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黄綬褒章を授与されたクレイモデラー

  • 河岡 徳彦

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2008年2月7日(木)

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 自動車関連の賞は「カー・オブ・ザ・イヤー」など有名なものが数多くありますが、それらの多くは商品が対象です。一方、個人を対象にした賞も少なからず存在します。例えば身近なところでは、デザイナー志望の学生などを対象にした「クレイモデルエキジビション」がそれです。また米国には、以前このコラムでも紹介したゼネラル・モーターズ(GM)グループのモデルカーデザインコンテストがあります。また、米国の「自動車殿堂入り」はよく知られています。

 先日、日本の褒章の1つである黄綬褒章が、ある自動車関係者に授与されました。黄綬褒章は「業務に精励し衆民の模範である方」に授与されるもので、毎年4月と11月に表彰が行われます。いつもは新聞記事をざーっと横流し程度に見て、世の中で立派なことを成し遂げた人たちの存在を知るだけですが、昨年の11月はいつもと違いました。多くの黄綬褒章受賞者の名前を丹念に見て、私の知り合いがそこにいることを確認したのです。

 その人とは、石井誠氏です。功績の概要は「デザイン模型製作業務・卓越技能」。分かりやすく言えば、クレイモデラーとしての受賞でした。石井氏は、私が東洋工業(現マツダ)に入社した時の教育担当、兼モデラー、兼エンジニア、兼人生相談係でした。つまり、なんでも面倒を見てくれるマルチタレントな先生でした。

手描きの三面図は圧巻

 石井氏はデザイナーが描いた自動車デザインをもとに三面図に起こし、立体のクレイモデルを作るのですが、その才能は際立ったものがありました。特に、手描きの三面図の完成度は圧巻でした。コンピューター全盛の今となっては、おそらくもう誰にも描くことができないのではないでしょうか。

 手順は次の通りです。まず、何本もの鉛筆を用意します。一定幅のラインを書くためにそれらの芯を尖らして、一定の長さに整えます。それから原寸大の自動車を描けるサイズのトレーシングペーパーを用意し、フルサイズの台の上にしっかりと張り付けます。彼はデュポン製のフィルムを見つけてきて、トレーシングペーパーとして使っていました。

 それから10センチ間隔で縦横の罫線を書きます。長い定規を使い、姿勢正しく、修行者のごとく寡黙に、かつかなりのスピードで正確にラインを引いていきます。そのラインの太さは常に一定です。縦横の罫線が引き終わってグリッドができたら、その上に自動車の三面図を描いていくのです。

コメント1件コメント/レビュー

今なお眺めて飽きない初代ユーノス・ロードスターやFD3SRX-7、そしてジウジアーロが絶賛したというユーノス500。これらの美しいクルマたちが生まれてきた現場をほんの僅かでも垣間見ることができたような気がしました。それにしても今時のクルマは素人目に見ても、まだデザインしている途中なんじゃないの?と思わされるものが多すぎると思います。(2008/02/08)

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今なお眺めて飽きない初代ユーノス・ロードスターやFD3SRX-7、そしてジウジアーロが絶賛したというユーノス500。これらの美しいクルマたちが生まれてきた現場をほんの僅かでも垣間見ることができたような気がしました。それにしても今時のクルマは素人目に見ても、まだデザインしている途中なんじゃないの?と思わされるものが多すぎると思います。(2008/02/08)

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