「渡辺弘美の「IT時評」」

「アイデア募りビジネスに生かす」新トレンド

「グラウンスウェル」時代に政府もAPI公開でオープン・イノベーションを推進

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2008年7月10日(木)

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 とうとう今週、米アップルのiPhone3Gが主要国で一斉に発売される。同時にiPhone App Storeと呼ばれるiPhone専用のアプリケーションソフトのマーケットプレイスが開店するのも大きな話題だ。

 これらのアプリケーションソフトは、アップルが開発するものではなく、アップルが公開したiPhoneのAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェイス)やSDK(ソフトウェア開発キット)を利用してサードパーティが製作するものだ。この製作に当たっては、米大手VCのクライナー・パーキンスがアップルに協力し、総額1億ドル(約107億円)のファンド(iFund)を用意した。

 一方、グーグルも同社が開発した携帯電話用プラットフォームのアンドロイド(Android)上で動くアプリケーションをサードパーティが製作するに当たって、APIの公開に加え、総額1000万ドル(約11億円)の資金を提供している。

 前回ここで紹介したチャンビー(Chumby)もそうだし、SNSのフェイスブック(Facebook)もそうだが、基盤技術であるプラットフォームの上で動くアプリケーションをサードパーティが開発しやすいように、APIを公開し、自社の外部でイノベーションを創出し、結果、多くのアプリケーションを取り揃えることで、自前のプラットフォームを支配的なものとし、確固としたエコシステムを作り上げている。今や、このオープン・イノベーションの戦略は定石になったと言ってもいい。

 そして、このオープン・イノベーション戦略を、英国の内閣府のタスクフォース(Power of Information Taskforce)も採用し始めた。このタスクフォースは、社会的・経済的利益を得るために政府が保有する情報の有効活用を促進することを目的に、トム・ワトソン内閣府大臣を座長として本年3月に設置されている。

 このタスクフォースが今月立ち上げたばかりのブログ(Show Us a Better Way)の7月4日のエントリーで、政府が所有する情報を効果的に利用する方法について外部から広くアイデアを募り(9月末締切)、最優秀のアイデアとして認められた者には(10月第2週発表)、アイデアを具現化するための開発費用として最高2万ポンド(約422万円)の賞金を提供すると発表した。

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著者プロフィール

渡辺 弘美(わたなべ・ひろよし)

渡辺 弘美

国際大学GLOCOM客員研究員(早稲田大学IT戦略研究所客員研究員。情報セキュリティ大学院大学セキュアシステム研究所客員研究員)。2007年6月まで日本貿易振興機構(JETRO)ニューヨークセンターでIT分野の調査を担当。インターネット、ITサービス、セキュリティ分野などの動向を毎月まとめた「ニューヨークだより」に定評あり。近著に「ウェブを変える10の破壊的トレンド」(ソフトバンククリエイティブ)や「セカンドライフ創世記」(インプレス)がある。東京工業大学卒。福岡県出身。 ホームページはこちら

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