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美人度の上方修正はどこまでOKか

デジカメ未来形:記録写真から記憶写真への進化(2)

2008年2月18日(月)

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 前回のコラムでは、ソニーのデジタルカメラに搭載されたスマイルシャッター機能を題材に、撮影の「前準備」技術についてお話をいたしました。リアルの世界で起きる千載一遇のシャッターチャンスを逃さぬよう、薄目を開いてじっと機をうかがっている機能の話です。もう1つのデジタル写真の大きな強みが、撮った画像を簡単に修整できるという「後加工」技術です。今回はこの点について分析を進めてみましょう。

 私たちが撮る写真の大半には、人の顔が入っています。そのうち特に多くの割合を占めるのが「子供」と「恋人」。スマイルシャッターは、そのうちの特に子供の顔を撮るのにうってつけの技術だと言えます。

 例えば、写真スタジオで七五三の写真を撮るのは大変ですね。幼児の機嫌を取るのは一苦労です。あの手この手を使ってほんの一瞬見せるベストスマイルの瞬間。スタジオでも「あやし専門係」の女性が子供に付いて、おもちゃやお歌でご機嫌を取ります。あれこれやって、ようやくニッコリしてくれた瞬間、後方から望遠レンズで被写体をずっとファインダーにとらえ続けていたカメラマンが高速連写するという手順でベストスマイルを確保しています。

もっと美人に写るはずなのに写っていないと憤慨

プリクラは女子高生に今も人気。写真は、最新のプリントシール機「美星」のパステルモードで撮影されたもの。スタジオのような照明と「後加工」技術により、ふんわりした写りに仕上がる

プリクラは女子高生に今も人気。写真は、最新のプリントシール機「美星」のパステルモードで撮影されたもの。スタジオのような照明と「後加工」技術により、ふんわりした写りに仕上がる

 これに対して大人の「恋人」へのニーズとは何でしょう。分別のある大人ですから、別に「あやし係」などいなくてもスマイル自体は確保できます。しかし、女性からよく聞くせりふは、「この前の新年会の写真、納得できる写真がほとんど無かった!」という話です。どうしていつも間の抜けたタイミングで写真を撮られるのか? 自分の実力が十分に発揮されていない! と憤る方々が多いようです。自分のイメージの中にある一番カワイく見える絵柄というのがあり、現実に出てくる写真画像とはかなり隔たりがあるようです。

 おとぎ話にもよくあるように、女性の本質とは、夜な夜な鏡に話しかけるシーンに表れていると思います。「鏡よ鏡、この世で一番美しいのはだあれ?」。答えはもちろん「それは貴女様」でなくてはなりません。鏡に映る自画像、写真にプリントされた自画像。自分のイメージの中にある最高レベルのベスト美人ショット以外、本当は目にしたくないのです。他人に見られるのはもちろんのこと、自分自身でさえも見たくない心理があると思います。

ありのままの姿と、見たい姿は似て非なるもの

 いやそれどころか、できることなら、知らぬ間に少しかさ上げして、ベストショット+20%くらいのものを見せてもらいたい……というのが本音かもしれません。その昔、女王様やお殿様の肖像画を描くお抱え画家も、2割増しくらいは当たり前、エイッと2倍、3倍くらい美しさや威厳をアップしたものを出さないと、描き直しになってしまったことでしょう。次の仕事の依頼が来ないだけでなく、下手すると機嫌を損ねられて、処刑になってしまうかもしれません。ありのままの姿と、見たい姿は似て非なるものなのです。

 雑誌や広告のモデルさんの写真も事情は似ています。プロのカメラマンが何時間もかけて、何百枚も撮った写真のうちから、これぞというベストショットを厳選したうえで、さらにしわを隠し、しみも取って、あごの贅肉は削って、鼻も高くして…と相当加工しているケースもあるでしょう。まず原画を撮ることに大変なエネルギーをかけ、その後で後加工にも十分精魂を込めるのです。商品の売れ行きを左右する大事な画像ですから、大なり小なりの加工を施すことは普通に行われています。

コメント13件コメント/レビュー

興味深く拝見しました。他の方々のコメントも楽しく拝見しました。私は、趣味だけで写真を撮っています。銀板写真の時代には、在る物を在る様に撮ること=良いネガを創ること に腐心したものです。その場で写り具合の確認ができないので、条件を変えて何枚も撮ったり・・・^^;。デジタルカメラになってそれらの点が楽??になったことを実感しています。それが記事のようなアプリケーションを可能にしているのですね。又、「在る物を在る様に撮っても、在るようには見えない」ことも事実です。・・・しかし・・・これらは感性の問題ではないでしょうか??或いは、撮られた方のイメージと現実の違い・・・??・・・ 撮影をする基本は、あくまでも物理的に正しい画像データ(=ネガ)を創ることにあるのではないか。それがあるから記事にあるようなアプリケーションが可能なのだ・・・と、考えるのは・・・頑固??・・・^^;(2008/02/19)

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「美人度の上方修正はどこまでOKか」の著者

川口 盛之助

川口 盛之助(かわぐち・もりのすけ)

盛之助 代表取締役社長

戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトル・ジャパンにてアソシエート・ディレクターを務めたのちに株式会社盛之助を設立。研究開発戦略や商品開発戦略などのコンサルティングを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

興味深く拝見しました。他の方々のコメントも楽しく拝見しました。私は、趣味だけで写真を撮っています。銀板写真の時代には、在る物を在る様に撮ること=良いネガを創ること に腐心したものです。その場で写り具合の確認ができないので、条件を変えて何枚も撮ったり・・・^^;。デジタルカメラになってそれらの点が楽??になったことを実感しています。それが記事のようなアプリケーションを可能にしているのですね。又、「在る物を在る様に撮っても、在るようには見えない」ことも事実です。・・・しかし・・・これらは感性の問題ではないでしょうか??或いは、撮られた方のイメージと現実の違い・・・??・・・ 撮影をする基本は、あくまでも物理的に正しい画像データ(=ネガ)を創ることにあるのではないか。それがあるから記事にあるようなアプリケーションが可能なのだ・・・と、考えるのは・・・頑固??・・・^^;(2008/02/19)

確かにモデルの広告用の写真は原形をとどめないほどに後修整されています。私たちが美容とか化粧とか、整形とか、衣装にお金と時間をかけている分は結局写真ではすべてソフト処理できてしまうのですね。セカンドライフがリアルに進出してくる最前線が写真というのは見事な指摘だと思いました。次回のコラムも期待しています。(2008/02/19)

パーティなどで撮られた写真がもう本当に、納得する写真がない!という気持ちはウンウンうなずいてしまいました。スマイルシャッターはそもそもそのような目的だったのでしょうね。でも自分で20%上方修正スイッチ押したりするのもなんだか空しい感じがしてしまうので、全部お任せで勝手に処理しておいてほしいです。(2008/02/18)

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