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ITを活用して地球温暖化対策を

  • 横浜 信一

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2008年2月18日(月)

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 地球温暖化への対応が企業にとっての重要課題になりつつある。政府の規制もどんどん強化されていくことは必至だ。マスコミで地球温暖化が取り上げられない日はないと言ってもよく、現実に北極圏の氷面が減少している様子を宇宙空間から撮影した写真を目にされた方も多いと思う。こうした状況の中、省エネ型ビルへの巨額投資など、規制を先取りする動きを発表する企業も散見され始めた。今回は、地球温暖化対策にIT(情報技術)が果たす役割について述べたい。

 まず、地球温暖化問題について整理・確認をする。大気中のCO2(二酸化炭素)濃度が上昇し、地表から宇宙空間への放射熱が閉じ込められる結果、大気温が上昇するわけであるが、では、増加するCO2はどこからやって来るのだろうか。地球という系全体の中でCO2が増えているわけではないので、これまではどこかにあったものが大気中に移動しているはずである。

 1つは地底から、すなわち、化石燃料の消費である。太古の昔に動植物に蓄えられた炭素が地底深く眠っているのだが、人類はこれを掘り起こして燃焼させている。推計によると19世紀の産業革命以来の累積で、炭素換算240ギガトン(ギガは10億)相当のCO2が放出されている。

 もう1つは森林からである。よく森林はCO2を吸収してくれるという考えがあるが、それは正確ではない。確かに樹木はその成長時にはCO2を吸収するのだが、いずれは枯れて腐食、CO2を排出してしまう。従って、個々の樹木を見ると、CO2の吸収・放出には貢献していない。正確には、森林が存在することでCO2の貯蔵庫の役割を果たしてくれているのである。その森林が減少しているので、結果的に、蓄積されていたCO2が大気中に移行することになる。推計ではその累積効果は炭素換算40ギガトンである。

 ただし、こうして行き場を失ったCO2がすべて大気中に放出されたわけではなく、海洋がCO2を大きく吸収してくれている。推計では海洋に溶け込んでいるCO2は120ギガトン増加している。よって大気中で増加したCO2は、「240+40-120」で160ギガトンということになる。

 ギガトン換算と言われてもピンとこないので、身近な数値で書くと、学生時代に空気中のCO2濃度は0.03%や0.028%であると学んだ方も多いと思う。これが現在は0.038%まで上昇しているのであるから、35%も増大しているのである。マッキンゼーの研究グループの試算では、世界の経済成長とエネルギー消費が現在のまま続けば、2030年には0.063%まで上昇してしまう。そして、仮に気候温暖化に関する政府間パネルであるIPCCが安定化目標としている0.045%から0.055%の範囲に抑えようとしても、このままのペースでいく場合に比べると、毎年のCO2排出量をほぼ半減する必要がある。

 こうした危機的状況を背景に、京都議定書の遵守、さらに先を見込んだ大きな削減目標が国際的に議論されており、国内でも規制の強化が検討されている。

CO2排出削減にかかるコストを「コストカーブ分析」してみると

 では、CO2排出を削減するためにはどれくらいのコストがかかるのだろうか。マッキンゼーでは、ビジネス分析の手法の1つである「コストカーブ分析」を用いてこれを試算してみた。

図版

CO2削減のコストカーブ
* 画像をクリックして拡大

 右の図をご覧いただきたい。積み木のようなハコが並んでいるが、一つひとつがCO2削減のための打ち手である。ハコの高さが1ギガトン当たりの削減に要する必要コスト、横幅は施策の実施による削減効果(単位ギガトン)を示す。従って、一つひとつのハコの面積が、打ち手のコストになる。そして図では、ギガトン当たりの削減に要するコストが低い順に、数多くの打ち手を並べてある。全体の削減コストはこのハコの頂点をなぞって描かれる曲線とX軸で囲まれた部分、積分値で示される。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官