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社会システムデザイナーが足りない

税制、年金、医療制度、少子化対策…、案件は山積み

  • 宮田 秀明

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2008年2月29日(金)

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 2月18日の日経新聞に掲載された、「ガソリン税の暫定税率をどうするべきか」の世論調査の結果を見ると、政府・与党案の「暫定税率分の上乗せを続け、道路整備に使う」に賛成したのは、民主支持者で4%、自民支持者でも16%にとどまっている。

 さすがに市民も、道路族、土建族の「地方」と「格差」をキーワードにしたキャンペーンに騙されないようになってきたことの表れだろう。別のことに使ってくれた方が恩恵を受けられると思っているのかもしれないし、ガソリン値下げの方がまだマシだと感じているのかもしれない。

 いずれにせよ、道路が中心にあるかのような間違った行政は、すぐ直さなければならない(関連記事「道路予算は地方を救わない」)。そうしなければ、自民党は選挙で大敗し、道路族議員とともに沈没しかねないだろう。

 道路財源をめぐっては、巨大な土建ムラが存在することを国民のほとんどが知っていることも大きい。国土交通省から県や市の土木部、大小の土木建設業者、そして、ここから資金と票を得ている道路族議員は政官業癒着していて、さらに大学の土木工学科もこのムラ社会に組み込まれている。

 見識の高いはずの教授や元教授が、国交省の役人のような発言をすることも珍しくない。この間違った仕組みはもう隠すことができないようだ。

 今やるべきことは、3~5年計画の一般財源化への道筋を作ること。まず来年度は、道路特定財源の暫定税率分の半額に当たる1兆3000億円を一般財源化し、未来の日本の設計のために投資せよと強く言いたい。

 ところが難しいのは、新しい将来へのプロジェクトを設計する能力、新しい制度設計をする能力が低すぎることだ(関連記事「古いままの設計図で日本を経営できるのか」)。それができる人材が、霞が関にもシンクタンクにも大学にもいないのだ。

郵政民営化プロジェクトを推進した優秀な官僚が、霞が関から去った

 2004年10月から3カ月間、内閣府に郵政民営化情報システム検討会というのが設けられた。その年の9月に郵政民営化が決定されたのだが、「郵政民営化の基本方針」の中に、こんなただし書きがあった。“情報システムの運用に問題がない限り”というのだ。このただし書きを年内に外さない限り、郵政民営化は進められなくなる。

 竹中平蔵経済財政・郵政民営化担当相にシステム検討会のメンバーとして呼び集められたのは、加藤寛座長と5人の専門家だった。情報システムの専門家や会計の専門家やプログラミングの専門家だったが、私も加わっていた。情報システムというよりプロジェクトマネジメントの専門家ということで呼ばれたのだ。

コメント11件コメント/レビュー

この記事で引用されている過去の関連記事についてコメントした者です。過去の記事を引用されておられますが、本記事の内容を読むに、当時の私のコメントをお読みいただいているか少々疑問でしたので、質問とコメントをいたします。まず質問ですが、筆者の言われる「設計」の定義は「決断」を包含するのでしょうか。最後の部分でも書いておりますが、このコメントのポイントなので冒頭でも提起させていただきます。さて、以前の記事に対するコメントでも述べましたが、設計だけで状況を打開することは不可能で、むしろ「決断」こそ重要なのであり、それが政治家、経営者なのだと思います。決断に即して最適な仕組みを設計する設計力が我が国に十分あるか否かはさておき、我が国の政治は、近年の一時期に(内容の十分性や妥当性はともかくも)決断は下されたこともありましたが、根回しなどでは解消できない根本的な課題に対して数十年間にわたって決断が下せていないことを憂うべきではないでしょうか。決断がない中で真の設計力のなさを嘆くより、設計が如何に良くても決断の存否が成否を分けると問いかけると分かりやすかったのではないでしょうか。本記事で郵政民営化システムに関して筆者が招集されたのも、民営化という「決断」があればこそ、それを推進するために設計の専門家である筆者がご登場されたと思います。また、本記事で次世代DVDに規格争いで東芝の経営者が素早く撤退を「決断」したことを称えていますが、これは、いみじくも事業再構築といった経営の設計よりも「決断」の重要性を強調された好例だと思います。むろん、設計者と経営者が同一であることを否定するものではありませんが、両者を混同して経営者が設計しないといけないかのような論考は本末転倒ではないでしょうか。むしろ、いくつかのコメントが示しているように、経営幹部が現下の情勢を的確に読み取って決断したり、組織的に経営幹部に決断を促したりすることがポイントだと思います。繰り返しになりますが、設計の定義、設計と決断との関係、決断の在り方、といった点を明確にお示しいただけると理解が深まるようにおもわれます。(2008/03/04)

