• ビジネス
  • xTECH
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

“迷惑メール事業者”はこの先どこへ行く?

違法人材リソースはどこへ転じていくのか

2008年4月9日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 迷惑メールのあまりの多さにふと忘れてしまいがちであるが、日本のどこかには迷惑メールを送ることによって生計を立てている人がいる。「今日も仕事をするか」と言って迷惑メールを送っている人が必ずどこかにいるのである。

 もちろん、送信者だけではなく、迷惑メールの送信先としてのメールアドレスを収集・販売している人もいれば、安全に(足がつかないように)迷惑メールを送信できるようにセキュリティが甘いPCを乗っ取っている人もいるだろう。「主人が冷たくて寂しい思いをしている人妻」を演じてメールの文面を考えている人など、関連業務に従事している人も多くいるだろう。個人事業かもしれないし、組織的に厳格な役割分担のもと、作業をしているかもしれない。

 2007年半ばより、総務省および経済産業省が迷惑メールに関する法規制の強化に向け検討を進めている。連日の法制度強化の報道を見るにつけ、彼らは少なからず動揺をしていることだろう。

 これまでの低額罰金ならいざ知らず、改正後の高額な罰金や懲役刑のことを考えたとき、リスクとプロフィットが見合わなくなってしまう。彼らにしてみれば、まさに「経営環境の変化に伴うビジネスモデルの崩壊」である。40歳半ばの迷惑メール送信者は苦悩するだろう。やっと慣れてきたこの商売を続けることができなくなってしまうのか。子どもはまだ小さい、老親の面倒も見る必要があるのに…。

 さりとて、嘆いてばかりはいられない。明日の糧を得るために、なにかをして働く必要がある。今までの技術と資産と経験を活かせる仕事はなんだろうか?これまで携わってきた迷惑メール事業をどのように転換していくべきだろうか?

 ここで彼らが合理的な考えに基づいて帰結する「次の事業」こそが、消費者・事業者・行政が考慮するべき「次の脅威」となる。

 直接確認をしたわけではないが、迷惑メール送信事業を実施すること自体に意義を見出している迷惑メール事業者はほとんどいないだろう。車を盗むよりも、オレオレ詐欺をするよりも、コストパフォーマンス(あるいは「リスクパフォーマンス」ともいえるかもしれない)が高いと考えたからこそ迷惑メールを送信しているはずなのだ。

 このように、経済合理性に基づき行動するIT系犯罪者が次の一手としてどのような策を検討しているのか考えることが本稿の目的である。迷惑メール業界における人材リソースシフトがどのように行われるかを検討することは、次に重要問題となるセキュリティ上のテーマを考える上で有用であるはずだ。

 本稿では、まず法規制強化の動向について概観し、その上で予想される迷惑メール事業者の業態転換を検討する。それにより、新たな問題事象に対してとるべき先手に関する示唆が得られるものと考える。

法規制強化の動向

 迷惑メール問題に関する主たる法律は2つある。1つは総務省主導による「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(特電法)であり、もう1つが経済産業省主導による「特定商取引に関する法律」(特商法)である。

 特電法は主に迷惑メール送信事業者を対象としたものであり、特商法は迷惑メールの広告主を対象とした法律である。前者は2002年に新たに制定されたものだ。後者はそれ以前より存在していたものであるが、同年に迷惑メールに対応するよう法改正がなされたものである。

コメント6件コメント/レビュー

メールにのみ実効性があっても効果は限定的ではないかと。情報送信の方法は他にもあります。昨年あたりから掲示板に執拗に性的な文面の「ひっかけ」を掲載してくる業者(プロバイダを頻繁に変えますが所在が大阪なのはIPでバレてます)があり、最初の頃はこちらも逐一プロバイダに報告していましたが、警察が動くところまで行かないためいたちごっこになっています。(大阪府警の仕事のザルぶりに怒りが。被害者は全国にいるのに)一人で可能なレベルではないので間違いなく業者ですが、最近組織化した迷惑行為の多さに辟易しています。回線の外の話ですが、何か限定品が販売されるイベントがあると、そこには間違いなく場違いかつ組織化された人間が投入されます。「仕事」を遂行するためなので他の参加者やスタッフに対するマナーは皆無。転売市場の規模が巨大化しているという背景がありますが、規制する法がいまのところ無く、そういった場所に出向く都度危険の発生を危惧する羽目になっています。ネットに関係ないようでこれも「オークションで資金化できる」という安易な手段が存在する故で、無関係ではありません。ネットを第2の社会と見るなら、相応の数の人材を投入しつつ法整備をして、回線外の第1の社会に歪みを出さないようにする必然があるように思いますが。技術云々でなくモラルの話として。(2008/04/11)

オススメ情報

「どう読む!産業パラダイムシフト」のバックナンバー

一覧

「“迷惑メール事業者”はこの先どこへ行く?」の著者

鈴木 良介

鈴木 良介(すずき・りょうすけ)

野村総合研究所 主任コンサルタント

情報・通信業界に係る市場調査、コンサルティング、政策立案支援に従事。近年は、ビッグデータの効率的かつ安全な活用が事業活動の高度化や社会課題の解決にもたらす影響を検討している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

メールにのみ実効性があっても効果は限定的ではないかと。情報送信の方法は他にもあります。昨年あたりから掲示板に執拗に性的な文面の「ひっかけ」を掲載してくる業者(プロバイダを頻繁に変えますが所在が大阪なのはIPでバレてます)があり、最初の頃はこちらも逐一プロバイダに報告していましたが、警察が動くところまで行かないためいたちごっこになっています。(大阪府警の仕事のザルぶりに怒りが。被害者は全国にいるのに)一人で可能なレベルではないので間違いなく業者ですが、最近組織化した迷惑行為の多さに辟易しています。回線の外の話ですが、何か限定品が販売されるイベントがあると、そこには間違いなく場違いかつ組織化された人間が投入されます。「仕事」を遂行するためなので他の参加者やスタッフに対するマナーは皆無。転売市場の規模が巨大化しているという背景がありますが、規制する法がいまのところ無く、そういった場所に出向く都度危険の発生を危惧する羽目になっています。ネットに関係ないようでこれも「オークションで資金化できる」という安易な手段が存在する故で、無関係ではありません。ネットを第2の社会と見るなら、相応の数の人材を投入しつつ法整備をして、回線外の第1の社会に歪みを出さないようにする必然があるように思いますが。技術云々でなくモラルの話として。(2008/04/11)

単純に、海外(特にこの種の規制がゆるい国にある)サーバから発信される量が増えるだけなのではないでしょうか。インターネットが世界につながっている以上、いくら日本国内の規制を強化してもあまり有効性が高いとは言えないでしょう。(2008/04/10)

 私には、現在迷惑メールが1日に100通以上くるが全部海外からのものである。国内からのメールは昔は来ていたが、現在はかなり減っているように思うが、既にビジネスモデルの転換を始めている業者がかなり居るのではないかとも考えられる。 いずれにしても、無用なメールを大量に受け取るのは不愉快極まりないことである。(2008/04/10)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日々、何気なく自動車を利用することが、我々を死に至らしめる可能性がある。

ジェームズ・ダイソン 英ダイソン創業者