「川口盛之助の「ニッポン的ものづくりの起源」」

“愛着”こそ最強の絆〜アマダナ人気の秘密

世界基準で戦える日本のデザイン家電(1)

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2008年6月9日(月)

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 家電業界はここ数年、高級家電ブームやデザイン家電ブームに沸いています。英ダイソンの掃除機や欧州式のドラム型洗濯機などが牽引役となって、高機能や多機能押しで推移してきた日本の家電業界に、オシャレなデザインの流れが参戦してきました。

 欧州からの高級な輸入電化製品も店頭で目にする機会が多くなりました。洗濯機や食器洗などから発したドイツの家電ミーレ(Miele)、掃除機や冷蔵庫に強いスウェーデンのエレクトロラックス(Electrolux)、暖房機器やコーヒーメーカーなど厨房機器に強いイタリアの高級ブランドのデロンギ(De’ Longhi)、高級オーディオで名高いデンマークのバング&オルフセン(Bang & Olufsen)などが浮かびます。いずれも、洗練されたデザインによる高級イメージづくりに成功しています。

amadanaの電子計算機

amadanaの電子計算機

 もちろん家電王国ニッポンも負けじとファッション性を重視した対抗商品を繰り出していますが、品質や使い勝手、多機能、省エネといったような、戦後営々と築き上げてきた中身の実力は今も健在なものの、にわか仕立て感の否めない“オシャレ戦線”では国際競争力の視点で見て欧州の老舗メーカーの域には到達していないようです。

 そんな中、国内でもデザイン視点に立脚した電気製品のファブレス企業が注目を集めています。レザーケース付きの電卓1台が1万円とか、キッチンタイマーが6000円の世界です。一般的な家電メーカーからすれば、法外な、でも垂涎のプライシングを実現しつつ、熱烈な製品のファンをつくり上げることに成功しています。

 今回はそのムーブメントの先頭を走るアマダナ(amadana)などのブランドでデザイン家電品を開発されているリアル・フリート社長の熊本浩志氏にお話を伺いました。

目指すのは「使っていて、なんとなくアマダナ感がにじみ出る」設計

 一口にデザイン家電と言っても様々な解釈がなされていて、誤解を招くことがしばしばあります。まずこのあたりから伺いました。一言で言うと、単に外観的なデザインだけではなく「長く使っていて、なんとなくアマダナ感がにじみ出る」設計が、総じて同社の定義するデザインということのようです。

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著者プロフィール

川口盛之助
(かわぐち・もりのすけ)

川口盛之助

慶応義塾大学工学部卒、米イリノイ大学理学部修士課程修了。日立製作所で材料や部品、生産技術などの開発に携わった後、KRIを経て、アーサー・D・リトル(ADL Japan)に参画。現在は、同社プリンシパル。世界の製造業の研究開発戦略、商品開発戦略、研究組織風土改革などを手がける。著書に『オタクで女の子な国のモノづくり』(講談社)がある (写真:山西 英二)



このコラムについて

川口盛之助の「ニッポン的ものづくりの起源」

このコラムでは、商品の機能やデザインにフォーカスし、その商品が生まれた発想の起源を探ります。特に日本の商品に密かに隠れたいかにもニッポン的な「和」のテイストに注目しながら、日本のものづくり文化に息づく競争力の源泉をひもといていきます。

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