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この記事で引用されている過去の関連記事についてコメントした者です。過去の記事を引用されておられますが、本記事の内容を読むに、当時の私のコメントをお読みいただいているか少々疑問でしたので、質問とコメントをいたします。まず質問ですが、筆者の言われる「設計」の定義は「決断」を包含するのでしょうか。最後の部分でも書いておりますが、このコメントのポイントなので冒頭でも提起させていただきます。さて、以前の記事に対するコメントでも述べましたが、設計だけで状況を打開することは不可能で、むしろ「決断」こそ重要なのであり、それが政治家、経営者なのだと思います。決断に即して最適な仕組みを設計する設計力が我が国に十分あるか否かはさておき、我が国の政治は、近年の一時期に(内容の十分性や妥当性はともかくも)決断は下されたこともありましたが、根回しなどでは解消できない根本的な課題に対して数十年間にわたって決断が下せていないことを憂うべきではないでしょうか。決断がない中で真の設計力のなさを嘆くより、設計が如何に良くても決断の存否が成否を分けると問いかけると分かりやすかったのではないでしょうか。本記事で郵政民営化システムに関して筆者が招集されたのも、民営化という「決断」があればこそ、それを推進するために設計の専門家である筆者がご登場されたと思います。また、本記事で次世代DVDに規格争いで東芝の経営者が素早く撤退を「決断」したことを称えていますが、これは、いみじくも事業再構築といった経営の設計よりも「決断」の重要性を強調された好例だと思います。むろん、設計者と経営者が同一であることを否定するものではありませんが、両者を混同して経営者が設計しないといけないかのような論考は本末転倒ではないでしょうか。むしろ、いくつかのコメントが示しているように、経営幹部が現下の情勢を的確に読み取って決断したり、組織的に経営幹部に決断を促したりすることがポイントだと思います。繰り返しになりますが、設計の定義、設計と決断との関係、決断の在り方、といった点を明確にお示しいただけると理解が深まるようにおもわれます。(2008/03/04)

若い世代から平たくコメントします。企業、というよりも省庁にそのような人材が育つような環境がないため、足りない、いやいないのだと思います。企業は国際競争にいち早く取り組み、また、もたもたしていたところは脅威にさらされています。一方、国というものがそんな競争とは離れたところにおり、危機感がないのだと思います。お役所と接していると時折感じることがあります。企業に優秀な人材が残るのは、当たり前、国に優秀な人材が残らないのは当たり前、と思います。必要とされていない、ただそれだけのお話。そんな環境を作っているのは、我々国民。(2008/03/03)

2番目のコメントをしたものです。気づくのが遅れましたが、ご質問への回答を試みます。「社会システムの現況把握を正確に行なう能力」を持たなければいけないのは、本来は「政治家」だと思いますが、日本の社会では「政治家」には「使い走り(誰の?役所の?)」以上の期待は置いていないみたいで、「政治家」もそれをいいことに「頼まれたこと」の「当否」よりも「可否」のみ考えて過しているようです。とすると、「政治家」を牽制し、覚醒させる役回りも重要なこととなりますが、何かもたれあっているようで・・・。それはどうしてか?それゆえ、実は、「社会が変革可能である」「世界は変えられるものである」という部分の方が小生の意見としては重要なつもりですが、革命思想のような安易でいい加減なものを教えろとは言っていないことはご理解ください。むしろ逆で、簡単に切れてしまわないような姿勢を養えということでもあります。今、目の前の「世界=社会」が何か自分の思いと合わない、あるいは、何かうまく行っていない、と判断されたときに、判断の根拠を丁寧に明らかにし、不調の原因の特定や分析を的確に行わない限り、自然に機能するような対策はありえないのだけれど、大概の場合、前段の部分が不適切で、したがって、対策も小手先だけになってしまうのが実態ではないでしょうか。このためには、思考習慣、行動習慣を設計しなおすことが不可欠だろうと思い、宮田先生の仰る「設計」とは意味が違うかも知れないけれど、こういう設計しなおされた思考・行動習慣を身につけた「政治家」や「政治家の監視者」を増やしていかなければならないと思います。いずれにせよ、要点は、「現在の社会システム」が十全に機能しているかどうかの判断をすること、これは、別に、要路の人たちでなければいいのですが、次の段階を考えると、要路の、つまり、「現在の社会システム」の運営責任の当事者たちが、この手の判断ができることが重要で、もし、機能していないという判断が当然となれば、もちろん、「現在の社会システム」は更新しなければなりませんが、機能不全の判断から更新に至る過程の間には、機能不全の原因追求と特定が不可欠なはずです。(2008/03/02)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長