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アニュアルリポート(年次報告書)に
ITへの取り組みを載せるべき

  • 横浜 信一

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2008年4月7日(月)

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 アニュアルリポートという冊子をご存じだろうか。日本語では「年次報告書」とも呼ばれるが、ほぼすべての上場企業が作成・公表しているもので、投資家や取引先に向けて経営内容について総合的な情報を提供するための冊子である。どの企業でもたいがいの場合、ホームページ上の「投資家の皆様へ」というページに掲載しており、ダウンロードすることができる。

 記載内容を見ると、投資家向けのものであることから、その多くは財務情報に割かれている。ただ、それだけではなく、経営トップからのメッセージや企業理念、さらには事業の概況、研究開発への取り組み、グループ企業群などにも触れられており、企業の概要を理解できる豊富な情報が盛り込まれている。

 筆者は職業柄多くの企業のアニュアルリポートを目にする機会が多いが、その内容にも時代感は表れており、最近は上記のような一般的項目に加え、CSR(企業の社会的責任)、内部統制、そして環境への取り組みにもページが割かれるようになってきている。

リポートにはITセクションが必要

 企業トップにとっては、株主や取引先、さらには製品の最終顧客に自社をPRするための最重要な報告書として位置づけられるアニュアルリポートなのだが、この中でIT(情報技術)への取り組みについて触れている企業はほとんど見かけない。

 ITは競争力の源である、積極的に経営の中に生かしていく、といったメッセージは多くの経営者が発信している。事実、そうした意識を持っている経営トップが数多く存在しているはずである。であるのになぜ、アニュアルリポートの中にはITに関するセクションがないのだろうか。筆者は、今後アニュアルリポートにITへの取り組みも積極的に記載していくべきであると主張したい。

 では、具体的にはどのような情報を載せるべきなのだろうか? IT支出をいくら行うかにとどまらず、重点投資は何か、経営の中でどう位置づけているのかなど、多様な観点からの記述が可能なはずである。以下に、筆者なりのポイントを4つ提示してみたい。

(1)競争力強化のどこにITを使うのか
 出発点として、自社事業の競争力強化をどこに求めているのか、そしてそこにどのようにITシステムを活用するのかを明らかにしたい。

 製造業を例に取ると、製品開発、原材料調達、生産、在庫管理、販売、販売後のサポート、こうしたバリューチェーンのどこに自社なりの差別化を考えているのか、そしてそこにITシステムをどう生かしていこうとしているのかを明記したい。

 逆に、低付加価値業務を削減する観点でのIT活用もあるだろう。経営陣にとってのマネジメントコントロールを向上させるために、情報提供のスピードや精度を向上させるという観点もあるかもしれない。

 事業がどんどんグローバル化・複雑化している今日、ITシステムをどう生かすのか、といった点も記載されてしかるべきである。

 ポイントは、総花的にあれもこれも記載するのではなく、自社の競争力強化戦略と一貫性を持った、メリハリある内容とすることである。当然のことながら社内のITシステム開発・提供は多岐にわたるが、それをすべて網羅するのではなく、本当に重要視している分野に絞って記述することで、投資家にとって分かり易いものとなる。

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