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壁を見てから考えよう

ギャップを埋める行動力が自分を伸ばす

  • 宮田 秀明

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2008年6月13日(金)

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 4月になって、新しい4年生が研究室にやって来た。全部で11人だ。産学連携プロジェクトを積極的に行っている研究室だということは知れわたっているので、元気で前向きな若者が集まってくる。

 最初のミーティングでこう説明した。「民間企業の経営情報や小売業の販売情報などの大きなデータベースと格闘することから研究を始めることが多いでしょう。いきなり何十ギガバイトものデータベースを前にするので、ビックリして五月病になる人がいますが、頑張ってください。社会に出る前の最後の学校教育と世の中に貢献できる研究を両立させるために不可欠なことです」。

 ある4年生が質問した。勘のいい学生だ。「最初に現実を理解することが大切なのですか?」。

 私は答えた。「その通りです。まず壁を見てから戦略を立てるのです。壁の高さが1メートルか5メートルか10メートルなのか、分からないままで立てた戦略は、役に立ちません。まず壁を見て、壁に一度ぶつかってみてから戦略を立てるのが、最も正しくて効率の良い仕事のやり方です。この仕事のやり方を経験することが大切です」。

 勘のいい4年生は納得したようだった。しかし本当に壁を見る挑戦はこれからだ。若者の行動力を鍛えて、まず社会にたくさんある壁が見えるようにしなければならない。小学校から大学3年まで、ずっと受け身の教育を受けてきた学生に、自分で挑戦する行動力を教えることは大切なことだが、これを支える教員にも大きなエネルギーがいる。

惨めな敗戦、見せつけられた壁の高さ

 15年前の5月末のことだった。ある公益法人の専務理事から電話がかかってきた。数年来親しくしてきた方だった。新しくアメリカズカップのヨットや高速船のための委員会を始めるので、委員になってくれという依頼だった。

 「今、海外出張に行くので、帰ったらお答えします。大丈夫でしょう」とだけ答えた。たいてい委員会の委員という仕事は軽い仕事だ。適当に意見を言えばいい。おまけにシナリオは既に決まっていることが普通だ。

 ところがこの話は大違いだった。このお誘いは、悪く言えば私に仕掛けられたワナだった。その1カ月後には、アメリカズカップの技術開発委員会のテクニカルコーディネーターにさせられてしまった。

 3年間3億円の予算を用意して、1995年のアメリカズカップに挑戦する日本チームの技術開発を支援するプロジェクトの責任者にさせられてしまったのだ。

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