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読者コメントを基に
「地上デジタル放送の明日」を考える(前編)

2008年8月21日(木)

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 本コラム7月31日公開の「『完全』を目指す地上デジタル放送、読者の皆様はどうお考えですか」に対し、多くの方からご意見をいただいた。書き込んでくださった方々にお礼を申し上げる。今回は、頂戴したコメントを基に、地上デジタル放送の今後について考えてみたい。

 あらかじめお断りしておくが、本稿は長い。いただいたコメントをできる限り掲載したためである。このため今回は変則的に前編、後編と分け、2日続けて掲載する。週末、ご自宅などでゆっくりご覧いただければと思う。また、コメントに筆者が見出しをつけたほか、一部編集させていただいた部分もあるのでご了承願いたい。なお、ほとんどのコメントが記事公開の7月31日に書き込まれたものだが、8月初めに投稿されたものもある。

 頂戴した意見を読み、整理していた時、総務省が地上デジタル放送の完全移行に必要な経費を国債で賄う、という新聞記事が出た。日本経済新聞8月12日の報道によると、総務省は「生活保護世帯への地デジ専用チューナーの無償配布などを計画しており、三、四年で二千億円以上の追加負担が必要になる」。この費用を国債で賄い、最大5年かけて債務を分割払いしていくという。ここで「完全移行」とは、放送側が日本の全世帯に地上波でデジタル放送を配信するとともに、これまでアナログ放送を視聴していた日本の全世帯がデジタル放送を受けられるデジタル受信機を用意することである。

 地上デジタル放送の完全移行計画は様々な問題を含んでおり、いろいろな角度から議論が可能であるが、何かに絞らないと分かりにくい。そこで前回の原稿に「本稿においては供給者、すなわち放送業者の視点から、地上デジタル放送の課題を日経ビジネス オンライン読者の皆様と考えてみたい」と提案し、それに関連して次のように書いた。

 新聞各紙の記事を眺めていると、完全移行の日である2011年7月24日までにデジタル放送が見られる受信機が全世帯に普及するかどうかを論じたものが多い。アナログテレビが大量に残っていると、2011年7月24日は「テレビが映らなくなる日」として記録されかねない。「テレビ放送が映らず、うちのテレビがいきなり粗大ゴミになった」といった利用者側から見た話は新聞として取り上げやすい。

 これに対し、読者から次の指摘を受けた。

●テレビは粗大ゴミにあらず

 「テレビ放送が映らず、うちのテレビがいきなり粗大ゴミになった」について。趣旨は分かりますが、テレビは粗大ゴミではないので、誤った記述は避けていただきたい。無用の長物などと言い換えるか、具体的に「家電リサイクル法に基づいて処分が必要」と書くべきです。

 ご指摘の通りであり、今後「テレビがいきなり粗大ゴミに」という表現は避けることにする。

そもそも、デジタル放送は必要なのか?

 さて、「供給者、すなわち放送業者の視点から」考えようと呼びかけたものの、読者から寄せられた意見を拝見すると、テレビ放送を見る側から見た疑問、すなわち「なぜデジタル放送にするのか」「デジタル放送を見るため視聴者が負担する費用が高い」といった内容のものが相当数あった。まずこうしたご意見から紹介する。

●デジタル化の必要性を疑う

 デジタル放送への移行が完全にできるかどうかという以前の状況ではないだろうか。コンテンツ作成部門がデジタルになるのは時代の流れかもしれないが、末端の家庭の受信までデジタルにする必要があるのか。今のテレビで当面は全く問題ない。

 デジタル化して何が良くなるかについて、誰も納得していないのではないか。画像が良くなる? しょせん、お笑いのバラエティー番組だらけで、その画像が良くなってどうなのか? いつでも番組情報や関連情報が取得できる? それほどタイムリーで有効な情報をテレビは提供できるのか。本当に必要なら、様々な手段を使って自分で調べればよい。

 今の日本の経済状態や社会状態が続けば、おそらくデジタル化とともに、テレビを見ない人が増えるだろう。ラジオに行くのがよいかもしれない。デジタル放送の設備投資や新東京タワーは、無駄になった日本最後の大公共事業のランドマークになるのではなかろうか。

●家の工事をせよというのか

 「完全なデジタル化」を期限を決め、「0か1か」という施策はやめてほしい。我が家ではデジタル化のメリットがありません。築30年の我が家の屋内配線を調べたところ、屋内の壁に埋め込まれた配線が許容以下で、デジタルに対応できないことが分かりました。対応するには、機器購入、設置だけではなく家の工事が必要です。いったいどれくらい費用がかかるのでしょうか。このような家屋はほかにもあるはずです。そのような実態をどれほど把握し考慮しているのか、はなはだ疑問です。アナログ放送をやっている限りアナログで見ようと思っています。

※この意見については、下記の書き込みがあった。

 「築30年ほどの我が家では、…デジタルに対応できないことが分かりました」とコメントされていた方、現在アナログ地上波が普通に映っているなら、デジタルでも問題ないと思います。アンテナがVHFだけならUHFのアンテナにする必要がありますが。BSアンテナがなくてBSデジタルを見たい場合は、新たな配線が必要です。地上デジタルに絡んで、必要のない機器や設備を売りつけようとする業者もいますのでご注意下さい」

●いつどこでだれが決めたのか

 なぜデジタル化が必要なのかが、多くの国民に対して明らかにされていない。いつどこでどのような経緯で議論され決定されたのかについても、しかり。後期高齢者医療保険と同じではないか。日本の行政は利権のみで決められ、今回は電波利権である。犠牲にされるのはいつも国民。マスコミも行政指導(?)に踊らされて、「地デジ地デジ」と連呼するのではなく、まず問題の本質を明らかにする必要がある。

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「読者コメントを基に
「地上デジタル放送の明日」を考える(前編)」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BPビジョナリー経営研究所

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者、2009年1月から編集長。2013年から現職。プロジェクトマネジメント学会員、ドラッカー学会員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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