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ラグジュアリーブランドにとっての「銀座」と「ネット」

  • 須田 伸(スダシン)

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2008年5月21日(水)

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 先日、銀座のブルガリタワーで実施されたフィナンシャルタイムズ主催のブロガー向けイベントで、高級ブランドの戦略に関して興味深い話を聞くことが出来ました。

 ご存知の通り銀座には、会場だったブルガリタワー含めて、アルマーニ、シャネル、カルティエ、などなど、高級ブランドの旗艦店が並んでいます。先日も「ルイ・ヴィトン」で有名なLVJグループが、2010年秋に完成する「ヒューリック数寄屋橋ビル(仮称)」をほぼ1棟借りして、世界最大級の規模で銀座に旗艦店を出す計画というニュースが報じられていました。

 銀座の平均的な賃料をご存じですか? 私も会場で初めて知ったのですが、なんでも現在は坪単価26万円なのだそうです。そして、いかにラグジュアリーブランドといえど、この賃料でペイするブランドはまずないらしい。それでも銀座という街にシンボルとなる拠点を持つ、つまり「ポジショニング」することが、日本全体のマーケット、さらにはアジア全体のマーケットに波及効果があるからこその出店なのだとか。

 つまり銀座の旗艦店というのは単店舗での採算ではなく、「広義の広告的価値」が高いということで、ソロバンをはじいているわけです。

 一方、こうしたラグジュアリーブランド店の平日の買い物客の1割~2割は、今や中国からの旅行者で占められている、というお話も出ました。なので、中国語で接客ができる専門スタッフも必ずどの店にもいるそうです。実際、自分で都内の地下鉄に乗っていても、いろんなお店やレストランに入っても、中国語で会話をしている旅行者らしきの方々に遭遇することが、以前に比べて格段に増えた印象があります。

 彼らが銀座で自分たちの高級ブランドを体験することで、帰国後のそれぞれの国や地域での展開にも波及効果が見込めるのでしょう。銀座は、「日本のハレの日の街」から「アジアのハレの日の街」に移行しつつあるわけで、だからこそ高級ブランドから「ポジショニングの場」として選ばれているわけです。

「食べる」というブランド体験法

 またブルガリ、アルマーニ、シャネル、といった銀座のラグジュアリーブランドの旗艦店には、レストランが併設されているケースが多いです。さきほど紹介した2010年にオープン予定のLVJグループの旗艦店にもレストランが併設される予定です。

 ブランド体験として、銀座というロケーション、店舗の規模、サービスのきめ細やかさ、などとならんで「食」という要素を盛り込んでいることは、注目に値するような気がします。

 こうした傾向は、日本だけで見られることではなく、また高級ブランドに限った話ではないようです。AdAge誌に、米国ではメディア向けの予算を削って「食べ物のサンプリング」に向ける飲食関連企業(マクドナルド、ダンキンドーナッツ、スターバックスなど)が増えているという記事が掲載されていました。単に広告に接触するより、「より深いエンゲージメントが、実際に食べてもらうことで可能になる」という専門家の意見も紹介されていました。

 「食べる」という、人間の行動の中でも最も根幹的な部分で、ユーザーとコミュニケーションをはかる、という戦略の根っこにある「深くコミュニケートしたい」という発想は、ファーストフード店も高級ブランドも、案外あまり変わらないのかもしれません。

 それはテレビ、新聞といった従来のメディアにも、またインターネットという比較的新しいメディアでも代替することができないコミュニケーション手段です。メディアが複雑化する中で、逆に「食」のような「メディアにはできないリアルな体験」の価値があがる、というのも、なかなか興味深い構図です。

 しかし同時に、高級ブランドはインターネットという、従来はあまり積極的にプロモーションを展開してこなかった新しいメディアに対して、手段を選びながら新たな動きを始めようとしています。それを実感する例が、自分が関わっている仕事でありました。

2週間限定でネットコミュニティに出店するルィ・ヴィトン

 以前、このコラムでも詳しく紹介したファッションコミュニティ「プーペガール」。

「プーペガール」/自分の部屋に招待状らしき封筒が...
「プーペガール」/さまざまなお店が集まる「みんなの広場」

 先週、そのプーペガールの自分の部屋に行くと、クローゼットの上に招待状らしき封筒が届いていました。この封筒をクリックすると、さまざまなお店が集まる「みんなの広場」へ飛びます。

 広場の中央下に、新しい店舗がまもなくオープンするようで、全体が工事中のテントに覆われているように見えます。拡大してみると「Grand Opening 05.20」とあり、明らかに実際の店舗のオープニング前に似せて作った「ティザー広告(予告のようなチラ見せ広告)」です。ミクシィの中のプーペガールに関するコミュニティなどでは、さっそくこのティザー広告に反応したファンの人たちが、「これは、まもなくルィ・ヴィトンのお店が出来るということだ」「アイテムはきっと高いから、今からリボン(プーペガール内で流通する仮想通貨)を貯めとかなきゃ」といった話題で盛り上がっていました。

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