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ついに訪れたケータイ成長期の終焉

勝負の土俵は「新規ビジネスの創出」へ

  • 榊原 康

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2008年6月30日(月)

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 日本の携帯電話業界が転換期を迎えている。いよいよ市場が成熟し、端末メーカー、事業者ともに戦略の見直しを迫られているのだ。携帯電話の普及率が高まった今、販売促進をかければ契約数が増える、端末を生産すれば売れるという時代はもう終わった。

 これからは新規契約数や出荷台数といった「量」に成長を求めるのではなく、「質」による成長へ切り替えていく必要がある。ユーザーが喜んで対価を払うサービスや端末の拡充がますます求められる。戦略の転換なくして未来はない。

 現在の携帯電話業界は一見すると好調に映る。市場は飽和したと言われて久しいが、契約数は2007年12月に1億件を突破し、いまだに伸び続けている。端末の年間販売台数は過去3年連続で増えており、2007年度は5000万台の大台を突破した。KDDIとソフトバンクは携帯電話事業の好調を受け、2007年度の連結決算は過去最高を記録。今後は2台目需要や法人需要による伸びが期待される。

 だが、その裏では将来の不安を暗示する動きが相次いでいる。まず、端末市場は契約数の頭打ちを待たずして縮小傾向が見え始めた。端末価格と通信料金の内訳を区別した「分離プラン」の影響である。

 総務省は、多額の販売奨励金を投入してユーザーに端末の頻繁な買い替えを促す販売奨励金モデルを問題視し、2007年9月に分離プランの導入を各事業者に要請。2006年10月に始まった携帯電話の番号ポータビリティ(MNP)の影響もあり、事業者は契約期間を長期間拘束する料金プランや端末販売方式を相次ぎ導入した。

 この結果、端末の買い替え頻度が長期化する傾向にある。端末メーカーは現状、海外ではほとんど活躍できていない。国内市場が縮小すれば、事業が立ち行かなくなる。

 事業者の料金競争も激しさを増すばかりだ。今後は契約数の伸びがあまり期待できないにもかかわらず、料金競争が過熱している。発端は、言うまでもなくソフトバンクモバイルの「ホワイトプラン」。「基本料は月額980円でソフトバンクモバイル同士の通話が午後9時から午前1時の間を除いて無料」という割安感で同社が加入者数の拡大に成功すると、NTTドコモとKDDIも対抗値下げを余儀なくされた。これまで“聖域”とされてきた基本料を2007年8月から9月にかけて一律半額にしたほか、2008年に入って家族内通話の無料化にも踏み切った。

 NTTドコモやKDDIからは「値下げ競争の山場は越えた」という声も出ているが、2009年にはモバイルWiMAXや次世代PHSを使った2.5GHz帯無線ブロードバンドの商用化も控えており、データ通信分野で競争が再燃する可能性がある。今後も料金が下がることはあっても上がることはなく、将来に待ち構えているのは事業者同士で体力を削り合う消耗戦だけである。契約数は伸びないのにARPU(1契約当たりの月間平均収入)がじわじわ下がっていく。

国内で残る端末メーカーは4~5社?

 深刻な状況に追い込まれているのは端末メーカーだ。早くも再編が始まり、正念場を迎えている。2008年1月に三洋電機が携帯電話関連事業を京セラに売却することで最終合意したほか、2008年3月には三菱電機が20年以上続けてきた携帯電話端末事業から撤退すると発表した。

 三菱電機は「端末市場が成熟し、出荷台数が伸び悩んでいる。今後利益を生み出す事業と判断できなくなったため、事業の終息を決断した」という。同じ3月にはソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズがNTTドコモ向けの端末開発から手を引くと報じられた。同社は「商品化計画を見直しているのは事実だが、撤退は考えていない」と否定するものの、これを鵜呑みにする業界関係者は少ない。

 背景には、新規開発で1台当たり数十億円と言われる開発費の高騰がある。これまでは販売奨励金モデルのもと、事業者が数十万台単位で端末を買い取ってくれたが、こうした大量の買い取りはもう期待できない。前述したように契約数が頭打ちになってきていることに加え、端末の買い替えサイクルが長期化しつつあるからだ。

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