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“カルチャー”を創る買い手が、作り手を育てる

世界基準で戦えるデザイン家電(3)

2008年7月7日(月)

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 前回の「武器は“職人の誇り”」、前々回の「“愛着”こそ最強の絆」に引き続き、今回もデザイン家電が基点のお話で恐縮です。あまりにもアマダナ(amadana)ブランドの創設者、熊本浩志代表のお話が興味深く面白かったので、もう1回、駄目押しのデザイン論を続けたいと存じます。よろしくおつき合い下さい。

amadanaケータイN705i

amadanaケータイN705i

 アマダナは昨年末にNECとコラボして携帯電話を手がけました(N705i)。大好評で、品薄状態が続いているようです。熊本氏の言い回しを借りますと、「今まで渋谷のライブハウスでこぢんまりと活動していた泡沫バンドが、偶然エイベックスの目に留まって、あれよあれよと言う間に、気づいてみたら武道館でコンサートしていたようなもの」というシンデレラ状況のようです。

 ここで熊本さんは兜の緒を締め直します。「このパターンは、創成期からのハードコアなファンたちとの距離が開いてしまう危険性を持っています。ファン心理とは微妙なもので、駆け出しの頃を知っているだけに、メジャーデビューとなると、うれしさ余って『裏切ったな!』『魂を売ったな!』となるわけです。

 ですから、夜8時からの武道館ではニギニギシク大盛況に騒いで、でも12時になったら、初心を思い出して渋谷の場末のハウスに戻って、そこでもう一回仕切り直しをする必要があるんです」。なるほどシンデレラですからね。総合電気メーカーで営業をやりながら、副業でDJもやっていたという異色のキャリアも持つ熊本さんならではのビジネス感覚です。

高品質なナショナルブランドだが、カルチャーには至っていない

 正直申し上げると、今回アマダナに直接インタビューするまでは、われわれ日本人が洋物ブランド衣料品の最大消費国であるうちは、たとえ得意の電化製品分野であっても、デザインで世界をリードするというのは絵空事だと思っていました。日本が敗戦後、焼け野原から不断の努力の上に築き上げた最大のナショナルブランド、それは信頼性や使い勝手の良さに代表される、作り込みの品質レベルのずば抜けた完成度の高さにありました。それは作り手側の持つ職人気質にある「完璧を求めるこだわり」と、買い手側の「選別眼のレベルの高さ」がお互いに刺激し合って正のスパイラルがうまく相乗効果を生んだ結果と言えるでしょう。

 掃除機なんて吸えばいいじゃん、とか、ペンなんて書ければいいじゃん、という合理的な消費者側の文化背景からは、凝ったモノづくりは生まれようがありません。こだわりの消費者があって鍛えられたからこそ、世界のどこに行っても尊敬される超一流の品質を生み出すことができたというわけです。

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「川口盛之助の「ニッポン的ものづくりの起源」」のバックナンバー

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「“カルチャー”を創る買い手が、作り手を育てる」の著者

川口 盛之助

川口 盛之助(かわぐち・もりのすけ)

盛之助 代表取締役社長

戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトル・ジャパンにてアソシエート・ディレクターを務めたのちに株式会社盛之助を設立。研究開発戦略や商品開発戦略などのコンサルティングを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長