• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「舞台が広告会社なら自然に“広告”が見てもらえるかも!」
…という米国テレビドラマ、さて流行るでしょうか

プロダクト・プレースメントの「ほんとうの」逆襲

  • 須田 伸

バックナンバー

2008年4月22日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 プロダクト・プレースメントは、何度かこのコラムでも取り上げてきましたが、テレビドラマの主人公の乗っているクルマや、身につけている時計などの商品(プロダクト)が、広告契約に基づいて「その場所に置かれている(プレースメント)」という広告手法です。

 決して新しい手法というわけではありませんが、近年、テレビCMが、ハードディスクレコーダーによるタイムシフト視聴でスキップされたり、スキップされないまでも、そばにあるパソコンやケータイ電話の操作などで、視聴者の目線が向けられていないといった議論の中で、テレビCMよりも視聴者の注目を集める番組の本編の中で広告的役割が果たせるということで、関心が高まってます。

 アメリカでは「Mad Men」というタイトルの、広告会社を舞台にしたテレビドラマがヒットし、同様に広告業界を設定にしたドラマの開発が進められている、とアメリカの広告業界誌「Ad Age」がレポートしています。

 その背景にあるのは、単に他局で刑事ドラマが人気だからウチでも刑事ドラマを、医療ドラマが人気だから医療ドラマをといった、視聴率を集める舞台設定が理由であると同時に、広告会社をドラマの舞台にすることにより、プロダクト・プレースメントがごく自然に行えるという別のメリットに、各放送局ともに注目しているようなのです。

 たしかに「今度のダイエット・コークの競合プレゼンに向けて作業する中で発生する様々なエピソード」というのは、広告会社においては実に自然な話ですし、架空の商品よりも実在の商品の方がドラマとしてもリアリティが増す可能性もあります。ドラマの質が高まるのであれば視聴者もより楽しむことが出来るでしょう。そうなれば放送局としては高い視聴率が期待出来ます。

 広告主としてはより視聴者のココロに刺さる、いわゆる「エンゲージメント」的要素の強いコミュニケーションが可能になります。まさに三方にとって嬉しいことだらけの話になるはずです。しかし、果たしてそうすべて目論見どおりに、広告会社を舞台にしたドラマが人気になるのかどうか。

 それは相当の努力が必要になってくるでしょう。商品を前面に押し出してしまえば、視聴者は白けてしまいますし、さりげなく後ろに引っ込めてしまえば広告主は不満でしょう。その板ばさみになる広告マンやテレビマンの姿を描いたほうが良質のコメディが出来上がるかもしれない、というのは、ややシニカルすぎる見方かもしれませんが…。

広告とエンタテインメントの一体化

 アメリカのテレビ局は、広告会社を舞台にしたドラマ以外にも、さまざまな新たな番組内でのプロダクト・プレースメントの方法を探ろうとしています。

 たとえばアメリカの四大ネットワークの1つ、CBSは番組制作のより初期の企画段階から広告クライアントを絡めるための新たな組織を立ち上げました。こうした動きも、単純なCMスポットの放送にとどまらない、より番組と広告の境界線を越えた企画への広告主からの需要が高まっているからに他なりません。

 果たして広告主と視聴者の両者が満足する、広告とコンテンツの幸せな結婚はあるのか、と言えば、きっとあると思います。

 たとえば、インターネット上では既に、そうしたカップリングの成功事例をいくつか見ることが出来ます。いわゆるバイラルムービーといわれる映像などはその典型です。それらは、広告でありながら、コンテンツであり、見る側にしてみれば、それが広告であるか、コンテンツであるかの定義はたいした意味はなく、面白いか、面白くないか、のほうが圧倒的に大事なわけです。

 たとえば、ナイキは、NBAプレイヤーのコービー・ブライアント選手が、ナイキの靴を履いて、あっと驚くようなジャンプをする、という映像をYouTubeなどのネット上の動画サイトで公開しています。

 これが果たして広告なのか、コンテンツなのか。議論のわかれるところでしょう。おそらくその両方であり、面白いと思った人は自分のブログで紹介したり、メールで友だちに教えたりするなどして、「今、おさえておくべき映像」としてマスメディアを介さずともクチコミで広まっていくでしょう。

 こうした広告とコンテンツが統合された、単純な「プロダクト・プレースメント」を超えた、「ブランデッド・エンタテインメント」などと呼ばれるレベルのクリエイティブは、チャンネル数や放送時間といった有限性に縛られるテレビよりも、ネットでのほうがより、数多くの様々な試みが展開できるので、メディアとして向いていると言えるかもしれません。

 果たして同様の「ブランデッド・エンタテインメント」をテレビで実施することを考えた場合、視聴者の興味を引きつけながら、従来のテレビのビジネスモデルの持っていた高収益性を維持することができるのかどうか、大きなチャンレジになることは間違いありません。

 いくつか、私が考える具体例を見ていただきましょう。

コメント1

「Web2.0(笑)の広告学」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「絶対これしかありません」というプランが出てきたら、通しません。

鈴木 純 帝人社長