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おもちゃに見る創造力の喪失

なぜ日本から「チャンビー」が生まれないのか

  • クロサカ タツヤ

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2008年8月7日(木)

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日本の技術革新は4位

 世界の政財界トップが集まるダボス会議を主催する「世界経済フォーラム(WEF)」が2007年版に発表した世界競争力ランキング。1位は米国で、日本は8位だった。個別に見ると、2006年版では首位だった「技術革新」が4位に転落。しかし、ケータイの「ワンセグ」「おサイフ」といった機能が示すように、世界最先端の技術を持っているはず。日本に何が足りないのだろうか。

 おもちゃは時代を反映する――。いきなりの断言口調だが、私はそう思っている。最先端ではなく安価に使える「枯れた」技術を使い、その時代に流行するコンテンツと連携しながら、子供という直感優先の最も厳しい消費者を相手にした、総合力を要するものづくり商売。考えてみると、現場重視のタフなビジネスだ。

 おもちゃは重責を担っている、とも思う。例えば私は、ちょうど小学生の頃に初代ファミコンが登場している世代に属している。ドラクエ発売に行列をなしてニュースに取りあげられた世代である。そして彼らは三十路に入った今でもテレビゲームに親しんでいるはずだし、もはや親となった彼らは、自分たちの子供にも自然とそれを伝え始めている。

 またゲームから派生した様々な商品・サービスが広がっていく。ケータイコンテンツの興隆はまさにこうした基盤に支えられているだろう。さらにソフトウエアビジネスの拡大も、こうしたゲームを楽しむことで培われた価値観によって支えられた面もあるはずだ。よく知られているように、例えば映画産業とゲーム産業が今や極めて近いところにいる。

ネット端末「チャンビー」の衝撃

 とすると、その時代に合ったおもちゃを提供するということは、それで遊んだ子供たちがその後どのような人間に育つか、そしてその人間がどんな社会や産業を作っていくか、ということに大きな影響を及ぼすということだ、とも言える。これを悪い方に敷衍したのがいわゆる「ゲーム脳」だろう。この議論自体は根拠に乏しく、私は支持しないが、こういう議論がまかり通るくらい、おもちゃの存在感は大きいということだ。

 少し前に知人の家で「チャンビー(chumby)」というおもちゃを見かけた。作っている本人たちはおもちゃと思っていないかもしれないが、あえて敬意を表する意味でも私はこれを「おもちゃ」と言っていいと思っている。

 ごく簡単に説明すると、3.5インチのタッチパネル液晶画面と無線LAN、USBポートを搭載したLinuxベースのネット端末である。大きめのハンバーガーくらいのサイズで、画面と背面以外は皮で覆われている。特段に高級感や高機能感があるわけではないが、ぬいぐるみか何かのような見た目で、一言でいえば、結構かわいい。

 スペックからも分かるように、大したことはできない。公式サイトに600種類のコンテンツがあるというが、おそらく日本のケータイで利用できる程度のサービスやコンテンツだろう。デジタルフォトフレーム(デジタル画像の写真立て)、メールの受信、動画の視聴、あとは目覚まし時計としての用途が主だったところと思われる。

 端末としての機能も高くはなく、サービスもそう作り込まれたものではない。そもそも既存の枯れた技術の組み合わせでできた、文字通りおもちゃだと思う。しかし私はこれを見かけた時、ある意味でiPhone(アイフォーン)を超える衝撃とショックを受けた。なぜこうしたおもちゃが、日本から生まれなかったのだろうか、と。

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