師不足が生じ、それを調整しようとすると他地域の医師の労働が過重になるという悪循環に陥った。

 加えて、患者の医療に対する要求が強まり、医療訴訟が急増。さらには、手術などの結果が悪いと、検察が介入し刑事訴訟に発展するケースも目立つようになり、勤務医はそうしたストレスにもさらされ、疲労しきっている。いわゆる「医療崩壊」だ。

 そして、この「医療崩壊」の陰で徐々に進行しつつあるのが、優秀な外科医の国外流出だといえる。まだ水面下の小さな動きではあるが、今年辺りから新たな問題として表面化してくる可能性がある。

手術が下手でも外科教授になれる

 「××外科の○○教授のオペって、ひどいもんらしいよ」。医師の間では、しばしばこんな会話が交わされる。外科医のトップである大学教授の手術が下手というのは、一般国民からすれば信じがたいだろうが、日本の医療界では当然に起こり得る話だ。

コメント15件コメント/レビュー

医学部でなくても日本の大学の教員は雑用が多いですよ。医学部の中の事情は知りませんが、雑用に追われて本来の仕事の時間が削られるのは日本の大学に共通している問題だと思います。それが改善されない理由も、内部にいる人間はみんな分かっていますけどね。だから実力があっても既得権のない若い人は恵まれた環境に出て行くわけです。(2008/01/09)

「医療・バイオ「話題の核心」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

医学部でなくても日本の大学の教員は雑用が多いですよ。医学部の中の事情は知りませんが、雑用に追われて本来の仕事の時間が削られるのは日本の大学に共通している問題だと思います。それが改善されない理由も、内部にいる人間はみんな分かっていますけどね。だから実力があっても既得権のない若い人は恵まれた環境に出て行くわけです。(2008/01/09)

特定業界の旧態依然という問題もあると思うが、現代の日本では、あらゆる分野で軽作業にあたる人手が足りないという問題もあるように思う。過去には若者による労働力が潤沢だったので、低賃金のパート・アルバイトに軽作業を任せていればよかったが、今では若者は中高年より人口が少ない「貴重な資源」になってしまい、その労働価格は高騰し始めている(実際には相場はあまり上がっていないが、その分人が集まらなくなっている)。少子化無策で今後もさらに若年人口が減り続ける状況では、団塊の世代が過去のプライドを捨てて低賃金で軽作業にあたるか、海外からの軽作業労働力を正式に大量導入するしかない。今後も今の状態が続けば、こうした雑用地獄の波があらゆる専門労働者に向かって押し寄せてくるだろう。(2008/01/09)

 医員以上は当直も含めれば労働基準法を遙かに超過する過重労働を強いられサービス残業もして、挙げ句医員は国立大学の医学部附属病院にもかかわらず、1週間のうち1日分の給料カット。研修医制度のもとでは8時間労働と給与がほぼ完全に保障されている研修医…。お陰で医員どころか助手や場合によっては講師クラスにまで雑用が回ってくる。こんな状況で誰が大学の医局に残ると思います?(2008/01/09)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

組織を正しい方向に導き、 作り変えていける人が、優れたリーダーです。

ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長