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存在感を増すサービス業にも科学を導入

Show型とSearch型のどちらの書店が儲かるか

  • 宮田 秀明

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2008年1月18日(金)

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 書店やスーパー、コンビニ、100円ショップを訪れて売れ筋を調べていると、自分の全く知らない商品が売れていることに愕然とする。休日にそうした現場を見て回っているのは、「科学的な経営」の実践研究テーマの1つとして小売業も対象に入れ、書籍ビジネスと通信販売ビジネスを取り上げることになったからだ。やはり現場を見なければ何も始まらない。
 
 しかし、若年層に人気の携帯電話向けサービス「モバゲータウン」の物販サイトの売れ筋商品の「ダイエットサプリiedite」や「怨み屋本舗DVD」、新書ジャンルで上位に顔を出す「耽美」ジャンル(ボーイズラブを題材にしたものなど)の書籍などを見ていると、さすがに理解するのに困難を感じてしまう。

 私の研究グループの学生は30人ほどいるが、そのうち10人が小売業を研究テーマにしている。GDP(国内総生産)の70%を占めるサービス業の経営に、科学的な割合を増やしていくのがビジョンだ。今春卒業する学生の1人の就職先はある大手小売業になった。研究室だけでなく、学科の中でも初めてのことかもしれない。

小売業にはShow型とSearch型がある

 書籍ビジネスの研究内容の一端を紹介しよう。

 書店の商品回転率は平均3.5回/年である。ちょうどコンビニの10分の1程度である。この数字から分かるように、書店とコンビニという2つの小売業の間には大きな違いがある。

 小売業の店舗における顧客と商品の結びつけ方には「Show」(見せて推薦する)と「Search」(豊かな品揃えの中から探してもらう)の2つがある。テレビ通販ではモデルや解説者まで使い、執拗にShowを繰り返す。
 
 コンビニもShowしかしないのが基本である。コンビニでSearchさせられ、買いたいものを買うのに時間がかかったのではコンビニの便利さが弱まってしまう。だから1店舗の商品数は3000から5000品目止まりで、規模も大きくない。このため、何を買うか決めてからコンビニに入ると、ガッカリすることもある。これがコンビニという業態なのだが、Searchの楽しさがないこともこの業態に限界を与えている1つの側面だろう。

コメント4件コメント/レビュー

おっしゃることは、全くもって正しいと思うのですが、日本の”中小”の書店は、書籍流通大手2社のいいなりなので、それに逆らって売る本の自主的な選別はできないそうです。はじめから売らされるものが決められていて、それに逆らうと、かなり経営が難しくなるという話をきいたことがあります。世界を相手にする製造業にはこの手の話はバカバカしいだけですが、日本国内のみの産業にはこういう話は腐るほどあり現実でもあります。科学的な見地からは、うっとおしいだけですが、現場を知るならば、そういう中小書店のそういう話を集めることもより大事であろうと思います。(2008/01/21)

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いただいたコメント

おっしゃることは、全くもって正しいと思うのですが、日本の”中小”の書店は、書籍流通大手2社のいいなりなので、それに逆らって売る本の自主的な選別はできないそうです。はじめから売らされるものが決められていて、それに逆らうと、かなり経営が難しくなるという話をきいたことがあります。世界を相手にする製造業にはこの手の話はバカバカしいだけですが、日本国内のみの産業にはこういう話は腐るほどあり現実でもあります。科学的な見地からは、うっとおしいだけですが、現場を知るならば、そういう中小書店のそういう話を集めることもより大事であろうと思います。(2008/01/21)

書店に望まれる形態は、田舎と大都会では全く異なると思う。私は雑誌以外はすべてAmazonで買う。オンライン書店ではAmazonが群を抜いて使いやすい。あらゆる本がそろい、ここで見つけられなかったら、あきらめるしかない、というほどの品揃えだ。他のオンライン書店に同じことがなぜできないのか、と不思議に思う。怠慢なのか?読んでしまって不要だと思えば、Amazonで売ることも出来る。買う人を即座に売る人に変え、売る場を提供してその仲介料を収益源にしている。ビジネスに素人の私ですら、Amazonのビジネスには驚く。しかし、大都会に住む友人はAmazonを利用したことが無いという。大規模な書店がすぐそこにあるし、配達してもらう時間帯には家にいないので無理だというのだ。Amazonの利用者はおそらく田舎か中小都市に住む人の割合が高いのではないか。つまり、アメリカ的な「車がないと暮らせない」人たちだ。小規模書店が生き残るには、コンビニ化するか、特異な分野に特化して、遠くからでも人が足を運んでくれるような店作りをすることではないだろうか。(2008/01/20)

中小書店の困窮はかなりのところまで来ていると思います。仕入れる商品の構成比率は書店がイニシアチブを取って決めているのではないという話も聞こえてきます。一部クリック&モルタル的試みも行われていますがこれだとコンビニと差別化できません。そもそもすでに首都圏近郊の書店は大部分がチェーン店によって運営されてしまっています。本当の意味での中小書店が生き残る方策を考える場合、残念ながらSearchだShowだという議論は上滑りしているように聞こえます。日本の文化において町の中小書店が果たしてきた役割は大きいと思うのですが、もう戻れないところまで来てしまっているのでしょうか。もし科学の力でこの状況を逆転できるのなら是非、とは思いますが。(2008/01/18)

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三品 和広 神戸大学教授