「ネットのあした」

ヤフー・ドワンゴ・ミクシィ、進む寡占

広告・動画、2008年の乱<後編>

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2008年2月15日(金)

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(ヤフーについては前編をお読みください)

ユーザー参加型のウェブサイトが大躍進を遂げた2007年。
集めたアクセスをいかにカネに変えるかが今年の焦点だ。
インターネット界の先頭を行く3人が注目する今年のトレンドとは――。

ユーチューブとは違う路線を歩む
躍進のニコニコ 動画文化創造する場に

ニコニコ動画の画面

ニコニコ動画の画面

わずか1年でユーチューブに肉薄

 国内で圧倒的な力を保ちながら、それでも連合体による勢力拡大を企むヤフー。そのヤフーを、ある指標で抜き去ったサイトがある。動画に「突っ込みのコメント」をかぶせることができる動画投稿サイトの「ニコニコ動画」だ。

 ある指標とは「1人当たりの利用時間」。ここ数年、サイトの利用度合いをアクセス数では測ることができない動画サイトの強さを測る指標として、よく使われるようになった。

 この10年以上、1人当たりの利用時間でも、楽天に月間で2時間の差をつけて独走してきたヤフー。ニールセン・オンラインの調べによると、昨年11月の数値は3時間6分34秒だった。ところが同じ月、ニコニコ動画は3時間14分6秒という数値を記録、ヤフーを超えた。

 成長スピードは国内で最速。要した時間は、昨年の1年間だけである。作ったのは、携帯電話の着メロなどを手がけるドワンゴ。子会社のニワンゴを通じて昨年1月、本格的なサービスを始め、今年1月に登録会員数が500万人を突破した。

 世間をあっと言わせるアイデアで大躍進を遂げたニコニコ動画。ドワンゴは今年、さらに世間を驚かせる展開を目論んでいる。

長い時間居座らせる魔力

 動画投稿サイトの分野には、偉大な先人がいる。米グーグルが傘下に置く、世界最大の動画投稿サイト「ユーチューブ」である。

 生き馬の目を抜くニコニコ動画だが、国内からの利用者数でも、その差が1000万人とユーチューブには遠く及ばない。だが、ニコニコ動画にはユーザーを長時間居座らせる魔力がある。総利用時間では、ユーチューブとの差が2割程度に縮まり、射程圏内に入った。

 今年、“和製ユーチューブ”は本家を抜くのか。しかし、ドワンゴを創業した川上量生会長は、ユーチューブとの競争に興味はないと語る。

ドワンゴの川上量生会長。川上会長はメディアへの露出を嫌い、会見などにもあまり姿を見せない

ドワンゴの川上量生会長。川上会長はメディアへの露出を嫌い、会見などにもあまり姿を見せない (写真:陶山 勉)

 今年中に登録会員数は1000万人を超えるとは思いますよ。でも、ユーチューブとニコニコ動画はよく比較されるけど、全然違うもの。例えるなら、ユーチューブは巨大な共有HDD(ハードディスク駆動装置)レコーダー。対するニコニコ動画は、素人のクリエーターが作品を世の中に問うような、発表の場なんです。

 日本はコンテンツの分野では世界的に強い。コンテンツや文化をひっくるめたものをバックにサービスを展開すれば、グローバル企業を相手にしても競争できる。だからニコニコ動画は、動画共有サイトと一言で説明できない世界をコンテンツとともに作ることをやってきました。

 よく説明に使うのは遊園地。普通は巨大で過激なアトラクションを作るのが一般的なやり方なんですね。その中で1つだけ違う戦略を取っているのが、ディズニーランド。世界観そのものを作ろうとしている。社内では、ネットサービスのディズニーランド化をやろうよと、よく言っているんです。

 だが、動画投稿サイトの運営には、それならではの問題がつきまとう。運営はディズニーランドのようにはいかない。投稿される動画や視聴者が多くなるほど、サーバーなどの設備や回線使用料の負担が重くのしかかるからだ。さらに、違法な動画の投稿も後を絶たず、削除作業とのイタチごっこが続く。

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インターネット人口は世界で10億人を超え、生活に不可欠なものとなった。企業は仮想世界と共存し始め、現実世界とシームレスに融合しつつある。「ネットのあした」を考えずして「企業のあした」は語れない。日々進化を遂げるインターネットの世界を改めて照らし、そこで起きている現象とネットビジネスの新潮流を読み解く。

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