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外資系ホテルで「日本語の壁」を探してみました

  • 須田 伸(スダシン)

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2008年1月15日(火)

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 年末にある勉強会にパネラーの一人としてお招きいただきました。

 その際に「世界とつながっているインターネットとはいっても、日本語だけで展開しているネットメディアは、言語の壁にあたってしまい、アメリカなどの英語圏のネットメディアのようなスケールが出せないため、例えばグーグルアドセンスだけでは十分な収益をあげられないといった現実がある」という話が他のパネラーの方からあり、あらためて言語という障壁を考えさせられるいい機会になりました。

 この「日本語の壁」。障壁であると同時に、これまでは国内のメディアを外敵から守ってくれる防御壁でもありました。しかし今、大きな転換期を迎えようとしています。今回は、この日本語の壁について考えてみたいと思います。

目論見外れだった「外資系ホテルハイティーはしご」

 近年、外資系高級ホテルの東京への進出が加速しています。そんな中で「最近オープンした外資系高級ホテルの中には、ハードは立派でもソフト面で問題があり、評判が芳しくないものが少なくない」という話をいくつかの場所で耳にしました。

 しかもその理由が、一流のサービスを提供できるホテル業界の人材を揃えるのに際し、他の国であれば、英語という共通言語を背景に系列のホテルからスタッフを引っ張ってくることが可能なのに対して、東京では日本語を話せないとサービスを提供できないので、国内のスタッフに限定された引き抜き合戦になってしまう。しかも、そもそも一流ホテルスタッフの数はさして増えていない。結果、サービスがばらつく、というのです。

 「それは、まさに日本語の壁だ!」と思ったのですが、伝聞だけで記事を書くのはどうかと思います。さりとて1泊最低6万円!とも言われるホテルに泊まって比較するには懐が寂しい。そこで折衷案として、ホテルのラウンジでハイティーを体験して、そのサービスを観察してみようということになったのです。

 年末の仕事も一段落した某日午後、果たして「日本語の壁」によって問題が生じているのか否かを確かめに、2007年に東京にオープンした2つの外資系ホテルのラウンジを「はしご」してみました。

 その結果は、まったくの目論見外れ。しっかりとした一流のサービスと素敵なティータイムを満喫しただけで終わってしまいました…。伝聞で書かなくてよかった、と思いつつ、「日本語の壁」は、そこでは発見できませんでした。

 とはいえ、タダでは起きません。お茶を飲みながら、日本語の壁について思考をいろいろと巡らしてみました。

ルパート・マードック様、今でも日本のメディアを買いたいですか?

 ニューズ・コーポレーションの創業者、ルパート・マードック氏といえば、1990年代半ばに孫正義氏と組んで、テレビ朝日の株式を買収しようとしたことで日本でもお馴染みです。70歳を超えた現在でも、そのメディアビジネスへの嗅覚は衰えることなく健在で、インターネットにおいてもSNS「マイスペース」の価値をいち早く見出して手中におさめ、また老舗の経済紙ウォールストリート・ジャーナルを傘下に持つダウ・ジョーンズ社を買収するなど相変わらずの豪腕ぶりを発揮しています。

 とくに、ウォールストリート・ジャーナル電子版は、現在、アメリカで最も成功しているネット上の有料課金ニュースサービスの1つですが、マードック氏はこれを無料化して広告モデルに転換する方針なのだそうです。「読者のパイを広げて、広告価値を高めたほうが、最終的にはより多くの収益に結びつく」というマードック氏の考えからは、インターネットというメディアへの読みの鋭さを感じずにはいられません。

 さて、果たしてそのマードック氏は、インターネット普及後の現在においても日本のメディアを買いたいと考えるでしょうか?もちろん答えは分からないのですが、私の予想では、インターネットによって国境の壁や電波の壁の価値が弱まっている今、かつてほどには守られた日本メディアに興味を持たないのではないか、と思います。

 日本のアジアにおける経済的地位も低下中。インターネットなどの新しいメディアに押されて広告収益は低下中。といった現状からも、日本語の壁に守られた日本のメディアの価値は、以前にくらべて下がっていると言わざるをえません。こうした中で、マイスペースのような従来のマスメディアとは違った個人が情報を発信するメディア、ウォールストリート・ジャーナルのように世界中のターゲット層を獲得できるメディア、といったような、「明確な比類なき価値」が、日本のメディアからは徐々に薄れつつあるように思うのです。

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