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“コンクリートの折り紙”は建築資材不足が生んだ名作

~群馬音楽センター(1961年)、群馬県高崎市~

2008年9月4日(木)

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 戦後に活躍したモダニズム建築が人知れず取り壊されるのは何とも口惜しい。そんな思いが膨れ上がって作った単行本『昭和モダン建築巡礼』では、西日本編、東日本編合わせて57件の名建築を巡った。このコラムでは、そのうち東京近郊、およびビジネスマンが出張で行きそうな都市にある10件程度を紹介しようと考えている。

 さて、最初に何を取り上げようか。首都圏に多いNBonline読者に関心を持ってもらうには都心に近い建物がいいか、とも思ったのだが、いろいろ考えた末、最初の巡礼地は少し足を延ばして群馬県高崎市の「群馬音楽センター」にした。なぜなら、この建物は“モダニズム建築の教科書”とも言える名作だからだ。

 この建物の特徴は、アコーディオンの蛇腹のように鉄筋コンクリートの壁を折り曲げた構造だ。建築用語ではこれを「折板(せつばん)構造」という。

 もちろんこれはコンクリートの板を後から折り曲げたのではなく、最初から折れ曲がった状態に型枠を組み、その中に生コンを流し込んで固めたものだ。ではなぜ、わざわざそんな面倒くさい形にするのか。見た目が格好いいから?

 それも理由の1つではあるが、最大の理由は、使用するコンクリートの量を減らすことができるからだ。

日本人のツボを刺激する外国人建築家アントニン・レーモンド

 紙を蛇腹状に折り曲げたものを思い浮かべてほしい。折り曲げた紙を机に立て、上から指で押すと、まっすぐな状態よりも強くなっているはずだ。

 群馬音楽センターでは、この折板構造のコンクリートを東西の壁面と、屋根面に使っている。それによって、建物の最大スパン(無柱の距離)が60メートルもありながら、壁の厚さは25センチ、屋根の厚さはわずか12センチで済んでいる。

 この建物が完成したのは1961年。建設資材がまだ十分に流通していなかった時代だ。コンクリートのギザギザは、当時の社会状況を反映した形なのだ。

イラスト

 そうしたことを知ると、この建物の外観は、コンクリート製の“巨大な折り紙”に思えてくる。

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「“コンクリートの折り紙”は建築資材不足が生んだ名作」の著者

宮沢 洋

宮沢 洋(みやざわ・ひろし)

日経アーキテクチュア副編集長

1967年東京生まれ。1990年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、日経BP社入社。日経アーキテクチュア編集部に配属。以来、建築一筋。現在は日経アーキテクチュアにて「建築巡礼/プレモダン編」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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大量陳列、大量販売というのがある程度限界にきているのかなと思います。

松﨑 曉 良品計画社長