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第1回 NTTを縛る“電話的価値観”

  • 宗像誠之,中川ヒロミ

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2008年1月30日(水)

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 過去の成功体験が大きいほど、企業は成功を生み出した考え方や価値観から抜け出しにくくなる。価値観と時代が合致しているうちはよい。しかし時代は移り変わるものだ。企業が時代遅れの価値観を貫き通せば、企業は迷走し始める。

 ところが、成功体験に基づく古い価値観で育った経営陣は、時代と価値観のズレに気付かない。古い価値観の影響を受けていない若い世代が変革すべきと進言しても、ことの重要さを理解できない。つまり企業は自分自身を古い価値観でがんじがらめに縛って、変革のチャンスを自ら捨ててしまうのだ。

 こうした企業の自縛現象は、多くの企業に見られることだ。特に伝統があり、大企業であるほど陥りやすい。その代表が、NTTグループである。NTTの迷走は、鳴り物入りで始める次世代ネットワークやIPネットワークの障害などで明らかになりつつある。

 「このままでは、NTTは今の時代に必要のない会社になるのではないか」--。中堅・若手社員を中心に、こうした危惧の声が上がる。通信業界最大手であるNTTグループの迷走は、日本の通信・IT業界の硬直化にもつながる恐れのある大きな問題である。この連載では、NTTがとらわれている価値観の正体とその弊害を明らかにしていこう。

期待外れだった次世代ネットワーク

 NTT東日本が2007年10月25日に開催した次世代ネットワーク(NGN)の記者会見では、報道陣のいらついた声が会場に響いていた。既存サービスと代わり映えしない発表内容を見た記者から質問が飛んだ。「結局、オプション・サービスの契約をしない限り、今のフレッツと同じというわけですか?」。

 発表者であるNTT東日本の渡邊大樹取締役はやや間をおいて、こう答えた。
「つまり、そういうことになります」。

 NGNの構築は、NTTグループが2004年11月に公表した足掛け3年の大プロジェクト。NTTグループを挙げてのNGN構想が、2008年3月にようやく商用化するという晴れ舞台のはずなのに、発表者であるNTT東日本の渡邊取締役は当初から浮かない顔を見せていた。その表情は、新鮮味のないNGNのサービス内容を暗示するかのようだった。

 実際に、NGNのサービス内容は、インターネット接続やIP電話、映像配信など、NTT東西が提供中の現行サービス「フレッツ」と同じものがほとんどだ。渡邊取締役は、「NGNはフレッツ網を高度化し、大容量化したもの」と説明するにとどまった。

 報道陣がいら立つのも仕方がない。これまでNTT持ち株会社はNGN構想を大々的にアピールしてきたからだ。NTT持ち株会社の和田紀夫社長(当時)は常々、「NGNはインターネットと同じIP(Internet Protocol)技術を使うが、電話の信頼性とインターネットの柔軟性を“いいとこ取り”したインフラだ」と強調し、その素晴らしさをアピールし続けてきた。

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