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道路予算は地方を救わない

今こそ“麻薬”中毒の苦しみから抜け出す時

  • 宮田 秀明

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2008年2月1日(金)

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 国の将来が危ういというのに、国会では給油や道路が主要テーマになっている。国民は呆れ返っているか、諦めているかのどちらかに違いない。為政者のいない時代になってしまったようだ。

 国の経営を、論理に従って清々粛々と行うのが為政だと思う。しかし国会では、論理のよく分からない議論が横行している。例えば福田康夫首相の「地域の自立・活性化や国民生活に必要な道路整備を実施するため、暫定税率は今後10年継続しなければならない」という説明は論理的に正しいのだろうか。

 道路を整備することが、産業にどのような直接的効果をもたらし、市民にどのような間接的効果を及ぼすのかを試算して数字で示すことが求められる。さらにその効果は、この予算を別の事業に用いた時の効果と比較し、優劣判定を行ったうえで政策を選定するのが論理的な為政である。

 予測が入るので、数字で表現するのは易しいことではない。しかし、できないわけではない。もし官僚や経済学者にできないのなら、民間シンクタンクや私たち理系の大学人に任せてはどうだろう。

 道路特定財源の暫定税率分の年間2兆6000億円という金額は、国の教育関係予算の3分の2に相当するほどの額だ。それなのに、道路投資かガソリンの値下げの2つの選択肢しかないというのでは議論がお粗末すぎる。道路には政官業癒着が強いことも、現代日本では公共投資の効果が低くなっていることも、もう共通認識になっている。もっと議論が交わされて新しい政策が提示されるべきだ。

シミュレーションによって必要な輸送手段や交通が分かる

 私たちの研究室では船舶や輸送や交通も重要な研究テーマなので、この分野の詳細を知る機会も多い。

 関東運輸局の依頼で、東京湾の有効利用の研究を以前に行った。東京湾アクアラインのできる前のことだ。木更津と川崎の間をフェリーで結び、道路の渋滞を解消しようというものだった。この答えは簡単だった。車を80台積めるフェリーを10~15隻建造すれば、日量7000台の車を片道1時間もかからないで運べる。

 1隻20億円ぐらいだから、船舶に200億~300億円、その他を含めても600億円ぐらいの投資で賄えそうだった。フェリー案では運航費が確かにかかる。だが、総工費1兆4400億円をかけて50年計画の償還がまず不可能なアクアラインの案とは比較検討さえされなかった。

コメント124件コメント/レビュー

道路の議論は、社会資本整備面と福祉面にまず分けて考える必要があり、さらに福祉面も生活保護と雇用確保に分けなければならない。これらをごちゃ混ぜにして、「道路整備」に全ての期待をかけるから問題が整理されないのだと思います。?良質な社会資本整備としての道路整備は、宮崎県の東国原知事が言う東九州自動車道路のような幹線道路である。?生活保護としての道路整備は、中山間の過疎地域などで、病院へ行くにも学校に通うにも道路がいるといった場合の道路である。?最後の雇用確保としての道路整備は、地方の中小建設会社(及びそこで働く地域の人)の雇用創出のための事業である。このうち、そもそも都市部の納税者が、?と?を目的とした道路整備に対して税金を払うことを認めるかという問題がある。まともに説明すれば、認められないだろう。だから、道路建設の目的は、表面上は「?良質な社会資本整備」しか言えないのだが、その面から見たとき、?や?を目的として建設した道路は、タヌキしか通らない無駄な社会資本という事になってしまう。生活保護としての道路建設、雇用創出としての道路建設を認めるかどうか。これはすなわち、地方の生活保護を認めるか、地方の雇用を認めるかという問題である。これらを認めないとした場合、当面日本の中山間地の過疎地域には、人は住むことは困難になる。これまで膨大な国家予算を投じて整備してきた農地(圃場整備等)が放棄され、その投資が戻って来なくなる点には注意を要するのだが、それをどれだけの人が気にしているのだろうか。(2008/03/08)

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道路の議論は、社会資本整備面と福祉面にまず分けて考える必要があり、さらに福祉面も生活保護と雇用確保に分けなければならない。これらをごちゃ混ぜにして、「道路整備」に全ての期待をかけるから問題が整理されないのだと思います。?良質な社会資本整備としての道路整備は、宮崎県の東国原知事が言う東九州自動車道路のような幹線道路である。?生活保護としての道路整備は、中山間の過疎地域などで、病院へ行くにも学校に通うにも道路がいるといった場合の道路である。?最後の雇用確保としての道路整備は、地方の中小建設会社(及びそこで働く地域の人)の雇用創出のための事業である。このうち、そもそも都市部の納税者が、?と?を目的とした道路整備に対して税金を払うことを認めるかという問題がある。まともに説明すれば、認められないだろう。だから、道路建設の目的は、表面上は「?良質な社会資本整備」しか言えないのだが、その面から見たとき、?や?を目的として建設した道路は、タヌキしか通らない無駄な社会資本という事になってしまう。生活保護としての道路建設、雇用創出としての道路建設を認めるかどうか。これはすなわち、地方の生活保護を認めるか、地方の雇用を認めるかという問題である。これらを認めないとした場合、当面日本の中山間地の過疎地域には、人は住むことは困難になる。これまで膨大な国家予算を投じて整備してきた農地(圃場整備等)が放棄され、その投資が戻って来なくなる点には注意を要するのだが、それをどれだけの人が気にしているのだろうか。(2008/03/08)

道路の無駄に関しては色々意見があり、ほとんどのものは的を射たものと思う。今回の論文はシミュレーションによる定量的な解析データがあり、説得力がある。また、保全費用の増大を指摘している点が特に共感を得る。国会議員はどうしても権益のしがらみを断ち切れないのだということをこの分野においても改めて知らされる。(2008/02/08)

まったくもって賛成です。さらに私から加えたいのは、6つの改革に、温暖化問題対策を付け加えることです。とくにガソリンに乗せる税金なのだから、炭素税的な環境税というのも納得がいくのではないでしょうか。2兆あれば、環境先進国として国際的なプレゼンスを高めていくことにも貢献するでしょう。財政、教育、金融……すべて待ったなしですが、食料危機や世界の不安定さが増しては元も子もありません。道路特定財源の環境財源化を求めます。(2008/02/06)

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夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長