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「iPhone 3G」がソフトバンクの首を絞める時

急拡大するデータトラフィック、インフラの充実度が焦点に

  • 大谷 晃司

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2008年7月15日(火)

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 「iモードからユーザーを奪還する」。今から1年半前、サービス開始直前だったイー・モバイルの幹部から聞いた言葉である。なぜいまさらそんな昔話を持ち出すのか。それは「iPhone(アイフォーン) 3G」の登場によって、記者の頭の中に当時の取材の記憶が呼び起こされたからだ。iモードからユーザーを奪還するのはひょっとするとiPhone 3Gかもしれない――。そんなシカケがiPhone 3Gには盛り込まれている。

孫社長「モバイル・インターネット元年がこの日から始まる」

 当時、この“奪還”発言の背景にあったのは、メールの利用やWebサイトの閲覧などで発生する「データ通信」の伸びである。携帯電話事業者の収入を表す指標の一つであるARPU(アープと読む。1契約当たりの月間平均収入)は、基本的に通話料や基本料などで構成する(1)音声収入(音声ARPU)と、メール送受信や携帯サイトの閲覧などで発生する(2)データ通信料収入(データARPU)に分けられる。

 ここ数年、右肩上がりで伸び続けているのが後者のデータARPUだ。実際、1年半前の2007年2月8日に開催されたソフトバンクの第3四半期決算発表の場で、孫正義代表取締役社長兼CEOは「第3世代携帯電話への移行に伴って、データARPUは増えている」と説明。2007年度決算を見ても、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの携帯大手3社はいずれもデータARPUが伸びており、この傾向はゆるぎない。

 こうしたトレンドの下で出てきたのが冒頭の「iモードからユーザーを奪還する」という発言だった。iモードはNTTドコモが提供するコンテンツ配信などの仕組みである。音声中心だった携帯電話の利用をデータ通信へといざなった立役者とも言える。

 ただ、iモードで提供されるサービスは、NTTドコモのユーザーしか利用できない。携帯電話事業者とコンテンツやアプリケーションが紐付いているためだ。イー・モバイルは、こうした特定の携帯電話事業者の中に閉じたデータ通信の世界を、誰にでも開かれているインターネットの世界に変貌させようとの考えを持っていたのだ。

 あれから1年半、こうした考えを実現するのが、iPhone 3Gを販売することになったソフトバンクモバイルかもしれない。2008年7月11日、ソフトバンクモバイルからiPhone 3Gが発売された。東京・渋谷区の「ソフトバンク表参道」では朝6時45分から先行販売イベントを開催。孫社長は多くの報道陣が集まる中で、「モバイル・インターネット元年」がこの日から始まると宣言した。

iPhoneのビジネスはNTTドコモのiモードと正面からぶつかる

 タッチ・パネルによる斬新で洗練されたユーザー・インタフェース――。こうした使い勝手に焦点が当たることが多いiPhone 3Gだが、従来の携帯電話と決定的に異なるのは、携帯用アプリケーションを今よりも身近にする仕組みを、アップル自らが提供している点にある。そんなポイントをユーザーの視点からずばり指摘したのが、7月11日に東京・千代田区のヨドバシカメラマルチメディアAKIBAでの発売イベントに登壇した俳優の谷原章介氏だ。

 iPhone 3Gの感想を求められた谷原氏は次のように指摘した。「『App Store』(アップストアと読む)がiPhoneの可能性を広げる。今までの携帯は新機能を使うためには端末を買い換えるしかなかった。iPhoneはソフトウエアによって新機能を追加したり、自分なりのカスタマイズができる」。

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