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感動はイノベーションのための大きな力

スポーツ界だけでなく企業からも感動を発信せよ

  • 宮田 秀明

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2008年5月9日(金)

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 異分野の人と交流するのは楽しいし、ためになることも多い。根津にある研究室ご用達の舶来居酒屋「天井桟敷の人々」の飲み友達には2人のプロカメラマンがいる。KさんとSさんである。

 昨年秋、このコラムのため、厚木にある日産自動車のテクニカルセンターでNISSAN GT-R開発者のインタビューを始めた時、Kさんがインタビューの部屋に入ってきたので驚いた。仕事で鉢合わせする奇遇だった。

 別の日、作品と感動の話をSさんとした。「風景であれ人であれ、被写体との感動関係がなければ、いい写真は撮れません。感動がモチベーションになり、作品が感動を表現していると成功ですね」。その居酒屋の店員はすべて東京芸術大学の学生なので、こんな共感の議論が盛り上がった。

 私も少し水彩画を描くが、時間ができたから描いてみようという態度では、いい絵は描けないようだ。素晴らしい風景に感動して描きたくなった時にいい絵ができるという。

 「感動が創造するのだ。そして創造は感動を広げる」

 これは、芸術の世界だけに当てはまることではないようだ。どんな仕事にも感動がある。生活のためだけでなく、企業の利益のためだけでもなく、少しでいいから感動のために仕事をしたいものだ。

 研究者は発見や創造による感動のために仕事をしているとも言える。大変恵まれた職業なのだ。しかし、本当の感動を味わうのは易しいことではない。二番煎じのような研究では感動は小さいから、もっと創造的な目標を定めて挑戦したくなる。

 それを実現して大きな感動を得るためには、たくさん苦労し、さらに幸運の女神を味方にしなければならない。感動を獲得するのは容易なことではないのだ。

 すべての仕事は、1%の感動のために99%の苦労を重ねること。それでも、なるべく多くの人が感動を経験することを人生の目標の1つにしたいものだ。

 私たちがアメリカズカップのプロジェクトの仕事をしていた時、その原動力は、「世界一になって感動を味わいたい」という気持ちだったかもしれない。この感動を本物にするためのプロセスでは、新しい実験法、新しい設計法、新しい作画法を創造し、それらを駆使して最終的に新しいレーシングヨットが創造されたのだ。

コメント5件コメント/レビュー

宮田先生の講義を受けさせていただいたことがあります。ゼミ生だったわけではないので、教え子というのも差し出がましいかもしれませんが、先生のおもしろさを、読者の方と共有したくて、コメントいたします。プチ教え子の私の個人的な見解で恐縮ですが。先生のご見解のポイントは、なんといっても、その核心部分にあります。つまり、このお話では、「感動はイノベーションのための大きな力」。まったく素敵な話だと思いませんか?核心の外のご見解については、読者の皆様からみていろいろなご意見があると思います。ただ、もう1つ、先生のおもしろいところは、そういったご意見もしっかりと聞いておられることです。技術だけでなく、人が好きな、情熱のある方だと思います。ですので、これからもコラムをご購読いただき、愛のある刺激的なご意見をお届けくださると幸いです。感動への道程に向けて、今後ともよろしくお願い申し上げます。(2008/05/10)

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いただいたコメント

宮田先生の講義を受けさせていただいたことがあります。ゼミ生だったわけではないので、教え子というのも差し出がましいかもしれませんが、先生のおもしろさを、読者の方と共有したくて、コメントいたします。プチ教え子の私の個人的な見解で恐縮ですが。先生のご見解のポイントは、なんといっても、その核心部分にあります。つまり、このお話では、「感動はイノベーションのための大きな力」。まったく素敵な話だと思いませんか?核心の外のご見解については、読者の皆様からみていろいろなご意見があると思います。ただ、もう1つ、先生のおもしろいところは、そういったご意見もしっかりと聞いておられることです。技術だけでなく、人が好きな、情熱のある方だと思います。ですので、これからもコラムをご購読いただき、愛のある刺激的なご意見をお届けくださると幸いです。感動への道程に向けて、今後ともよろしくお願い申し上げます。(2008/05/10)

ホンダは確かに優良企業ですが、自分はあまり魅力を感じません。車であれバイクであれ、製品にも魅力が無くなってきています。一言でいうと日本的な、実体の無いコンセプト先行、数値目標先行、モーターショウバカなのです。BMWのように乗るとその成熟した人間工学と長距離を想定した設計に惚れ惚れするような感動はありません。          それから工学部の学生が金融に流れるのは、悪いことではないと思う。ひとつは工業に偏った経済構造の是正。ふたつ目は国内産業は貿易黒字を出すことによって円高圧力を常に受けている。円を海外に投資し、海外の製品を日本の市場で受けいれ過剰な円高を緩和しなければ、いずれ国内産業が潰れる。金融の創造性が低いなら改善の余地は大いにあるということです。理系の才能がそこで花開けば良いではないか。(2008/05/10)

感動は、現場と自分の専門分野が結び付かないと生まれないのではないか。先生の感動は、ヨットで高速流体力学と数値船型学ともいうのか、先生の開発した専門分野の成果が発揮できたから生まれたと思う。その後のシステム云々の外資系企業に働く先生の門下生には、その専門性が欠けている。技術者が、対象を知らずに過程だけで感動が生まれるとは思わない。何か、勘違いをしている風潮があるような気がする。金融を本当に理解して外資系の金融機関に行くのか。製造現場で言えば、溶接や機械加工のプロセスの一部になり、それこそ歯車のひとつでは無いのか。何か不安を感じる。(2008/05/09)

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三品 和広 神戸大学教授