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企業の強みを生かすために
経営の「型」とITを融合する

  • 横浜 信一

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2008年8月25日(月)

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 北京オリンピックの期間中、列島中が日本人選手の活躍に一喜一憂する日々であった。超一流選手の間の熾烈な争いであり、いずれが勝っても勝負は紙一重である。素人の私から見ても、勝者は必ずと言っていいほど自分の強みをいかんなく発揮している。どんなに優秀なプレーヤーでも完璧ではないわけで、いかに自分の型を真剣勝負の場で発揮できるかが、勝敗を左右しているように見受けられる。

 スポーツ選手に自分の「型」があるように、企業にも経営の型があると思う。経営の特徴と言ってもいいかもしれない。その企業が得意とする勝ちパターンであり、それをもたらす組織としての強さである。企業の競争においても、こうした型を持っている企業が優位であることは言うまでもない。

 ビジネステクノロジーの考えでは、IT(情報技術)の活用を図る際にも、こうした経営の型を重視する。杓子定規なIT活用のあり方をあてはめるのではなく、その企業の風土やカルチャーにマッチした形で、経営の中にITをあんばいよく織り込むことが肝心となる。

ITコストが高い企業から、診断依頼を受けたが…

 ある企業のケースをご紹介したい。この会社はカリスマ的な創業者のリーダーシップの下で急成長を遂げている。社長は業界の風雲児的な存在であり、これまでの業界の旧弊を打ち破るモデルを次々に打ち出してこの企業を業界有数のプレーヤーになるまで牽引してきた。

 社長はITについては全くの不案内であり、自社のITコストが高くなっているのが気になり、マッキンゼーにIT診断の依頼があった。約2カ月かけてITコストの可視化を行ったが、その診断結果は以下の通りであった。

 確かにこの企業のITコストは、総額で見て業界平均よりも3割程度高い。さらに細かく見ていくと、コストが高い理由は大きく3つに分類できた。第1は、ベンダーに発注するコストの要素一つひとつが高額であること。具体的には、長年つき合ってきている大手ベンダー数社にシステム開発を依頼する際のSE単価や、データセンター運用のエンジニアの稼働率などが甘く見積もられているケースが多数見つかった。しかし、これによるコスト増はせいぜいで5%程度であった。

 第2の理由は、いわゆるデマンドマネジメントが効いていない点にあった。この企業の場合、いったん仕様凍結を行っても後から事業部門サイドから見直しの要請が繰り返され、手戻りが発生することが常態化していた。そしてこれによるコストアップは発注単価が高いことよりも大きく、10~15%程度と見込まれた。ベンダーに確認してみると、仕様凍結後の見直しが入ることをベンダーも想定しており、当初からそれを織り込んだ見積もりを出しているという。

 第3には、過去のつぎはぎ的開発・システム連携の結果として全体の設計が非効率になっており、単純に見えるプログラム改良でもシステムのあちらこちらに手を入れる必要が生じる状況になっていた。これはいずれの企業にも程度の差はあれ見られることだが、買収を重ねて成長を続けてきたこの企業の場合にはシステムの実質的な統合がまだ進んでおらず、そこを見直すことで少なくとも10%以上のコスト低減が可能と見込まれた。

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