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LEDが照明マーケットを変える

  • 前原 孝章

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2008年2月5日(火)

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 近年、「白色LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)」「OLED(Organic Light Emitting Diode:有機発光ダイオード)」といった「半導体照明(Semiconductor Lighting)」の技術革新が急速に進み、照明用の光源として存在感を高めている。今年に入ってからも、欧州照明大手の蘭フィリップスによる大手LED照明メーカー、米カラーキネティクスとカナダのTIRシステムズの相次ぐ買収や、米国照明大手ゼネラル・エレクトリック(GE)がLED大手、米クリーの買収提案を行ったという報道があり、にわかに注目を集めている。

世界の都市化率の推移

図1 世界の都市化率の推移
(出所:国連)

 国連の調査によると、都市部に住む人口の比率である都市化率は世界的に上昇している。人口の増大を加味すると、ますます多くの人々が都市に住むようになってきており、今後長期的に見ても、その傾向は変わらないと予想されている(図1)。

 こういった背景の下、1878年に白熱電球が発明されて以来、照明市場は継続的に拡大し続けてきている。発明以来100年が経ち、全世界で8兆円の規模を超える市場となった現在においても、都市化の進展に伴って照明市場は成長を続けている。この巨大マーケットに大きな変化をもたらす可能性がある半導体照明を今回は取り上げたい。

クリスマスツリーなど装飾照明の分野で先行導入

 100年以上にわたり市場が発展してきた中で、照明マーケットは細分化が進んでいる。あらゆる所に照明が使われるようになった一方で、それぞれのニーズの違いに応える形で技術的にも様々な方式が存在している。例えば、日本の一般的な家庭では、トイレなどでは白熱灯が用いられ、リビングなどでは蛍光灯が用いられていることが多い。

 蛍光灯は消費電力が低いが、点灯、消灯を繰り返すと寿命が縮まる。一方、白熱灯は蛍光灯に比べると消費電力が高いが、繰り返しの点灯、消灯に強い。したがってトイレのように点灯、消灯が頻繁に行われる所では白熱灯が使われ、リビングのように長時間点灯される所では蛍光灯が使われる。また、欧米では白熱灯の暖色系の光が好まれ、アジアでは蛍光灯の白色が好まれるといったように、地域ごとにユーザーの好みも大きく異なり、市場のさらなる細分化をもたらしている。

世界のLED照明市場

図2 世界のLED照明市場
(出所:野村総合研究所)

 細分化した市場の中で、LED/OLEDが先行的に使われているのは、装飾用照明の領域である。量産品を比べると、LED/OLEDは既存の照明に比べ、寿命、発光効率(消費電力)、コスト面などではまだ劣っているが、調光の容易さや複雑な制御の可能性、平面発光が可能といったメリットがある。そうした点が評価され、利用が始まっており、市場は急速に成長している(図2)。

 身近な例で言えば、クリスマスツリーの装飾などに数多くのLEDが用いられ始めている。さらには、次のような使われ方もある。例えば、人の移動をセンサーが検知するとセンサーが信号を発し、その信号に合わせて照明の色合いを変える演出や、壁に照明を埋め込むことなどが可能になる。フィリップスによるカラーキネティクス、TIR システムズの買収も、LED照明の制御に関する技術を高く評価したものだと言われている。LED/OLEDならではの特徴を生かせるマーケットで、着々と導入が進んでいる。

高い発光効率で蛍光灯に置き換わる可能性も

 一方、LED/OLEDはTCO(Total Cost of Ownership)の観点からも、理論的に非常に効率の良い光源となり得る。そのため、メインストリームの照明(室内用一般照明)に置き換わる可能性もあると言われている。

 例えば、現在、研究開発レベルでは蛍光灯の2~3倍の発光効率のLEDが登場してきている。また、LEDの寿命は蛍光灯に比べて数倍の長さを持つ。照明は家庭内やビルの電力消費の20~30%を占めると言われており、照明の電力消費を効率化するインパクトは、社会的な観点からも非常に大きい。また、これらの市場は、全世界で8兆円以上と言われる照明市場の60%以上を占める。この巨大市場の変化をもたらすという点でも注目すべきと言えよう。

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