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21世紀に必要なイノベーションとは

民間企業や大学、行政組織に求められる革新

  • 宮田 秀明

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2008年1月25日(金)

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 「わが社は、より高いレベルの品質とサービスを提供することを競争力とし、社員一丸となって生産性の向上とパフォーマンスの向上に努め、成長し続けます」

 こんな社長談話を聞くとがっかりする。生産性やパフォーマンスの向上だけで競争力を確保できる時代はもう終わっているのだ。
 
 21世紀の日本企業は、何らかの「イノベーション」を起こさないと生き残れない。日本経済全体としてもそうだ。政府の2025年までの長期戦略指針「イノベーション25」は、イノベーションが日本にとって大切だというメッセージを伝えている。しかし、内容をもっと戦略的なものにしないと、成果は遠くなるだろう。
 
 幸い、年頭の企業トップの挨拶では、イノベーションを語る経営トップが何人かいた。日本IBMの大歳卓麻社長は「日本の顧客がイノベーション(革新)できるようリードする企業を目指す」と語り、住友化学の米倉弘昌社長も「スピード感あるイノベーションを実現し、製品の高付加価値化などを推し進めてほしい」という所感を述べた。

イノベーションに必要なのは、以前とは全く違った経営・組織・プロセス

 では、イノベーションとは何か。それは「世の中に不連続な変化を引き起こすこと」であり、生産性の向上やパフォーマンスの向上とは全く異質のものだ。生産性の向上やパフォーマンスの向上は地道な努力でもできるが、イノベーションを創出するには、それ以前とは全く違った経営、組織、プロセスが必要になる。
 
 まずイノベーションとはどのようなものかを理解しておこう。経済学者のシュンペーター流にイノベーションを分類すると、次の5つになる。
 
 (1)新材料/新要素 material/element innovation
 (2)新製法 process innovation
 (3)新製品 product innovation
 (4)新ビジネス business innovation
 (5)新システム systems innovation

 20世紀の世界の発展は主に(1)と(2)と(3)のイノベーションが推進力となった。日本の高度成長期は、欧米の(1)や(3)のイノベーションに対し、すぐにキャッチアップして(2)のプロセスイノベーションで競争力を獲得してきた。
 
 1960年代から70年代にかけての鉄鋼や造船、1980年代からの自動車やエレクトロニクスの産業分野が、その典型的な例だ。ウォークマンのように日本オリジナルの製品モデルもあるが、欧米で創造された商品モデルにプロセスイノベーションで価値を生み出そうとしたケースが圧倒的に多い。

コメント3件コメント/レビュー

>「わが社は、より高いレベルの品質とサービスを提供することを競争力とし、社員一丸となって生産性の向上とパフォーマンスの向上に努め、成長し続けます」> こんな社長談話を聞くとがっかりする。品質・生産性やパフォーマンスの向上だけで競争力を確保できる時代はもう終わっているのだ。上記の宮田先生のお考えに同感です。品質と生産性を重視し過ぎるあまり、イノベーションと内需を犠牲にすることは、日本企業にありがちです。 このコーナーの以前のコラムに「最近の東大生は(日本企業にでなく)外資系企業に就職したがる」とありましたが、若い世代の意欲ある高学歴層にとって、一般的な日本企業はあまりいい就職先でないことは私も感じます。では、どうすればいいのか、についても、>垣根を取り払う、>人材流動性を高めるに同感です。 このコーナーの別に「私(宮田先生)は文部省からにらまれていた」とありましたが、むしろ宮田先生のような方が文部科学大臣になれば、教育や科学技術が良くなることはもとより、日本の経済成長率が他の先進国並みに上昇し、株価も普通に右肩上がりになるのではと思います。 このコーナーが今後も続くことを期待します。(2008/01/25)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

>「わが社は、より高いレベルの品質とサービスを提供することを競争力とし、社員一丸となって生産性の向上とパフォーマンスの向上に努め、成長し続けます」> こんな社長談話を聞くとがっかりする。品質・生産性やパフォーマンスの向上だけで競争力を確保できる時代はもう終わっているのだ。上記の宮田先生のお考えに同感です。品質と生産性を重視し過ぎるあまり、イノベーションと内需を犠牲にすることは、日本企業にありがちです。 このコーナーの以前のコラムに「最近の東大生は(日本企業にでなく)外資系企業に就職したがる」とありましたが、若い世代の意欲ある高学歴層にとって、一般的な日本企業はあまりいい就職先でないことは私も感じます。では、どうすればいいのか、についても、>垣根を取り払う、>人材流動性を高めるに同感です。 このコーナーの別に「私(宮田先生)は文部省からにらまれていた」とありましたが、むしろ宮田先生のような方が文部科学大臣になれば、教育や科学技術が良くなることはもとより、日本の経済成長率が他の先進国並みに上昇し、株価も普通に右肩上がりになるのではと思います。 このコーナーが今後も続くことを期待します。(2008/01/25)

今の日本の状況は,江戸末期,黒船が来て,あちこちでざわざわしている状況似ているかと.革新的なことが必要だ,とは判っているが,旧習派も力を持っている.これからしばらくは,こういうフラフラした状態が続きながら,もうだめだ,という臨界点まで達して,革命(明治維新のような)が起こるか,あるいは,そうはならずに,フラフラしながら,沈み込んでいくか...イノベーションを起こすためには,過去を破壊する(Break through)必要があるので,破壊するだけのエネルギーを持つ必要がある.残念ながら,今の日本は,その域には達していないように感じます.今,革命を起こしても,つぶされるだけ...(2008/01/25)

私も氏の考えと同じなのですが、実際に行動しなければならないのは官、行政と、民、企業が中心になると思います。現状では民の一部の企業を除き方向を決める政治・行政・民が内向き志向でグローバルな競争社会で日本を、何を育成・強化し成長・発展させて行くかの議論が湧かず、成長へのビジョンが一向に出て来ません。人口減少社会で如何に生き残るかという発想は、既に「敗者の考え方」と思います。視野を世界に広げ、マクロトレンドからニーズを掘り起こし、日本の技術のシーズと結びつけイノベーションに結びつける。この部分の目利きをし、ビジネス・モデルを考えて行く機能が衰えていると思います。国内だけを見ていればたくさんの起業がありますが、いずれもが国内の縮小する市場で競争するビジネスが大半です。外に目を向けるには言葉、各地域、国の情勢・制度への対応などが有り簡単ではないにしても、これらへの方向を転換させることが重要と思います。どうやって進めるかのアイデアと計画などまで発展させることを期待します。(2008/01/25)

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