「Web2.0(笑)の広告学」

Web2.0(笑)の広告学

2008年2月19日(火)

ケータイ・CGM・クチコミ、本当に相性いいの?
「ケータイCGMスパイラル」を調査しました

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 「モバイル(ケータイ)」と「CGM」と「クチコミ」の組み合わせ戦略は、今年2008年の広告コミュニケーションを考えていく上で非常に重要な要素であることは間違いない、と思っています。そういうお話もよく耳にします。でも、「なんとなくみんながそう思っている」というだけでは、企画書にも書きにくいですよね。

 それをあらためて検証してみようということで、調査を実施しました。日ごろ「広告エッセイ」と呼ばれることの多いこのコラムですが、今回は珍しく「データから導き出される未来」を、考えてみたいと思います。

 ではまず次のデータをご覧ください。

Ameba(アメーバブログ)PV構成比(PC/モバイル)推移

 これは、アメーバブログのページビューの、モバイルからのアクセスと、PCからのアクセスの構成比率を示したデータです。2007年4月のデータでPCが73%、モバイルが27%だったのが、わずか8カ月後の2007年12月には、PCは64%、逆にモバイルは36%にまで伸びています。

 ページビューはどちらも順調に増えていて、決してPCのページビューが減っているわけではないので、モバイルの増加のペースがどれほどのものか、ご想像いただけるかと思います。また、このときには特にモバイルへ誘導するインセンティブ施策は採られていませんでした。自律的にこれだけの伸びがあったわけです。

 今後しばらくは、このモバイルの急成長は続くものと見ており、アメーバブログの戦略としても、モバイルからネットにアクセスするユーザーを多く取り込んでいくための魅力的な思索を現在さまざまに検討中です。

 このモバイル、とりわけケータイからネットにアクセスして生まれるクチコミの爆発的な成長、ということが今、現実に起きつつあります。今年の1月から、モバイルからクチコミ番付(ユーザーにブログに書くネタを提供するサービス)に参加できるようになったのですが、それ以前にくらべて「クチコミ番付」への、記事投稿数が190%と倍近く伸びた、という実績もあります。

バランスよくパネルを集めてケータイ電話で調査しました

 調査は、ネットエイジアさんの協力を得て実施いたしました。調査対象者は、全国の男女3000人の方です。調査の期間は今年1月5日の土曜日から、1月10日の木曜日。非常にフレッシュなデータです。

 調査の回答者の方は、すべて、ケータイ電話から参加して回答していただきました。最初に、この調査方法を聞いたときには、ネットで調査というとPCというイメージが強いせいか「ケータイ電話で調査って、かなり偏った方法に聞こえるなぁ」と思ってしまいました。おそらく、読者の方の中でも、「ケータイ電話で回答?」ということに、私同様、多少、違和感を覚える方もいるかもしれません。

 しかし、自分のケータイ電話の付き合い方を考えてみても、以前は通話とメールが中心でしたが、今ではmixiのようなSNSにしても、アメブロのようなブログにしても、ケータイ電話から情報を確認したり、更新したりするようになっているんですよね。また、以前、総務省の調査で、日本のネット接続人口が約9000万人である中の、およそ2000万人は、ケータイ電話でのみネットへアクセスしている、というデータもありました。

 そういったことを考えると、「ケータイ電話で、ケータイ電話のことをアンケートで聞く」ということは、むしろ当然というか、パソコンで聞いたのでは、ケータイ電話だけでネット接続している人たちの声が拾えないことになってしまうわけですから、最良な方法と言えると思います。

 3000人の調査パネルの属性は、性別は男女半々、つまり1500人の男性と1500人の女性が対象です。また年代も10代、20代、30代、40代、50代が、男女それぞれ300名ずつで構成されています。職業や居住地域も、さまざまな職業や学生、主婦、そして各都道府県についてバランスよく集めました。

ケータイ電話からCGMは見られているか?

 ケータイ電話から、ブログ、ホームページ、掲示板といった、いわゆるCGMメディアへのアクセス頻度ですが、26%の方がほぼ毎日、ケータイ電話からブログ、ホームページ(ホムペ)、掲示板といったCGMメディアにアクセスすると回答されています。

携帯電話でブログ、ホムペ、掲示板の閲覧頻度

 これはかなりの比率です。週4〜5日の方を合わせると、32.4%になります。言い方はよくないのですが、使い出したらハマっていく、「中毒性」の高さがうかがえますね。

 一方で28%の方は、「携帯電話からCGMメディアヘはアクセスしたことがない」、というのが現状ですが、なんらかのきっかけでCGMメディアにケータイからアクセスする経験を持つ機会にめぐり合えば、その後はヘビーユーザーになっていく可能性が高い、とも分析できそうです。ただ、フィルタリングサービスのキャリアへの義務付けなどの余波は織り込んでおりません。この部分に関しては、今後注視しておく必要があると思います。

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著者プロフィール

スダシン(須田 伸 すだ・しん)

須田 伸

サイバーエージェント ネットトレンド研究室長/コミュニケーションディレクター。1992年株式会社博報堂入社。CMプランナー/コピーライターとして「ACC賞」「日経広告賞」「消費者のためになった広告コンクール」などの広告賞を受賞。 1998年カンヌ国際広告祭ヤングクリエイティブ・コンペティションに日本代表コピーライターとして出場。2000年にYahoo! Japanに転じてコミュニティサービス担当プロデューサーとして「ヤフー・チャット」を立ちあげ「ライブチャットイベント」では初代「Y! Chat MC」として活躍。2002年より株式会社サイバーエージェントに勤務。同社の企業ブランドを一新する。現在は同社ネットトレンド研究室長。ブログとインターネット広告に関する著書として『時代はブログる!』(アメーバブックス)がある 。「サイバーエージェント/アメーバ」は、2008年度グッドデザイン賞を受賞。


このコラムについて

Web2.0(笑)の広告学

ブログやSNSのように、普通の人がインターネットで気軽に情報を発信するようになったことが「Web2.0」という流行語(バズワード)を生みました。Web2.0の切り口には、技術も、商売も、哲学もありますが、このコラムでは、基本的に「広告」という視点で考えていきます。筆者はテレビ広告業界を経験後、サイバーエージェントに転じ、ネット広告の世界で活躍している須田 伸氏です。

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