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「ゴルフ民主化」の風雲児

GDO、物販・予約・メディア…新市場も拓く

  • 梅谷 哲夫

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2008年1月17日(木)

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ゴルフ産業に風穴を開けて成長するゴルフダイジェスト・オンライン。
一般利用者の目線に立ち、ネットとの親和性を追求した事業を加速する。
市場を変革・創造して歩む手法は、ネットビジネスを底上げできるのか。

 「このドライバーは1つ前のモデルだけれど、随分安いね」「君の場合はもう少し軽めのクラブがいいんじゃないかな」

 昨年12月末の昼下がり。東京・新橋駅からほど近くにある中古ゴルフ用品販売の「ゴルフパラダイス新橋銀座口店」は、昼休みを利用して来店した会社員らでにぎわっていた。クラブを握って感触を確かめる人や、「買い取り保証制度」を使って実際に試打をしてから本格的に購入するかどうか決めようとしている人、部下の女性にクラブを選んであげる上司の姿も見える。同店のいつもの光景だ。

買収でリアル店舗と融合

ゴルフパラダイスにはネット買い取り商品が並ぶようになった
ゴルフパラダイスにはネット買い取り商品が並ぶようになった

ゴルフパラダイスにはネット買い取り商品が並ぶようになった (写真:的野 弘路)

 だが、全国22店舗の中古ゴルフ用品店をチェーン展開するゴルフパラダイス(旧エイコー、川崎市)には昨秋、大きな変化があった。ゴルフ専門サイトを運営し、インターネット販売も手がけるゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)の完全子会社になったのだ。GDOがネットで買い取ったクラブを、査定ノウハウがあるゴルフパラダイスの実店舗で販売するなど、ネットとリアルの相乗効果を狙った買収である。実際、新橋銀座口店にも「ネット買い取りクラブコーナー」が設けられた。

 「新品の商品サイクルが短くなってきたうえ、GDOのネット買い取り商品が回ってきて品揃えが豊富になった。女性ゴルファーも増えているし、低価格の中古クラブに対する需要はかなり広がっている」

 ゴルフパラダイスのゴルフ事業部副部長で、新橋銀座口店など11店舗を管理する鈴木光昭氏は、こう手応えを感じている。ネットの買い取り本数は実店舗の倍近いペースで進むため、仕入れが豊富になり、店舗間での在庫の融通などが一段とやりやすくなっている。「先々は、買い取りクラブを保管する倉庫もGDO所有の所に一元化し、物流を効率化する」(浅川威GDO経営企画室長)考えだ。

 2000年のネット株バブル崩壊の前、ネットとリアルの融合を指す「クリック・アンド・モルタル」という米国発の言葉が流行った。だが、その後、ネット専業がそれなりの規模のリアル店舗網を手に入れ、融合モデルを進めてきた例はあまりない。数多くのネットベンチャーが誕生したものの苦戦するケースが多い日本のネット産業の中で、GDOのケースは数少ないクリック・アンド・モルタルの実践例と言える。

 「日本のゴルフ」新発売――。こんな刺激的なキャッチコピーを掲げるGDOは2000年、ゴルフ専門雑誌のゴルフダイジェスト社からブランドの提供と3割の出資を受けて誕生した。

 「ネットを活用すれば日本のゴルフ産業を変えていけるし、それがビジネスチャンスにもつながる」

 三菱商事出身で、創業の中心人物となった石坂信也社長はそう確信し、ゴルフ関連事業を手がけるネット専業として疾走。ネット販売のきめ細かいサービスや、ゴルファーに関心の高い情報の豊富さなどを武器に業容を拡大し、4年で東証マザーズ上場を果たした。2003年6月期には単独経常黒字に転換、サイトの登録会員数は2007年11月末時点で118万人に上る。2007年12月期の連結業績は売上高が97億円、経常利益は4億円になった模様だ。

バブル後の変革と軌を一に

 GDOはなぜ急成長することができたのか。それを解くカギは、2つある。

 第1は、石坂社長が徹底的にこだわってきた「ユーザー視点」という戦略である。

 「毎週毎週、全国のゴルファーが自分のゴルフスコアをGDOのサイトに入力している」(斉藤恵理称・広報・ブランディングチームリーダー)。GDOサイトの会員になると、自分のゴルフのスコア管理ができる。スコアの累計が自動計算され、登録する約24万人のうち自分が何位かが常に表示される仕組みだ。過去10回の平均パット数、パーオン率、OB発生率なども分析してくれる。

 そのほか、サイト上でゴルフ仲間が作った約4600のサークルに自由に参加できたり、ゴルフコンペの幹事向けにパック料金のコースや賞品を紹介したり、トッププロによるスイング分析や全国のレッスン情報も満載。ゴルフ関連ブログを立ち上げて、会員以外のゴルファーと交流する人(ブログ数は約7800)も後押しする。ゴルファーに必要な情報、モノ、楽しみ方の提案など、痒いところに手が届くようなサービスを提供しているのだ。

 石坂社長は「単なるゴルフ情報サイトの領域を超えた、ゴルファーズ・コミュニティーというのが我々の思想」と言う。この戦略は、会員権売買と高級コースでの接待というバブル期のゴルフ産業が、一般のゴルファーに開かれたレジャー産業へ転換していく流れにピタリとはまった。

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