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予算オーバーを防ぐには
社内情報システムの「アーキテクト」を持とう

  • 横浜 信一

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2008年7月7日(月)

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 まず、図1をご覧いただきたい。これは情報システムの開発プロジェクトがどれくらい予算オーバーするかを、統計的に分析したものである。黒丸で示してあるのが一つひとつの情報システム開発プロジェクトである。お気づきのように、プロジェクト規模が大きくなればなるほど、当初予算に対する超過割合も高くなる傾向が見られる。

プロジェクトの規模とコストオーバーの関係

図1:プロジェクトの規模とコストオーバーの関係

 同じ図の上で、道路、鉄道、橋やトンネルなどの建設系開発プロジェクトもプロットしてある。こちらも予算オーバーのケースがあるが、明らかに情報システムほどのコストオーバーは起きていない。また、プロジェクト規模が大きくなったとしてもコストオーバーのレベルがそれに応じて高くなるということもない。

 非常に深い意味合いを感じさせる分析ではないだろうか。同じように大規模なエンジニアリング開発プロジェクトであるにもかかわらず、情報システムのみがコスト管理ができない、という事実が突きつけられている。この差はなぜ生まれてくるのだろうか?

複雑性だけでは説明できない

 情報システムの開発は、複雑性をはらんでいる。規模が大きくなればなるほど、複雑さの度合いが増すのも事実である。技術的にも、昔はメインフレーム主体で単純だったシステム構成が分散型になり、ウェブ型になり、接続するシステムのインターフェースが増える中で、技術進歩が情報システムの複雑度を増すという皮肉な現象が起きているのも事実である。

 しかし、高度な複雑性を持つエンジニアリングプロジェクトといえば、情報システム以外でも同様なはずである。一例を挙げると、ベルリンのポツダム広場で最近作られたモールは19の建物からなり、トンネルや鉄道の駅とも接続し、総工費1000億円以上であった。ピーク時には6500人の作業員が建設に従事した、工期4年のプロジェクトである。マイクロソフトが新しいOS(基本ソフト)を作るのに2000人が5年間かけていると言われていることと比べても、いかに大規模なプロジェクトであったかが分かる。しかし、ポツダムのモールのプロジェクトでは、コストオーバーは当初予算の10%未満しかなく、工期4年は当初予定通りであった。

 こうして考えると、コストオーバーが起きるのは開発対象の複雑さではなく、開発アプローチそのものに問題があると考えざるを得ない。それは、エンジニアリングとしての成熟度と言ってもよい。建造物の場合には、ローマ時代のコロッセウムやさらに遡ればエジプトのピラミッドなどの時代から、数千年の歴史をかけてエンジニアリング手法を進化・洗練させてきている。これに対し、情報システム開発の歴史はたかだか数十年であり、まだまだエンジニアリングとしては成熟していないと言える。では、情報システムの開発に当たって、建造物の開発から学べる点は何だろうか。

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