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「山中塾」で学んだ4つのマインド

  • 河岡 徳彦

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2008年3月27日(木)

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 世の中には「塾」と呼ばれるものが数多くあります。今回は、私が今もお世話になり、教えを請う特別な塾のお話をします。その名前は「山中塾」。車が好きならば誰でも出席可能、所属は問いません。さらに、すべて塾長の持ち出しで運営され、ほかでは決して学べない知恵やノウハウ、スキルを身につけられるという稀有な塾なのです。

 今から50年以上昔のことです。早稲田大学理工学部機械工学科で関敏郎教授(後に名誉教授)が自動車工学の講座を開いていました。関教授は日本におけるディーゼルエンジン開発の先駆者で、2006年には日本自動車殿堂入りを果たされた方です。関教授の講座では、毎年数人の学生がチームを編成し、自分たちの理想とする自動車を設計し、学窓を巣立っていきました。

夕食を食べながらの授業

 その卒業生の1人に山中旭先生がいました。山中先生は早稲田大学を卒業後、三菱自動車工業に入社され、ボディー設計、実験、解析など、主に大型商業車の開発を担当しました。

 山中先生が関教授から依頼を受け、卒業設計の指導に当たるようになったのは1958年からです。毎週末、横浜市内の山中先生のご自宅で、自動車の理論と実務を教えるユニークな授業が始まりました。私は早稲田大学の学生ではありませんでしたが、関教授に山中先生を紹介してもらい、64年に山中塾に参加しました。

 関教授は私の遠縁に当たる人でした。江古田の関教授の家を訪れると、当時はとても手に入らないような欧州や米国の車のカタログが山とありました。「デザインの参考にしたいので、カタログをください」と申し込んだのですが、「残念ながら、あげられない」との返事でした。そして関教授は私に言いました。「既に世の中にある車を参考にするよりも、君自身が全く新しい車をデザインした方がよい。山中先生を紹介するから、ぜひ彼の元で学びなさい」。

 塾の授業は、先生の帰宅後に始まります。奥様が作る夕食を食べながら教わるのです。山中塾からは毎年多くの塾生が育ち、徐々に塾の存在が世間に知られるようになりました。例えば、カーデザイン誌の「カースタイリング」(79号、1990年)や「NCV21-21世紀は超小型車の時代- 別冊カースタイリング」(2000年)などに、未来志向を先取りした産学協同プロジェクトのリーダーの1人として山中先生の取り組みが紹介されています。

心に刻まれた4つのマインド

 山中先生は三菱自動車を退社後、東洋ラジエーター(現ティラド)を経て早稲田大学の客員研究員、非常勤講師となられました。2002年5月11日、山中先生は早稲田大学で最後の講義を行いました。(

 この講義で先生は、未来の開発リーダーとなるためにどのような心構えを持つべきかといったお話をしていました。この講義を聞いて、私は塾の講義の内容を思い浮かべていました。先生は塾の講義の中でも、自動車開発に取り組む姿勢(マインド)について力説していたからです。山中塾の講義で私の心に強く刻まれた4つのマインドがあります。それは次のようなものです。

オープンマインド

 最初に山中塾に参加した時、私は多摩美術大学立体科プロダクトデザイン専攻の学生でした。早稲田の学生ではなかったのです。でも、塾では誰がどこの学生かなんて、全く関係がない雰囲気でした。

 実際、山中塾には、早稲田以外の大学関係者はもちろん、カーエンジニア、ジャーナリスト、デザイナー、建築家など多種多様な職業の人たちが集まるようになりました。同じ志を持った者たちの間に壁は存在しない──。山中塾はそのことを教えてくれました。

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