• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

美人度の上方修正はどこまでOKか

デジカメ未来形:記録写真から記憶写真への進化(2)

2008年2月18日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 前回のコラムでは、ソニーのデジタルカメラに搭載されたスマイルシャッター機能を題材に、撮影の「前準備」技術についてお話をいたしました。リアルの世界で起きる千載一遇のシャッターチャンスを逃さぬよう、薄目を開いてじっと機をうかがっている機能の話です。もう1つのデジタル写真の大きな強みが、撮った画像を簡単に修整できるという「後加工」技術です。今回はこの点について分析を進めてみましょう。

 私たちが撮る写真の大半には、人の顔が入っています。そのうち特に多くの割合を占めるのが「子供」と「恋人」。スマイルシャッターは、そのうちの特に子供の顔を撮るのにうってつけの技術だと言えます。

 例えば、写真スタジオで七五三の写真を撮るのは大変ですね。幼児の機嫌を取るのは一苦労です。あの手この手を使ってほんの一瞬見せるベストスマイルの瞬間。スタジオでも「あやし専門係」の女性が子供に付いて、おもちゃやお歌でご機嫌を取ります。あれこれやって、ようやくニッコリしてくれた瞬間、後方から望遠レンズで被写体をずっとファインダーにとらえ続けていたカメラマンが高速連写するという手順でベストスマイルを確保しています。

もっと美人に写るはずなのに写っていないと憤慨

プリクラは女子高生に今も人気。写真は、最新のプリントシール機「美星」のパステルモードで撮影されたもの。スタジオのような照明と「後加工」技術により、ふんわりした写りに仕上がる

プリクラは女子高生に今も人気。写真は、最新のプリントシール機「美星」のパステルモードで撮影されたもの。スタジオのような照明と「後加工」技術により、ふんわりした写りに仕上がる

 これに対して大人の「恋人」へのニーズとは何でしょう。分別のある大人ですから、別に「あやし係」などいなくてもスマイル自体は確保できます。しかし、女性からよく聞くせりふは、「この前の新年会の写真、納得できる写真がほとんど無かった!」という話です。どうしていつも間の抜けたタイミングで写真を撮られるのか? 自分の実力が十分に発揮されていない! と憤る方々が多いようです。自分のイメージの中にある一番カワイく見える絵柄というのがあり、現実に出てくる写真画像とはかなり隔たりがあるようです。

 おとぎ話にもよくあるように、女性の本質とは、夜な夜な鏡に話しかけるシーンに表れていると思います。「鏡よ鏡、この世で一番美しいのはだあれ?」。答えはもちろん「それは貴女様」でなくてはなりません。鏡に映る自画像、写真にプリントされた自画像。自分のイメージの中にある最高レベルのベスト美人ショット以外、本当は目にしたくないのです。他人に見られるのはもちろんのこと、自分自身でさえも見たくない心理があると思います。

ありのままの姿と、見たい姿は似て非なるもの

 いやそれどころか、できることなら、知らぬ間に少しかさ上げして、ベストショット+20%くらいのものを見せてもらいたい……というのが本音かもしれません。その昔、女王様やお殿様の肖像画を描くお抱え画家も、2割増しくらいは当たり前、エイッと2倍、3倍くらい美しさや威厳をアップしたものを出さないと、描き直しになってしまったことでしょう。次の仕事の依頼が来ないだけでなく、下手すると機嫌を損ねられて、処刑になってしまうかもしれません。ありのままの姿と、見たい姿は似て非なるものなのです。

 雑誌や広告のモデルさんの写真も事情は似ています。プロのカメラマンが何時間もかけて、何百枚も撮った写真のうちから、これぞというベストショットを厳選したうえで、さらにしわを隠し、しみも取って、あごの贅肉は削って、鼻も高くして…と相当加工しているケースもあるでしょう。まず原画を撮ることに大変なエネルギーをかけ、その後で後加工にも十分精魂を込めるのです。商品の売れ行きを左右する大事な画像ですから、大なり小なりの加工を施すことは普通に行われています。

コメント13

「川口盛之助の「ニッポン的ものづくりの起源」」のバックナンバー

一覧

「美人度の上方修正はどこまでOKか」の著者

川口 盛之助

川口 盛之助(かわぐち・もりのすけ)

盛之助 代表取締役社長

戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトル・ジャパンにてアソシエート・ディレクターを務めたのちに株式会社盛之助を設立。研究開発戦略や商品開発戦略などのコンサルティングを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

もう中山素平のような人物が銀行の頭取という形で現れることはないだろう。

佐藤 康博 みずほフィナンシャルグループ社長