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増殖する「隠れヤフー連合」

広告・動画、2008年の乱<前編>

2008年2月14日(木)

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ユーザー参加型のウェブサイトが大躍進を遂げた2007年。
集めたアクセスをいかにカネに変えるかが今年の焦点だ。
インターネット界の先頭を行く3人が注目する今年のトレンドとは――。

 「ヤフーだけで全部やろうというのは、もう無理なんですよ」。

 1月下旬、緑が溢れる公園を見下ろす東京・六本木にある東京ミッドタウンの本社オフィス。そこで、国内最大のネット企業、ヤフーを率いる井上雅博社長は、創業以来最大級の戦略転換について静かに語り始めた。

 ミクシィ、モバゲータウン、ニコニコ動画…。

 2007年、飛躍を遂げ、マスコミの耳目を集めた国内のウェブサイトは、いずれもCGM(コンシューマー・ジェネレーテッド・メディア)と呼ばれるユーザー参加型のサービスだった。

 一方、メディア型サービスで日本を牛耳ったヤフーの成長は鈍化。後発ながらブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などユーザー参加型サービスも始めたが、まだ存在感はない。ヤフーの中だけですべてをやろうとするのには限界がある…。

圧倒的強さを誇るヤフー

2100万のユーザーを提供

 今、ヤフーは競合を駆逐して巨大化を続ける拡大路線から、外部のサイトと連携する共存共栄戦略へ大きく舵を切ろうとしている。

 「どこに行くにもYahoo! JAPAN IDと一緒に!」

 1月30日、ヤフーはこんなキャッチコピーとともに、ヤフーのIDをほかのサイトでも利用できるようにする新たな試みを発表した。

 世界的なID連携の規格「OpenID」に対応したサイトなら、ユーザーはヤフーのIDでログインすることが可能になり、登録作業をする手間が省ける。一方、ネット事業者は自前で認証システムを構築しなくても、ヤフーが抱える2100万以上のユーザーに向けたサービスを提供できるようになる。

 実はこの「ID開放」、ヤフーは昨秋から、外部のサイトと個別に組む形で始めている。価格比較サイトの「ECナビ」や、音楽情報サイトの「オリコンスタイル」では、独自のIDを取得しなくても、ヤフーのIDでそれぞれのサービスを利用できるようになった。

 1月31日、ヤフーは創業から12周年を迎えた。2100万以上のIDは、熾烈な競争をかいくぐり、12年間かけて集めた大切な資産。なぜ他社の手助けとなるようなことをするのだろうか。ヤフーの井上社長は語る。

オープン化戦略を鮮明にしたヤフーの井上雅博社長

オープン化戦略を鮮明にしたヤフーの井上雅博社長 (写真:菅野 勝男)

 ネットのサービスで皆さんが一番苦労するのは集客。加えて、登録会員の獲得にはものすごく労力とお金がかかる。だからヤフーの会員をみんな使ってくださいよということです。

 うちは2100万人の会員を集めるのに10年以上かかったから、同じ数を集めるには多分10年以上かかる。だったら、うちのを使えば、そこをショートカットして、コンテンツの拡充に投資を集中できるじゃないですか。

 ID管理だけじゃない。うちは決済システムも全部作っているので、これを使ってもらおうというのがオープン化戦略。今年はどんどん進めます。

 「オープン化戦略」。昨年半ば頃から、ヤフーが使い出した言葉である。ヤフーの資産を外部のサイトに開放し、ニュースや動画など検索以外のページからも、リンクを通じて積極的に外部へアクセスを振り向けるという戦略だ。

 狙いは1つ。広告で結ばれた緩やかなヤフー連合を形成することだ。隠れたヤフーの親衛隊とも言うべき“ステルスヤフー”を増殖させることにある。

 ヤフーが1月30日に発表した2007年10~12月期の売上高は700億円。前年同期比で29%増、前四半期と比べても15%増。営業利益も前年同期比13%増の312億円と堅調に推移している。いずれも好調だ。

相次ぐオープン化の成果

 ただ、かつての勢いはない。売上高には検索連動型広告のオーバチュアを連結対象とした効果が寄与しており、それを除けば前四半期と同額。営業利益も2007年から伸びが鈍化している。

 それもそのはず、利用者は昨年12月の調査で約4257万人(家庭からのアクセス、ニールセン・オンライン調べ)。既に日本のネット人口のほぼすべてをのみ込んでいることになる。家庭、オフィス、携帯電話とすべて含めたヤフー全体の月間アクセス件数は、2007年5月に400億の大台に乗ったが、その後は横ばい傾向だ。

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「増殖する「隠れヤフー連合」」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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