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製造業に頼りすぎていた産業構造を変える時

サービス業のイノベーションが全体最適の社会システムを作る

  • 宮田 秀明

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2008年4月25日(金)

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 日本のサービス業の生産性は米国の60%から70%と言われている。これを改善できるとなると、その価値は大きい。製造業に頼りすぎた産業構造を変え、国際競争力を高めることができるからだ。

 先進国ではサービス業がGDP(国内総生産)の約70%を占めている。米国も日本も同じだ。中国にしても10~15年後にはそうなるだろう。

 70%を占める部分の生産性は重要だ。各国の成長のためにも国際競争力を高めるためにも、サービス業のビジネスモデル創造に戦略的に取り組むことが求められている。 

優れているコンビニ、劣っている港湾サービス

 サービス業と言ってもその生産性は業態によって様々であり、優れている分野と劣っている分野の差は大きい。日本が優れている例では、コンビニという小売業がある。日本の商品回転率は年45回で、米国は25回であるから、単純に言えば、日本のコンビニの生産性は米国の180%である。日本が劣っている例で象徴的なのは港湾のサービスである。コンテナターミナルの生産性は中国の30%以下である。

 コンビニは日本独自のビジネスモデルとして成長しているし、激しい競争の中で、日々努力が重ねられている。公的部門の影響を受けることも少ない。一方の港湾は公的部門が経営の主体になっていて、利権がらみの割り当て経営が行われている。その結果、複数のバースを集合運用するシステムがないし、1つずつのバースに設置されているクレーンの数が船の大型化に対応していない。こんな単純なことが生産性の低い主因である。

 サービス業の生産性または国際競争力のバラつきは大きいが、総じて言えるのは、民間主導で国内外での競争が激しい分野ほど生産性が高いこと。だからサービスサイエンスによってサービス業の生産性を高めるには、何よりも規制撤廃を強力に進めることが必要だ。これがサービスイノベーションのためのプラットフォーム作りになると言っても過言ではないだろう。

 サ-ビス業は多岐にわたる。金融・証券・保険、医療、教育、小売り・流通、飲食、娯楽・観光、物流・運輸、交通、情報・通信・放送・出版、不動産・レンタルなどだ。製造業ではあっても、完全に製造業とは言えない業種も多い。コピー機メーカーは製造業に分類されるが、利益は販売後のサービスで得ているのでサービス業の部分が大きく、この部分の経営が大きな位置を占める。自動車会社もサービス業の部分が増えつつある。平均で10年も使われる耐久消費財だからだ。

コメント7件コメント/レビュー

サービス産業の生産性の向上が必要であることはその通りであろう。我々が、豊かな生活を享受できるのは、ひとえに生産性の向上のお陰である。最初のコメント欄で指摘されている、「悲惨な生活状態・・をシステム的に解決するべき」と言うマスコミに煽られた認識は、原因をシステムに求める誤りを犯している。今問題になっている非正規雇用などの問題は、日本が貧しくなっていることから発生しており、その根本的解決は国際競争力の再構築しかないことを理解していない論である。今の状態を維持するためだけでも、生産性を上げねばならないが、残念ながら日本国で生産性を上げるのが大事だと言う意識がなくなってしまった。その点では先生のご指摘は正しいのだが、関係者みんながWin-Winになる方策が正しいとのお話は頂けない。往々にして既存のパスを抜くことで生産性を上げるやり方は多いはずである。顧客のみを考えて不要な段階をなくしていくのが正しい。そのためにも、規制緩和が重要なのだが、今は官僚の既得権の再確保の罠にはまっていることが多いように思える。(2008/04/29)

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サービス産業の生産性の向上が必要であることはその通りであろう。我々が、豊かな生活を享受できるのは、ひとえに生産性の向上のお陰である。最初のコメント欄で指摘されている、「悲惨な生活状態・・をシステム的に解決するべき」と言うマスコミに煽られた認識は、原因をシステムに求める誤りを犯している。今問題になっている非正規雇用などの問題は、日本が貧しくなっていることから発生しており、その根本的解決は国際競争力の再構築しかないことを理解していない論である。今の状態を維持するためだけでも、生産性を上げねばならないが、残念ながら日本国で生産性を上げるのが大事だと言う意識がなくなってしまった。その点では先生のご指摘は正しいのだが、関係者みんながWin-Winになる方策が正しいとのお話は頂けない。往々にして既存のパスを抜くことで生産性を上げるやり方は多いはずである。顧客のみを考えて不要な段階をなくしていくのが正しい。そのためにも、規制緩和が重要なのだが、今は官僚の既得権の再確保の罠にはまっていることが多いように思える。(2008/04/29)

合理的な考え方は必要ですが、それが行き過ぎると明確な線引きをし、人の心を蔑ろにして、かえって全体最適を遠ざけることに繋がるのではないですか?人を幸せにするために事業を起こし、より多くの人を幸せにするためにお金を稼ぐ。今、日本で突出した実績をあげている企業の創業時の理念は皆、人の幸せを願ったものです。日本の社会システムには無駄が非常に多い事は確かです。しかし、この国は世界のどこよりも国民を大切にしてきた。企業の理念と同じように国の理念として憲法がある。その理念が、今失われつつあるのが残念でなりません。もう一度、国を愛するために、国の理念を考えてみる必要があるのではないでしょうか。日本人は愛国心や宗教心に乏しいと言われていますが、日本人は、日本に生まれた事を幸せだと感じているはずですし、この国が好きなはずです。どんなサービスも、提供する人が理念を信じていない限り、クオリティを保つことは出来ません。今、日本人に足りないのは、先見力や高い視点での構成力よりも、信じる力だと思います。信じる対象は国でも宗教でも仕事でも人でも良い。自分のためにではなく、誰かのために役に立っていることを信じ、実感できる瞬間をだれもが渇望していると思います。人はシステムに当てはめらる度に時間と供に活力を失い、そのために崩壊したシステムを作り直して発展してきた。活力とは活きる力。人の活力は、人や社会とのつながりからしか生み出せません。システムはその活力を利用して発展するための道具に過ぎないと思います。だからと言って合理的な考え方は無駄だとは思いません。大切なことです。ただ、合理的であるためには、それ以前に合理を生み出し、継続する力の源を明確にしなければならない。不合理の原因は幾多あると思いますが、それは、信じる力(信用、信頼、信心)を失っているため。私にはそう思えてなりません。(2008/04/29)

宋文洲さんの「やっぱり変だよ日本の営業」にも有りますが 人情と根性に頼った商いの有り方が最も根源的な問題ではないでしょうか その根底に横たわるのが広義の利権意識ということになります 必要なのは「見える化」と「評価」です 製造における改善と同様なアプローチ PDCAを回す仕組みが必要ではないでしょうか マーケティングはアメリカという特殊な市場での商いの技術になっていますが もっと一般的な どこの国にも適用できる生産性の評価の仕組みを考えようではありませんか(2008/04/25)

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