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いつまでも「新規と既存」でいいのだろうか

IT投資を本当に生かすための切り口とは

  • 横浜 信一

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2008年3月17日(月)

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 企業のCEO(最高経営責任者)の方々とお話をしていてよく聞かされる悩みの1つとして、「利益が向上したのでこれからは攻めの経営に取り組みたいのだが、IT(情報技術)支出の多くが既存システム用に使われて、新規戦略案件にあまり使う余地がない」という話である。そして、ほぼ必ず「既存システムの保守・運用に80%以上かかり、新規に使えるのが20%以下しかない。この割合を変えたい」と続く。

 社内の情報システム部門からは、「ITシステムはこれまでの投資の蓄積で成り立っているので必然的に既存向けの支出が多くなる」こと、「新しく作ることも大切だが、これまでに作り上げてきたものの安定稼働を確保することがまずは優先」という説明を聞かされているという。

 筆者は、この「新規」と「既存」という見方自体を変えるべきだと考える。新規・既存という言葉自体、ITの提供者の視点に立った言葉だからである。経営の視点に立てば、別の発想が出てくるはずだ。例えば、会社を「変える」ための支出と、会社を「回す」ための支出という切り口の方が、はるかに本質を正しく捉えられる切り口だと考える。

「保守」「運用」という言葉も曲者

 「変える」とは、これまでの事業領域を拡大する、生産性を飛躍的に高めて顧客への訴求力を増す、などを意味する。事業戦略を考える時、よく「where to compete」(どこで競争するか)と「how to compete」(どうやって競争するか) という2つの側面から考えるが、このwhereやhowを変えることと言ってもよい。これに対し、「回す」とはwhereやhowは変えないで、業務をきっちりオペレーションさせることを言う。

 当然のことながら、今は「新規」というラベルが張られているIT支出の中には、「変える」もあれば「回す」もある。例えば、「これは新規投資案件です」と言われて期待して内容を聞いてみると、単に法規制への対応を行うだけのものであって、がっかりさせられることもある。

 逆に、「既存」と呼ばれているものの中にも会社を「変える」ためのものがあるはずである。例えば、提供商品やサービスについてより柔軟なプライシングを可能とするために、料金・清算システムの改修を行うのはこの例である。

 なお、既存と呼ばれるIT支出は、「保守」と「運用」に分けて整理されることが多いが、これも曲者である。まず保守であるが、保守と言いながら実はシステムの更新・開発である。したがって、どんな更新・開発を行っているかを吟味しないといけない。「保守」と聞かされると必ず行わなければならないことのように聞こえるが、実は、ユーザー画面にアイコンを追加する、画面表示の位置変えなど、不要不急の改修が含まれていることが多い。保守という言葉に惑わされることなく、その中身の必要性・緊急性を吟味しなければならない。

 運用については、ITシステムを日々機能させるための、稼働状況の監視、リポート作成、社内ユーザーからの問い合わせヘルプデスク業務を行ったりという業務であり、運用という表現には誤解を招く恐れがない。しかし、こうした業務がどうやって行われているかをつぶさに見ると、そこには業務生産性を向上させる余地がたくさん見つかることが多い。

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