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日本の工作機械はまだまだ大丈夫

2008年2月25日(月)

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 日本工作機械工業会が発表した2007年の工作機械受注額は、約1兆5900億円と史上最高を記録した。工作機械は目下絶好調と言ってもよい状態で、ここ5年間、連続して毎年10%近い上昇を続けてきた(2003年は前年比25%増、2004年は同45%増)。

 かつてのピ-クはバブルの真っ最中1990年に記録した1兆4000億円であるが、あの頃に比べると機械の単価は著しく下がっており、かつ性能は比較にならないくらい向上している。金額としては1割強の増加に過ぎないが、時間あたり加工可能数で言えば当時の何倍にもなるだろう。

 世間ではサブプライムローン(米国の信用力が低い個人向け住宅融資)問題、モノライン(金融保証会社)ローン問題、中国景気の潮目の変化等で景気後退説が根強いが、この業界はその兆候がまだ見えていないかのようだ。

 工作機械に対するここ数年の需要の動きを見ると、自動車、建設機械、鉄鋼、エネルギーなど、いわゆる重厚長大産業の引き合いが強くなってきているのが特色だ。これらの部門はオイルマネー特需と中国特需に支えられており、当分底堅いだろうという見方がある。

 昨年は自動車産業からの受注が減少した。つまり自動車産業は設備投資が伸びなかった。これは自動車の国内向けの販売が停滞したためだと思われるだろうが、実は違う。1つは、輸出向け需要が好調で設備が止められず、設備投資が遅れたことだ。多忙な時は設備更新が難しいのである。もう1つは建築基準法の改正で、工場の建設認可が大幅に遅れたためである。従って今年(2008年)は2007年にできなかった設備投資の積み残し需要が見込めるだろう。

 内外需の比率を見ると、ここ数年連続して外需比率が高まっており、2007年はついに外需比率が50%を超えた。中国をはじめとする発展途上国の旺盛な需要が続いている。

 日本工作機械工業会の中村健一会長は、石川県にある中村留精密工業の社長である。中村留精密工業は特殊な能力を持った工作機械の専門メーカーで、自動車関係に無くてはならない会社だ。中村会長は、「外需は絶好調。しかも内需も予想以上に頑張っている。環境は厳しいが、ユーザーは今のところ元気だ。日本の工作機械の世界市場は拡大している」と前向きに語っておられた。サブプライムローン問題など不安要因の多い北米市場に対しては「米国は製造業は衰退気味で、もともと弱含みの市場。だが、このまま下がり続けるというものでもないだろう」と、楽観的だ。

工作機械に表れる日本の技術水準

 ところで、工作機械は「マザーマシン」とも呼ばれ、「機械を作る機械」だ。従って製造されるモノの精度に対して、一桁上の精度が求められる。

 精度の高い工作機械を何台持っているかで、高精度の製品の製造能力が決まる。かつて富国強兵の時代に、日本の海軍も陸軍も強い工作機械産業の育成に躍起になったのもうなずける。日本が世界に誇れる高級工作機械産業を持っていることは、日本の技術水準の高さを証明している。

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「日本の工作機械はまだまだ大丈夫」の著者

橋本 久義

橋本 久義(はしもと・ひさよし)

政策研究大学院大学名誉教授

政策研究大学院大学名誉教授。東大卒後、通産省入省、製造業担当。1994年埼玉大教授。97年政策研究大学院大学教授、2011年から現職。現場に近いところで行政を・学問を!をモットーに多数の工場を訪問。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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