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古いままの設計図で日本を経営できるのか

国の衰退を食い止める「制度設計」の出番

  • 宮田 秀明

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2008年2月8日(金)

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 「いつまで分析ばかりやっているの。100年間分析を続けたって、何も生み出されないぞ」。修士論文の研究が追い込みの段階に入っている2人の修士課程2年生の学生に向かって、私は言った。
 
 1人は通信販売企業の経営支援システムを、もう1人は書店展示設計法を研究テーマにしている。学生に教えたいのはビジネスモデルの設計だ。私にとってはかつては船というハードウエアが設計の対象で、今は経営かビジネスが対象だが、特に創造的な設計という点では共通している。

 書店展示設計法の研究では、全国の書籍販売データと対象書店のすべてのデータを使って、書店全体の商品回転率と粗利益率を最大にするシステムを設計するのが目的だ。通信販売企業の経営支援システムの研究では、顧客診断を行って、リマインド(注文忘れの防止)やリコメンド(商品推奨)を自動的にするシステムの開発を目指している。

 「設計って、優れた部品を開発して組み合わせることによってできると思っていました。だから分析によって優れた部品を作るのが大切と思っていたんです」。書店の経営の分析を延々と繰り返していた学生が答えた。

 「それも設計だけど、類似品を作るための組み合わせの設計だね。創造性の低いものしかできないよ。創造的な設計は、分析によって現状のシステムの仕組みと機能と問題点を徹底的に理解したうえで、新しいシステムを考え、その仕組みがこれまでの問題点を解消するように構成して、優れた機能を実現させるようにすることだ」と私は答え、さらに説明した。
 
 「今までにないモデル、構造、アーキテクチャー、システムを創り出すのが設計の目標で、そのためには構想力が必要になる。だけどこの力を獲得するのは難しい。社会に出たらたくさんの場数を踏むんだね」

国の経営とは、正しい行政サービスモデルを設計すること

 設計は大変難しい仕事だ。類型的な設計のできる人は多いが、創造的な設計のできる人は少ない。民間企業なら新商品の設計と新しいビジネスモデルの設計が大切だ。これができなければ、他社に負けて、いつかは衰退してしまう。

 創造する力の中で設計力は大きな位置を占める。経営者になる方は自ら、この2つの設計のうちのどちらかを実践した経験があることが望ましい。それがなければ、この2つの設計の重要さを強く認識して、そのための環境を作り、人を育てるのがいい。
  
 国の経営、つまり行政にとって大切なのはその時代に即した正しい行政サービスモデルを設計することだ。制度設計という言葉があるように、予算の配分は正しい制度設計を行ったうえで行ってほしい。そうでなければ予算の費用対効果は低くなってしまう。

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